2019年6月24日 (月)

きりこなぐる

糸島弁シリーズ三百五十九。きりこなぐる。

『なして また こげん しんぶんしば きりこなぐっとるとや』『がっこうの しゅくだいやら いうとりましたよ』「なんでまたこんなに新聞紙を切り散らかしているの」「学校の宿題とか言ってましたよ」

【きりこなぐる】切り刻んで散らかること。小さく切り散らかす。「きりこ」=切り粉?切り小?で、「なぐる」=なげやり=なげだすこと・・・でよかとやろかな。

先週の唐箕つくったときの切りかすです。

Kirikonaguru

ついでに、唐箕にしろ手箕にしろ風選分別することを「ちりたて《塵立て》」ともいうごたります。
もひとつついで。「
箕」の字には「ちりとり」の意味があるげなです(漢語林)。なかなか奥が深かですね。

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2019年6月17日 (月)

とうみさき

糸島弁シリーズ三百五十八。とうみさき。

『ことしゃ たいがい できのわるーて とうみさきな しいな ばっかし』「今年はずいぶんと出来が悪くて唐箕先には実のない籾殻ばっかしだよ」

【とうみさき】唐箕先。唐箕で吹き飛ばされたゴミや粃のこと。

【とうみ】唐箕。手動の風選機。手箕「《てみ・てみい》=手籠・笊・しょうけ」で足りるとこもありゃ、庄屋や本家で唐箕使わせてもらわないかん広か田んぼ持ったとこもあったとのごたります。

では、その唐箕。自作の紙細工。ペーパークラフトでごじゃります。

Toumi01

 

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2019年6月10日 (月)

きりばん

糸島弁シリーズ三百五十七。きりばん。

『きりばんの たいがい ゆがみ そってったけん せいざいしょで しゃくごっすんば わけて もろーて きやい』「まな板がずいぶんと歪んで反ってきたから、製材所で一尺五寸をわけてもらってきて」

【きりばん】まな板・俎板・真魚板のこと。語源はやっぱし切板《きりいた》の切板《きりばん》で良かとでしょうね。もともとは、真魚板と書くごと「魚をさばく」ための板やったとのごたります。

自分はしょっちゅう志摩の四季やら伊都菜彩から魚を買ーてきちゃ、「おろす(洗って干しとる間は使えん)」ので二枚持っとります。一枚は志摩の四季にトラックで売りに来よる「まないた屋」さんで銀杏木をサイズ合わせしてもろーとります。

Manaita

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2019年6月 3日 (月)

したら

糸島弁シリーズ三百五十六。したら。

『したら らいしゅう げつよう あさいちの せこうと いうことで いいですか』『よかですよ』「そうしたら来週月曜朝一番の施工ということでいいですか」「いいですよ」

仕事の打つ合わせ中に若い営業マンのこの「したら」に引っかかったとです。果たしてこの「したら」は共通語か方言か?と。

【したら】そうしたら。そうなるとの意味。辞書には、「そうしたら」の略形。古語「したらば」の略形とあるので、あくまで共通語ということですね。じゃ、自分がよく使う「したら」「そしたら」「したらくさ」も共通語かというと、そりゃ違うでしょうが、そやけん悩みよるとです。結局はよーわからんまんまに書いてしまいました。

写真ネタもないけん、こげなとでご勘弁。月曜朝一じゃないで日曜朝一でキス釣りに行ってきました。ばってん、こんまかとばっかしでサッパリワヤでした。

Minikiss01

 

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2019年5月27日 (月)

ぐのみ

糸島弁シリーズ三百五十五。ぐのみ。

『おまや あやつの はなしな ぐのみ しといて おれの いいぶんな ききながして そらおかしかろ』「お前はあいつの話はそのまま聞いておいて、俺の言い分は聞き流しっていうのはおかしいだろ」

よくあるこっちゃありますね・・・ということで、ぐのみ。

【ぐのみ】鵜呑《うの》みすること。(なにも考えも批判もせずに)そのまま聞き入れること。信じること。以前は「具のみ」が語源と思うとりましたが、「ぐいっと勢いよく飲み込む」という意味の「ぐいのみ」という言葉が辞書にありました。「ぐいのみ」は盃だけを意味するとやないとに、この歳になって気づくというおそまつな話。ただし言葉の由来としちゃこっちの方が筋の良か気もします。

