2018年9月17日 (月)

出方

糸島弁シリーズ三百十九。出方。
『まーた もやいて いうて でていきなったが あんひとたちゃ でかたか のみかたか いっちょん わからん』「またもやい作業といって出ていかれたが、あの人たちのは共同作業か酒飲み会か区別がつかないね」

【出方】地区共有地の共同作業。もやいは出方(の義務的な仕事)に比べて個人的なつながりの交換作業といった感じでしょうかね。今でも(地域によっては)出方に参加できんと罰金というか代替金みたいなもんを払わないかんとこがあるようなことも聞きますばってん、はてさて実態はどげんかもんか?
自分とこの次男家族が福岡市から志摩の方に引っ越して糸島市民になったとですが、そのへんはどげんなっとるかちっと聞いてみたかと思うとります。

もう新米もボチボチ出回るころですね。

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2018年9月10日 (月)

なしけん・どしけん

糸島弁シリーズ三百十八。なしけん・どしけん。
『あーた どっから つりい きたと』『はかたからです』『なしけん わざわざ とおくまで』『ここは よー つれるとですよ』「あなた、どこから釣りに来たの」「博多からです」「なぜ、わざわざ遠くまで」「ここはよく釣れるんですよ」

真夏のある早朝、鹿家の初潮旅館下で、キス釣りしよる自分とウォーキングのおいちゃんとの会話でした。

【なしけん・どしけん】なぜ?どうして?そのわけは?理由は?博多では「なして」「どして」とは言いますが、それに「だけん」「そやけん」の「けん」を組み合わせる使い方はせんですね。前原や志摩師吉の知人縁故に尋ねたところ、やはりあんまし聞いたことなかということでした。

で、個人的な推理ですが、この「なしけん・どしけん」あるいは「そうけん・そりけん」はこの鹿家から唐津寄り、あるいは南の吉井や七山寄りの言葉やなかろうかと思いよります。これまた違っとったらすんまっせん・・・なんですが。

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こんな感じで釣れます。

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2018年9月 3日 (月)

あじな・・・

糸島弁シリーズ三百十七。あじな・・・。
『なんか きょうな あじな てんきやな こげなひば いっこくびよりて いうっちゃろか』「なにか今日ははっきりしないお天気だね。こういう日を一石日和と言うんだろうね」

【あじな】はっきりしない、すっきりしない、妙な・・・。もともとの古語の「味」には、
「味=一風変わっているさま。意外な・奇妙なさま。不思議なさま(精選版日本国語大辞典」という意味があるようで、この使われ方が方言として残ったとでしょうね。
【一石日和】(雨が)降る五斗降らぬ五斗

写真は葉島

Hasima

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2018年8月27日 (月)

そうめんちり

糸島弁シリーズ三百十六。そうめんちり。
『おそなえもんの そうめんの だいぶ あまっとっつろ ばんめしい ぐだくさんの そうめんちりでも しちゃってんやい』「お供え物の素麺がずいぶん余っていただろう。晩ごはんは具たくさんのそうめんちりにしておくれ」

【そうめんちり】すきやき風の鶏煮の(ぶっかけor汁)素麺。例会話文では「お供え物の素麺」と書きましたばってん、これは「初盆に素麺五把と線香一把を供えた」という一文(二丈町誌)に依っとります。

調理内容については、砂糖(ザラメ?三温糖?)をたっぷり使った甘い料理ということから、ハレの日用の行事食で御御馳走《おごっつぉう》というとが想像できます。時代によっては砂糖同様に「鶏《かしわ》」も贅沢品の代表選手みたいなものですから、両方合わせて「豪華&おめでたか」というわけですね。
もしかして長崎からの「シュガーロード」とも関係しとる郷土料理やろか?と勝手な想像しとります。

Somenchiri

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2018年8月20日 (月)

じご

糸島弁シリーズ三百十五。じご。
『むかーし ばばさんの まくわんじごば ふきんで しぼって じゅーすんごと しちゃりよんなった ちーとやったばってん ありゃうまかったなー』「昔、婆ちゃんが真桑瓜のなかみ(種の部分)を布巾でしぼってジュースのようにしてくれたよ。少しだったけど、あれはおいしかったね」

