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2016年10月

2016年10月31日 (月)

はんちゃ

糸島弁シリーズ二百二十一。はんちゃ。
『あさばんな ひえこんでって ぼちぼち はんちゃの ほしゅうなるな』「朝晩が冷え込んで来て、そろそろ綿入れ半天が欲しくなるね」

【はんちゃ】短い丈の厚手(綿入れ)の仕事着。
けっこう全国的に使われる方言のようで、地域によっては「夏に着る短い単衣の着物」「短い半纏、羽織や東北地方の百姓の仕事着」などとあります(日本国語大辞典)。
この言葉の由来としては、「半茶羽織《はんちゃばおり》」や「半着《はんちゃく》」などが考えられるごたります。もっとも、長着(普通の長さの着物)の半分だと「半着《はんちゃく》」やないで「半着《はんぎ》」というらしかとですがね。こうした語源探しはなかなかに難しくもあり、面白くもあり・・・というところです。

Hancya

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2016年10月24日 (月)

はんさし

糸島弁シリーズ二百二十。はんさし。
『こんごろん こどもな はんざし どころか はさみさえ いっちょも つかいきらんっちゃな』「この頃の子どもは小刀はもちろん、ハサミもまともに使えないんだね」

【はんさし】小刀《こがたな》のこと。刀とつくので、すぐ直感的に脇差《わきざし》を思いうかべて、その半分の長さで半差《はんさし》と書くとやろねと勝手に想像しとったらどうも違うようです。脇差しの半分としても、小刀にしては長すぎますもんね。その長さなら、むしろ短刀や匕首《あいくち》という方が正しそうです。

で、いろいろ資料や辞書類を当たってみると、これはすぐに見つかりました。
【筈刺(はんざし)】筈刺(はずさし)の訛りで、弓矢の矢の筈のみぞの彫り込みに用いる小刀(広辞苑)とありました。この糸島弁もずいぶんと歴史のある言葉のようです。

写真はうちの子どもに使わせていた鞘(蓋?)つきの(切り出し=小刀=)はんさし。

Hanzashi

ついでに、糸島で弓矢といえば・・・

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櫻井神社の流鏑馬。

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2016年10月17日 (月)

べんさし

糸島弁シリーズ二百十九。べんさし。
『どんゆび かーくいた!』『なんやそりゃ かくいかたの へたかけん きやすかこったい べんさしたい』「どの指を隠したでしょ?」「なんだいそれは。隠し方が下手だから簡単なことだよ。薬指だろ」

【べんさし】紅差し指の訛り。薬指のことですね。「日葡辞書(九州方言→ポルトガル語対訳辞書:1603年」にも benisaxiyubi で掲載されとる古い方言です。大分ん方で「びんつけゆび」ていうとあって、「へー、鬢付け油をつける指のことか」と思うとったら、これも「紅つけ」の訛りのごたりました。ははは。

はい、では、「どんゆび かーくいた?!」 こげなことして遊びよらんかったですか。

Donyubikakuita

きちゃなか手指ですんまっせん。歳のごまかせんですね。

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2016年10月10日 (月)

しばや

糸島弁シリーズ二百十八。しばや。
『まつりい しばやするとなら せっかくやけん とこ かきあつめてって ぶたい つくりゃ よかたい』「お祭りに芝居するのなら、せっかくだから縁台をかき集めてきて舞台をつくればいいよ」

【しばや】芝居《しばい》のこと。「しばい」が訛ったのかと思いがちですが、実は逆でもともとは芝居《しばい》を指す江戸語だったようで、明治時代にもよく使われた言葉とのことです。芝居、芝屋と書いて「しばや」(精選版日本国語大辞典)。

【とこ】床。床机。縁台のこと。「ばんこ」の大きかと・・・いうと地の者にはわかりやすかかもしらんですね。

ちなみに志摩町史には「舞台は各家から石臼を集めてその上に五、六十枚の舞台板を並べて幕を張る本格的なものだった」という一文も見られます。

写真は鹿家の初潮旅館。いまでもときどき劇団が回って来とるようですね。

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ついでに「床」。

Banko01

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2016年10月 3日 (月)

でん

糸島弁シリーズ二百十七。でん。
『でんしたとな』『でんも せん。でんもしとらん』『でんも しとらんちゃ いうばってん かおな まっさおやなかな どっか ぐやいの わるかっちゃなかな』「どうしたの」「どうもしてない」「どうもしてないというけど、顔が真っ青じゃないか。どこか具合でも悪いんじゃないか」

【でん】どのように、どんなふうに。状況状態。方言でいえば、どげな・どえな・どえん・どげんの訛り、そしてその省略形というわけですかね。博多でも使わんことはなかとですが、どっちかというと糸島寄りの方言のような気がしとります。

でんもせん・・・ということで、電線音頭。

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