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2016年9月

2016年9月26日 (月)

後じめえ・後がやり

糸島弁シリーズ二百十六。後じめえ後がやり。
『あとじめえ せんやったとば おもいだして あとがやりしたら なしてか かぎのしまっとった』「後始末してないのを思い出して引き返したら、なぜか鍵がしてあったよ」

ほらほら!そこのあーた!ちっとボケて来よらんですか・・・な~んて。まぁ自分もときどき似たことしでかしよります。

【後じめえ】後始末。後片付けのこと。
後仕舞(あとしまい→あとじまい→あとじまえ→あとじめえ)という変化でしょうね。
【後がやり】後戻り。引き返すこと。振り向くこと。
由来はもちろん後返り(あとがえり)。面白いことに、後仕舞も後返りも標準語と思いがちですが、広辞苑にはどちらも収録がありません。気づきにくい方言なんですね。

振り向くといえば、海援隊の「こらえちゃっときない」という曲にこ「振り向けば天神 転んで中洲」という一節があります。というわけで・・・中洲・・・中津・・・

Nakatsuryo01

深江は「延寿院」の中津藩の国境石標。ダジャレですんまっせん。

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2016年9月19日 (月)

とっぺん

糸島弁シリーズ二百十五。とっぺん。
『かやさんの とっぺんから こふじのほうさい おりよーしたら すなみちで なんべんも こけおちたやね』「可也山の頂上から小富士の方に降りようとしたら砂道で何度も転げ落ちたよ」

【とっぺん】てっぺん(天辺)。頂上。いちばん高いところ。
「とっぺん」は「てっぺん」の訛りでしょうが、突辺と漢字が当てられそうですね。ただ突辺の方が天辺より少し尖った感じがします。突端(とっぱし・とっぱな)とも関係するとかどうか・・・。

また「とっぺんさき(突辺先)」「とっぱさき(突破先?突刃先?)」という人も居んしゃるごたりますね。この二つはなおさら尖った先という意味が強調されるようです。突刃先という漢字やと、もう山の頂上やらいう意味はなさそうです。

Fukunourakara

写真は福の浦からの可也山

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2016年9月12日 (月)

ヒラゴ・ヒラス

糸島弁シリーズ二百十四。ヒラゴ・ヒラス
『ひらごば まるで こーていかんな あしたでん さしみで じょうとう うまかけん』「ヒラゴを一本まるごと買っていかないかい。明日でも刺身で十分おいしく食べられるから」

【ひらご】ヒラゴはヒラスの子(小型)の意味。ヒラスは標準和名のヒラマサ(平政)のこと。二重に方言になっとるけん、ちっとややこしかですね。
ヒラゴの「ゴ」を辞書的に説明すると、1:名詞に付いて,そのような状態・性質の子供である意を表すこと。2:小さなものに付ける愛称・・・というところでしょうか。キスゴやアジゴもおんなじ言い方ですね。

ところで、「筑前国続風土記二十九巻:土産考序」という古書に、「平簀(ひらす)と云魚有。鰤に能似て大なり。味おとれり。然れ共味淡くして、性はぶりにまされり。病人に妨なし」とあります。
「味 劣れり」とはまたはっきりと書くね~というとこですが、個人的にはこの風土記のいう「味淡く」というところが逆に利点でもあるように思います。刺身で食 べるなら、まさにブリよりヒラスです。腹身の脂の質が違うんでしょうね。ブリに比べてあっさりしていてとてもおいしいです。また鮮度持ちがいい(落ちが遅 い)のも特徴の一つやなかでしょうかね。デパ地下あたりでも刺身の単価はヒラスの方がかなり高くなっとります。

「志摩の四季」にちょうどヒラスとブリが並んで売りよったけん、この二つの魚の見分け方を書いときましょう。

Kaburazuburi

胸ビレが黄色い側線に届いて(被って)いるのがヒラス(上)。届いていないのがブリです(下)。「被らずがぶり」と覚えておくとよかです。それともう一つの見分け方。上顎んとこが丸くなっとる方がヒラゴです。値札シールにも「平子」て書いてあるとが読めますかね。

Hirago

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2016年9月 5日 (月)

こぎりめいとる

糸島弁シリーズ二百十三。こぎりめいとる。
『こうしんさんでちゃ かんのんこうでちゃ あんしとい まかせときゃ こぎりめいとるけん ぬけのなか』「庚申様や観音講(のお籠もりなど)はあの人に任せておけば気が利くから間違いがないよ」

【こぎりめいとる】気が利く。気配りがよいこと。言葉の由来は小切り・小切り目で技が細かく手際がいいこと(精選版日本国語大辞典)とあるので、このへんから来たっちゃなかでしょうか。後は「切れ者」「利け者」あたりとの合成語の可能性もあるかもしらんですね。
この「こぎりめく」は、博多弁の資料には見当たらんし、まったく知らん言葉やったです。糸島弁独特の表現のような気がしますね。似た言葉似た表現に「こごたいが動く=気が利いて手間を惜しまない」があって、こちらは博多でも使います。

Koshinzuka

染井神社の近くの庚申塚です。もう、どっこも「お籠もり」はあんまししよんしゃれんごとなっとるようですね。

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