さすがにこげな樽酒やと「ぐいのみ」はできんですかね。ははは。

Agezoko01

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2019年5月20日 (月)

のーしろ

糸島弁シリーズ三百五十四。のーしろ。

『ことしゃ あつーも さむーものーて なえどこも まんぐりよー いきよるたい よか のーしろん できろうや』「今年は暑くも寒くもなくて苗床も具合よくいってるね。良い苗代ができるだろう」

【のーしろ】苗代《なわしろ》のこと。苗代の訛り。人や地域によっては「なーしろ」ても言うごたります。

ちょうど「まんぐり」ていう方言のでてきたので、ついでのおまけ。苗床の生育時期の気候ぐあいを「のーしろかんえ」やら「なーしろがんや」ていうとこもあるごたります。もちろん「寒合い=寒暖の様子・気温の具合」ですたいね。共通語では、やはり同時期を「苗代寒《なわしろざむ》」。

いつもながらの使い回し写真で申しわけなかですが、可也山の田植え直後。麦の収穫時期でもありますね。

Taue_mugi_kaya

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2019年5月13日 (月)

とや

糸島弁シリーズ三百五十三。とや。

『とやん せわな こどもでん よかが やっぱー おとしたり けむしりな させられめーな』「鳥小屋の世話は子どもでもいいけれど、さすがに首締めたり毛むしりはさせられないよね」

そらそうでしょうたい。親っさんたちの寄り合いの酒ん肴のかしわ肉なら・・・ということで、久しぶりに聞いた「とや」

【とや】鳥屋と書くとやろて思います。鳥小屋のこと。以前やっぱし鳥小屋を意味する「じどや=地鳥屋=塒鳥屋」はこちらに書いとりますので、よろしければお読みくだされませ。

最近ペーパークラフトなるもんに凝っておりまして、ちょうどこげなもん作ったときやけん載せときます。

Sanwa

 

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2019年5月 6日 (月)

つらんこうむく

糸島弁シリーズ三百五十二。つらんこうむく。

『うちんとが おだいしこうで おれがしりひかれの かかあでんかて つらんこうむくもんやけん おうじょうしとると』「うちの(嫁・かみさん)が、お大師講で俺が(尻敷かれで家は嬶天下)とばらしてしまうもんだから困っているよ」

【つらんこうむく】正体を明かす、化けの皮、素性をばらすこと。漢字やと「面の皮(甲)剥く」となるとでしょうか。剥かれる前の状態を「面の皮の厚い奴」「つらんこうの厚か」といいます。

面の皮は食えんですが、こげなとならなんぼでも食えます。豚足の皮。

自分ちで一時間ほど茹であげて、それから焼くなり甘醤油で味付けするなりするとよかです。

Tonsoku06_1

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2019年4月29日 (月)

ついえる

糸島弁シリーズ三百五十一。ついえる。

『なして じねんと ついえるまで ほっといたとね ほうばれ しとるやないね はよから ついやしときゃ よかったとに』「どうして(歯茎の腫れや膿を)自然に潰れるまで放っておいたの。頬腫れしてるじゃないの。早くから自分で潰しておけばよかったのに」

【ついえる】共通語としては潰れる、崩れる、壊れること。方言としては腫れ物やオデキを潰れること。潰すこと。似た表現では、つやす・つゆす・つえる・つゆる・・・とも言いますね。

懐かしいもんをお目にかけましょう。自分は歯医者に行くほどでもないときは、今も昔もコレ。新今治水。

Konjisui

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2019年4月22日 (月)

ふすぼる

糸島弁シリーズ三百五十。ふすぼる。

『えらい はしまの ふすぼって みゆるが また こうさの よかしこ ふって くるっちゃろな』「ずいぶんと葉島が燻って見えるけれど、また黄砂がたくさん降ってくるんだろうね」

【ふすぼる】「ふすぶる」「すぼる」ともいいますね。燻《くす》ぶること。靄《もや》がかかったような、ぼんやりした様子。

ちなみに「黄砂《こうさ》」という言葉じたいはそう古い言葉やないごたります。黄砂の前は漁師言葉ですが、 「ふすぼり西」「すぼり西」ていうとが使われよりました。

Hasima

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2019年4月15日 (月)