【じご】農村部では瓜やかぼちゃやキュウリの芯や種の部分。海岸部では魚の内臓のこと。語源はよーわからんとですが、ジゴは地子。物の基本になる部分(親)を意味する「地」の 子。また、自分の子で自子。血をわけた子で血子とも考えられんこともなさそうです。以下は半分冗談で、ジはジジ・ジージー(魚の幼児語)のジ。ゴはその子。こげな解釈はダメやろかね~。ははは。

写真は盆前に「伊都菜彩」で買ーて来たマクワ。

Zigo

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2018年8月13日 (月)

たるながし

糸島弁シリーズ三百十四。たるながし。
『いさりび いうたら いかつりの しゅうぎょとうて おもうとばってんが このごろな ひるでも いかな つれるげなね』『そうたい たるながしたい』「漁火といったらイカ釣りの集魚灯だと思うけれど、最近は昼でもイカが釣れるらしいね」「そうだよ。樽流し(という漁法)だね」

【たるながし】(小規模な一本釣りに近い?)たて延縄によるイカ漁法。昼間でも釣れるのはいいですばって、漁師さんもやっぱし真夏は夜釣りしたくなんしゃっちゃなかですかね。
「志摩の四季」や「伊都菜彩」で売られよるとは、釣りたてやけん鮮度が最高です。

Ipponyari02

「一本槍」についちゃ、こっちが詳しかです。

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2018年8月 6日 (月)

おろたえる

糸島弁シリーズ三百十三。おろたえる。
『おばちゃん うわぎの うらおもてい なっとるばい』『そうたい たいがい おろたえまくっとったもんやけん』「おばちゃん、上着が裏返しになってるよ」「そうだよ。かなり慌てまくっていたからね」

【おろたえる】うろたえるの訛り。わざわざ書くまでもない日常方言ですが、久しぶりに聞いたので・・・。先日、早良区の西新での実話。余計なお世話やと思いながらも、ついつい言うてしまいました。
【裏表】裏返しのこと。これは一応は共通語のごともあります。

ただ、なんで「うろたえる」→「おろたえる」になったかというと、あんまし考えたことがなかったとですが、「うろうろ」と「おろおろ」あたりの影響混同があるとかもしらんですね。

鏡やったらどうして裏面(顔見る方)向けんとかいなって、ちーと不思議に思うとですがね・・・。平原古墳祭りでの一枚。

Hirabaruoubo04

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2018年7月30日 (月)

ばくりょう

糸島弁シリーズ三百十二。ばくりょう。
『ばくりょうさんの つれてった うまの えらいよーみえたとよ そいたら やっぱ さいごい そこんかわに ひきいれて あろーて みがきあげたとげな』「馬喰さんが連れてきた馬がずいぶんと良く見えたんだよ。そうしたらやはりそこの川に引き入れて馬体を洗って磨きあげたんだと」

それが商売のコツっちゅうもんですたいね。さて、ばくりょう。

【ばくりょう・ばくろう・ばくりゅう】牛馬の売買や周旋をする仲買人。牛馬の良し悪しや獣医的な見立てをした人。馬喰・博労などと書くようです。語源は伯楽(荘子などにみえる,中国周代にいた馬の良否を見分ける名人の名)からだそうです(大辞林)。
ちなみに、「志摩町史」の中に「五島などの市から買って連れて来ていた」という一文があります。

写真は櫻井神社で見かけたポニー。どっから来たっちゃろか。

Pony

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2018年7月23日 (月)

はしかか

糸島弁シリーズ三百十一。はしかか。
『かみつみ してったせいか せなかの えらい はしかか しゃつば かえらないかんめえ』「散髪をしてきたせいか背中がずいぶんと痛痒いよ。シャツを代えないといけないね」

