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2015年5月

2015年5月25日 (月)

言いやぐる2

糸島弁シリーズ百四十七。言いやぐる。
『あげん くんだりむいて こーかっとると ききつくろいに いいやぐられて ちゃなこんばい』「あんなに見下ろしたように威張っていると、(結婚相手の)下調べのときに言いつけられて婚約はできないよ」

「言いやぐる」については一度書いたことがあった
とですが、新しい発見があったけんもっぺん書きよります。

【言いやぐる】言いつける、告げ口すること。1603年に発行された日本語(九州方言)とポルトガル語の対訳辞書である日葡辞書に「Iyaguru」という言葉を見つけました。まさに糸島弁の「言い上(や・あ)ぐる」のルーツやなかでしょうか。
【くんだり向く】見下ろす。高座から見下ろすような物言いしぐさ。
【こーかる】威張る、生意気だ。
【聞きつくろい】見合いや仲人口から話があったさいの周辺への下調べ。仰らしゅー書くと素行調査や聞き込み捜査というとこでしょうかね。
【お茶の来る】結納が来ること。婚約が成立すること。

ついでやけん、人間関係にまつわる「上げたり下げたり高い低い」の方言をならべときます。

言い上ぐる:言いつける
くんだり向く:見下ろす・高座(坐)に座(坐)る
こーくら:神棚・高座
こーかる:威張る
あおなく:仰ぐ
あおなけ:仰向け
うわむけ:上向け
うつむけ:うつむく
ふくだむ・ふくろうどる:かがむ・しゃがむ

また、これは方言やなかとですが、「うつむけ」の「うつむけにする(東海道中膝栗毛)」でバカにする、なめとんのか!という意味の古語もあるごたります。

Agura

お雛様が「あぐら」かいて座っている台も「こーくら」というようです。

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2015年5月18日 (月)

天道生え

糸島弁シリーズ百四十六。天道生え。
『かつおなの いつもんとこやのーて でけとったが あら どげんしたとな』『うん ありゃ てんとうばえたい たねでん こぼしとったかもしらんな』「かつお菜がいつものところじゃなくて出来ていたけどあれはどうしたんだい」「うんあれは自然生えだよ。種でもこぼしていたのかもしれないね」

【天道生(てんとうば)え】自然生え。種を播かないのに、草木作物などが自然に生えること。天道はお日さま、太陽のこと。自然の恵みという意味もあるごたりますね。
また「天道(てんとう・てんどう)萌(も)え」と言いんしゃる地域・人も居んしゃるようです。

写真は小富士のかつお菜畑。

Katsuona

こちらはちょいと意味は違いますが、「孫生(ひこば)え」。

Hikobae

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2015年5月10日 (日)

よっちゃり

糸島弁シリーズ百四十五。よっちゃり。
『ことしな なたねづゆで あめのおおかったけん やさいやら むぎやら よっちゃりい ならんどきゃ よかがな』「今年は菜種梅雨で雨が多かったから、野菜や麦などの収穫ががっかりにならなきゃいいけどね」

最近は麦も品種改良で強くなっとーけん大丈夫やなかですか・・・というわけで、

【よっちゃり】がっかりすること。弱いこと。不良品の意味も含まれとるごたりますね。
語源ははっきりせんとですが、弱々しい・弱っちい・よたよた(衰えた様)・与太(役にたたない人・役にたたないこと)あたりやなかかと考えとります。
これは博多では聞いたことなかし資料的にも見つけきっとりません。純粋な糸島弁、リアル糸島弁に分類しても良かような気がします。

Taue_mugi_kaya

この写真は三日前に「志摩の四季」の帰りに撮った可也山。田植えの済んだ水田と収穫前の麦畑がなかよく並んどりました。

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2015年5月 5日 (火)

君が代

糸島弁シリーズ百四十四。君が代。
『なあなあ きみがよちゃ いわいうたやろ はかたんいわいめでたと おなしごたーもんや なかな』『そーたいね きゅうしゅうばしょんときやら ほーくすせんのまえやら いわいめでたーのーて うたうほうが もりあがるかしらんな』「ねえねえ、君が代は祝い歌だよね。博多の祝いめでたと同じようなもんじゃないかい」「そうだね。大相撲の九州場所やホークス戦の前に祝いめでたーのーて歌う方が盛り上がるかもしれないね」

とまぁ「このばちかぶりが!」と叱(が)られそうですが、暴論珍論じゃあっても、そうそう大間違いとも言えんっちゃなかでしょうかね。そげな気もします。

さて、今回、なして方言やないで「君が代」やらとりあげたかいうと、「君が代九州王朝起源説:古田武彦」やらいうもんがあることを知り、面白かな~と思うたわけです。以下Wikipedia「君が代」項目から引用。

◆糸島・博多湾一帯には、千代の松原の「千代」、 伊都国の王墓とされる平原遺跡の近隣に細石神社の「さざれ石」、細石神社の南側には「井原鑓溝遺跡(いわらやりみぞいせき)」や「井原山」など地元住民が「いわら=(いわお)」と 呼ぶ地名が点在し、また桜谷神社(さくらたにじんじゃ)には苔牟須売神(コケムスメ)が祀られ極めて狭い範囲に「ちよ」 「さざれいし」 「いわら」 「こけむすめ」と、「君が代」の歌詞そのものが神社、地名、祭神の4点セットとして全て揃っている◆

からげなです。ね、知らんかったでしょ。面白かやないですか。
「へっぱくBLOG」の方に書いたものとまったく同じ記事ですが、糸島にも関連があることなどでこちらにも記しておきました。

写真は糸島の細石神社と筥崎宮のさざれ石。

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一撮

糸島弁シリーズ百四十三。一撮。
『こめんひとつかみば いっさつっていう ふるかことばの あるげなやが いとしまでも つかいよったっちゃろかな』『しらんなー はじめてきいたばい』「米の一つかみを一撮という古い言葉があるらしいんだが糸島でも使っていたんだろうかね」「知らないね。初めて聞いたよ」

今回は糸島方言というわけでもなかとですが、「斗掻き」「ますぼり」の続編、米や穀物の計算用語のひとつとして書いてみよります。

【一撮(いっさつ)】「撮」は二本の指でつまむこと。1:穀物のひとつまみ。わずかな量 2:量目の単位。1勺の10分の1(広辞苑)。1603年に発行された日葡(日本語(主として九州方言)→ポルトガル語)辞書には、

【Issat イッサッ(一撮)】米や他の穀物の一つまみ。「Ichigo issatmo sannhouo togueyo :一合一撮も算用を遂げよ」とあり、個人的な考えですが「年貢の取り立て時の算用(さんにょう)方法の指示」ではなかでしょうかね。

そういえば、以前ここでも「一畝二畝」という田んぼの数え方についても書いたことがありました。そんときの画像を使いまわしときます。

Issenise

しかしまぁ今も昔も税金は上意下達のむしり取りですね。しかも年金は勝手に減らされ保険料は勝手に増やされですから、我々下々の者には抵抗のしようがありません・・・と、ついつい文句垂れてしまいました。ははは。

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