達者なか

糸島弁シリーズ三百四十九。達者なか。

『あんたんがいの ばばしゃん ほんなごと たっしゃなか げんきなかな けさも はよーから はたけに でとんなったよ』「あなたのお家のおばあさんは達者だね、元気だね。今朝も早くから畑に出ていらっしゃったよ」

【達者なか】達者だ。元気だ。この「なか」は「・・・でない」という否定形ではなかです。きれいな・まっすぐな・達者な・元気な・・・といった表現が、カ語尾化したもんやろて思います。

写真は岐志漁港でのおばばしゃん。

Tossyori

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2019年4月 8日 (月)

なかさい

糸島弁シリーズ三百四十八。なかさい。

『うちん なかさいな おなごばって こりゃ ちからもち あんじょうより よっぽど しっかりもん』『へー、きんぷらむすめな』「うちのまんなかは娘だけど力持ち。兄よりもよほどしっかりものだよ」「きんぴら娘なんだね」

【なかさい】子供三人(兄弟姉妹の)うちの真ん中の子。中の子。「なか」は問題ないとして、「さい」が何を意味するかというと、ようわからんとですが、
【さい】歳の真ん中で、中歳(なかさい)。あと、「才=木材・容積・船の積石・織物などの単位」らしいので、このへんの関連か・・・というのが考えられんこともなさそうです。
きんぴら娘については以前ここで書いとるのでご覧くだされ。ちなみにきんぴら娘は金太郎さんの子供げなです。 

 

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2019年4月 1日 (月)

出立

糸島弁シリーズ三百四十七。出立。

『こんどん そうしきな とうらいから でたちまで なんもかも せわい なりっぱなし やったな ほんなごと おおきに』「今度の葬式は訃報の連絡からお斎まで何もかも世話になって本当にありがとう」

【出立】でたち。葬儀や法事用の食事。お斎のこと。もともとは旅立ちの際の食事のことをいい、「出立ちの膳」は出棺直前の膳=お斎とあります(広辞苑)。いつもの「日葡辞書(九州方言→ポルトガル語対訳辞書:1603年」にも、Detachi=よそへ出発するときの食事とあります。これもたいがい古い言葉のようです。

【とうらい】葬儀の連絡(係)については以前ここでも書いているのでご参照くだされませ。

昨日は身内の七回忌で仕出しをとったばかりでした。もう精進やのーてばりばりの生ぐさ料理でございます。

Houji01

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2019年3月25日 (月)

てこ・てご・てごがい

糸島弁シリーズ三百四十六。てこ・てご・てごがい。
『ことしゃあ むぎがりい どっかから てごさん きてもらわな とっしょりばかしじゃ できめえや』「今年は麦刈りにどこかからお手伝いに来てもらわなくては年寄りばかりじゃできそうにないよ」
【てこ・てご・てごがい】(主に農作業の)手伝い手助けや加勢のこと・手伝い人・加勢人。「てこ・てご」は古語で漢字では手子。「てごがい」はこれも古い言葉でもともとは取っ手つきの小さな桶。木桶のことですが、地域によってはこれも「畦走り」や「醤油買い」に似た(下働きや使い走りに手伝いや手伝い人)意味をしとるようです。
Tekogai

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2019年3月18日 (月)

あまらかす

糸島弁シリーズ三百四十五。あまらかす。
『あたしが ぜんざいまんば おひるい たべんで あまらかしとったとに だれか たべて しもーとる』「私がぜんざい饅頭をお昼に食べずに余しておいたのに誰か食べてしまってる」

おいしかもんは誰もわからんとこに隠しとかな・・・というわけで「あまらかす」

【あまらかす】余《あま》す。残しておくこと。余分におく。・・・らかすで、わざわざ残す、意識的の余らせておくという意味ですね。だからこそ食べられてしまうと悔しいわけたいね~。饅頭だけでなく、いろんな物や事でよくあることじゃあります。

写真は前原は角屋のぜんざい饅頭。

Zenzaimanjyu_kadoya

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2019年3月11日 (月)

あただい

糸島弁シリーズ三百四十四。あただい。
『そげえ あただい かねかしちゃれやら いわれてん むりですばい』
「そんなに急に金を貸してくれといわれても無理ですよ」

【あただい・あただに・あたらに】急に、にわかに。言葉の由来ははっきりせんとですが、「慌ただしい」や「あたふた」あたりと語源は一緒じゃなかでしょうかね。「日葡辞書(九州方言→ポルトガル語対訳辞書:1603年」に、「Atadani=アタダニ副詞。Niuacani俄にと同じ」と収録されているので古い言葉というのは間違いないです。