【はしかか】チクチクして痒いこと。痛痒いこと。漢字を当てると「芒(はしか=のぎ)」。早い話がチカチカ(博多弁)することですたいね。
【芒(はしか・のぎ)】イネ科の植物の花の外殻にある針のような突起。

Mugi02

このトゲのチクチクから出てきた言葉でしょうね。

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2018年7月16日 (月)

ぴっちゃるい

糸島弁シリーズ三百十。ぴっちゃるい。
『そん かがみもちな ぴっちゃるすぎろうばい まちっと たこー まるめらな』「その鏡餅は平たくすぎないかい。もっと高く丸めないと」

あったかい餅な自分の重みでぴっちゃげるけんですね・・・というわけで

【ぴっちゃるい】平たいこと。平べったいこと。押し潰されてという意味が含まれとるようです。語源というか言葉の由来は「拉ぐ(ひしぐ)」「拉げる(ひしげる)」あたりから「しゃげる」「ひしゃげる」経由の変化・訛りやなかろうかと考えとります。

餅踏み用の餅(誕生餅)は最初からぴっちゃるかったです。

Mochifumi02

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2018年7月 9日 (月)

とのくる

糸島弁シリーズ三百九。とのくる。
『なしてか とのきてくさ あぐろーするっちゃばってん なーも でらんと そやけん なおさら きしょくんわるか』「どうしてか吐き気がしてきてね、吐こうとするんだけれど何もでない。だからなおさら気持ちが悪いんだよ」

【とのくる】吐の来る・・・と書くとでしょうや。吐き気が来る・吐き気がすること。
【あぐる】あげること。吐くこと。

いくらおいしか酒でちゃ何も食わんと漬物やらだけで何杯も呑んだりすると、そりゃ体に毒ですばい。吐の来るとも当たり前かも~。

Omachi

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2018年7月 2日 (月)

おりやう

糸島弁シリーズ三百八。おりやう。
『はいしゃの がりがりが えずーて いたかと がまんしとったら いつんまにか おりよーたとか いまは どうもなかと』「歯医者のガリガリ(歯を削る音)が怖くて痛いのを我慢していたら、いつのまにかの落ち着いて今はなんともないよ」

【おりやう・おりよう】折り合うこと。話や気持ちの調整がつくこと。病状が落ち着くこと。

歯痛だけは我慢せんですぐお医者に行った方がよかですよ。症状がひどくなるだけやけんですね。ほとんど歯抜けの自分の体験ですたい。こげな優しか愛しからしかお医者があるでっしょうが・・・。ほんと、良かネーミング!

Itosika

おまけ。この眼科が歯医者さんやったら、もひとつ上のグッドネーミングやったとにな~と。

Tanoshika

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2018年6月25日 (月)

つらだし

糸島弁シリーズ三百七。つらだし。
『きもいりさんな げこやけん きょうのよりあいな はなしだけ たのしみゃー なかばってん つらだし しとかな いくめーたい』「世話役さんは下戸だから今日の寄り合いは話だけ(酒なし)。楽しみがないけれど顔出し(出席)だけはしないといけないだろうね」

【面出《つらだ》し】顔を出すこと。出席すること。義理的な意味合いが強か言葉のようです。地域や人によっては「帳面消し」と言うとこもあるごたります。

写真は「伊都菜彩」で見つけた酒粕焼酎。八女の酒蔵「繁桝(高橋商店)」んとですが、もしかしたら糸島産の山田錦を磨いとるとかもしらんです。

Shigemasu_syocyu

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2018年6月18日 (月)

なりこ

糸島弁シリーズ三百六。なりこ。
『こらまた えらい なりこんよか ぼうぶらたい やっぱ もとなりと うらなりじゃ ちごーて くるっちゃね』「これはまたずいぶんと姿形《すがたかたち》のよいかぼちゃだね。本生りと末生りじゃ違うんだね」

前回は「ならこ」で今回は「なりこ」・・・あいうえお順・・・ははは。

【なりこ】な(生・成・形)りぐあい。実った姿形や様子。辞書的には「形格好《なりかっこう》=姿形」という言葉があるので、1:その略語と考えるか、「成木《なりき》=果実がなる木」ということがから、2:成木の子どもで成子・・・とも考えられそうです。
【もとなり・うらなり】植物の蔓や幹の元の方に実がなること。その実。

