ひぐれさぐれ
糸島弁シリーズ二百三十八。ひぐれさぐれ。
『むすめんこが こげん まちはずれん ひぐれさぐれに そうつくもんじゃなか はよー かえって まま たべない』「女の子がこんな町外れの夕暮れにうろつくものじゃないよ。早く帰って御飯を食べなさい」
余計なお世話のごたるばってん、ほんなごとですよ・・・というわけで、
【ひぐれさぐれ】日暮れ、夕暮れのこと。「さ暮れ」の「さ」は調子づけの接頭語で、さ夜更くのさ、さ迷うのさ。「日葡辞書(九州方言→ポルトガル語対訳辞書:1603年」にも、Sayo fuqeyuqeba(小夜更け行けば)で収録されとります。もっとも自分はいっとき前まで、さ夜吹く(更けるじゃなく)風と思いこんどりました(恥)。
ついでに、もうひとつの語源説。「夕まぐれ= 夕方うす暗くてよく見えないこと」という言葉もあるので、「ひぐれまぐれ」からの訛りと考えられんこともなさそうです。
しかしまぁそれにしても、福岡の人間は語尾の音が同じ言葉をくっつけるとがたいがい好いとるごたりますね。「ちんだはんだ」「しっちゃんがっちゃん」「ひっちゃらこっちゃら」などなど。
50年ほど前のグループサウンズの「マリアの泉」という曲の歌詞にまさに♪さ迷う街の夕暮れに・・・♪と出てきます。
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