まぁ貸す金はなかばってん、昼飯に(博多と怡土国境の)牧のうどんでんごっつぉうしときまっしょう。

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2019年3月 4日 (月)

およる

糸島弁シリーズ三百四十三。およる。
『あっちん ばばさんな しょうがつから ずっと およっとんなったばってん ぬくーなって しかしか あるきまわりよんなるて』「あちらのお婆さんは正月からずっと寝込んであったけれど、暖かくなってしっかりと歩き回っていらっしゃるんだって」

【およる】寝ること。横になって休むこと。病で臥せること。御夜とか御寝といった漢字が当てられる「古語」で、かつ敬語扱いされる言葉のようです。冗談のようですが「おひるになる(起き上がられる・目を覚ます」という対照的な言葉もあります。方言としては、もうたぶん消滅語でしょうね。志摩や前原出身の年寄りに尋ねても「聞いたことない」という返事でした。資料的には「さくらい歴史と方言集」や「筑後方言辞典(松田康夫:久留米郷土史研究会)」に収録があります。

ぼちぼち春らしい陽気になってきましたね。小富士の春です。

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2019年2月25日 (月)

やづま

糸島弁シリーズ三百四十二。やづま。
『ねしなに よんだほんが まくらもとに ちらかっとるやないね やづまに つんどくか たなに しまうか しない』「寝ながら読んだ本が枕元に散らかったままじゃないか。部屋の隅に積むか棚にしまうかしなさいよ」

【やづま】部屋の隅。家褄・屋端《やづま》などと書くようです。もともとは屋根や軒の端っこという意味らしいです。個人的にはただ四方八方の八褄と漢字を当てたい気もします。

例文は
実話ですたいね。寝ながら「へっぱくBLOG」と「糸島弁ブログ」両方の次回用の方言ネタを考えたり辞書調べをしよります。こげなふうに片付いとる方が珍しかです。方言資料の一部です。

Itosimabon


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2019年2月18日 (月)

ぬくめ

糸島弁シリーズ三百四十一。ぬくめ。
『こふじから かやさん のぼるとな ぬくめじゃ むりばい まいごに なるとが せきんやま』「小富士の方から可也山に登るのは初心者じゃ無理。迷子になるのが関の山だよ」

自分が迷子になった件は、ここにも何度か書いたごと
ちゃんとした登山道がなかけんですね・・・というとは別の話で今回は「ぬくめ」。

【ぬくめ】初心者。未熟者。一丁前にならない半人前。語源は「ぬくめどり」からやなかろうかと考えとります。以下広辞苑より。
【温め鳥《ぬくめどり》】
1:冬の夜、鷹が小鳥を捕えてつかみ、その脚を温め、翌朝これを放してやるということ。また、その小鳥。
2:親鳥が雛を翼でおおって温めること。
早い話が、まだ親元から離れきらん独り立ちしきらんていうことでしょうね。

写真は小富士梅林。

Kofuji09

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2019年2月11日 (月)

ぼさかた

糸島弁シリーズ三百四十。ぼさかた。

『おいちゃんたちな しょうゆかいはだれか ぼさかたはだれやて こきつかいなるばって おれたちゃとっくに おさばってんな』「おじさんたちは、使いっ走りは誰だ炊事係は誰だと酷使するけど、俺たちとっくに大人なんだけどね」
そういや、醤油買い=パシリですばって、もひとつ「畦走り」ていうともありますね。
【ぼさかた】炊事係・使いっ走り・雑用係。言葉の由来はさっぱりわかりません。補佐方というと現代語すぎるような気もしますしね。雑用係なら「ぼさぼさいぼさか=ぼろ・つまらんもの」からとも言えそうですが、第一義が炊事係やけんですね・・・、むりやり割烹の烹(ほう・ぽう)方とでもしときますか。どなたか「ぼさかた」をご存知でしたらご教授くだされませ。
ちなみに自分は毎日「ぼさかた」しよります。酒ん肴は自分でつくったほうがうまかけんです。豚バラ肉のカリカリ焼き・・・。
Butabarakarikari

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