写真はぼうぶら(長かぼちゃ)。

Boubora

Aosutan

下はちょっと見「あおすたん(うらなり)ぼうぶら」のごともありますが、種類が違うだけで別に未成熟ではなかごたります。どちらも志摩の四季で。

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2018年6月11日 (月)

ならこ

糸島弁シリーズ三百五。ならこ。
『ならこも しいのみぐらい きやすー くえりゃ びーるの つまみに なるとになー』「どんぐりも椎の実くらいに簡単に食べられるとビールのつまみになるのにね」

【ならこ】どんぐり。どんぐりは樫《かし》椚《くぬぎ》楢《なら》の木の果実をひっくるめての名前・総称でしょうが、ここでの「ならこ」は楢の木の実=楢のどんぐりということでしょうかね。
言葉の由来は楢の木の子供?もしくは樹木名の小楢《こなら》の逆転?よーわかりまっせん。

写真は天拝山やったか若杉山やったか忘れたとですが、秋口に山行きして拾ってった団栗と温石とススキ。

Hiroimonchi

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2018年6月 4日 (月)

水酒

糸島弁シリーズ三百四。水酒。
『いびの できるまえな となりむらから みずわけて つかーさいて みずざけ もって あいさつ きよんなった』「井樋が出来る前は隣村から水まわしてくださいと水酒を持って挨拶に来てあった」

【井樋】糸島で水を引く「樋」。地上の竹や木材による樋・地中に埋める陶器製樋(導水管)という二つの意味があるようです。博多では「土管」。筑後や佐賀といった有明方面では主に「水門」「取水口」という意味で使われとるようです。

【水酒】水利配水のお礼・挨拶用の酒。水っぽい酒でも水盃用の酒でもありません。ははは。

九州大学の院生さんたちによる学術論文「怡土・志摩の村を歩く」を読ませてもらいよって見つけた言葉です。なんでも、瑞梅寺は波多江・三雲・井原あたりからの水酒がいつも届いて、わざわざ買う必要がなかったとか・・・。

写真は白糸付近の棚田。

Siraito07

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2018年5月28日 (月)

とくいどん

糸島弁シリーズ三百三。とくいどん。
『のぎたの おなごしな はたらきもんで とくいどんで よー まわって きよらっしゃったな』「野北の女性は働き者で魚の行商しによく回って来られていたよ」

【とくいどん】魚の行商人。志摩町史によると、野北から松隈の途中のトクイ坂という峠を越えて魚の行商に来よったげなで、そがり棒や朸《おうこ》とも呼ばれる天秤棒に目籠《めご》をぶら下げかろうとんなる写真も掲載されとりました。

糸島が「とくいどん」。博多では志賀島からの女行商人を「おしかさん」といい、10年前くらいまでは見かけよりましたが、最近はさすがにもう回りよんしゃれんでしょうね。

Oshikasan

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2018年5月21日 (月)

かむり

糸島弁シリーズ三百二。かむり。
『しょうわんはじめまで へたと かむりに わたしの あったて じいさんから きいたこつんある』「昭和のはじめまで辺田と加布里に渡し船があったと爺さんから聞いたことがあるよ」

【かむり】加布里の訛り。むくりこくり(蒙古高句麗:むりやりの意味)や朝鮮語となんか関係があるとかないとか・・・はっきりせんとですが、とりあえず。
渡し船については弁天橋の出来るまで寺山加布里間にもあったげなですね。

写真は寺山。

Terayama

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2018年5月14日 (月)

DVD版 いとしま学

糸島弁シリーズ三百一。いとしま。

今回は例文例会話なしで動画を楽しませてもらいましょう。糸島の小中学校の補助教材として制作された動画だそうです。けっこう知らんことばっかしで、とても勉強になります。

動画を載せるだけやけん、あんまし「糸島弁」「方言」とは関係なかろうね・・・と感じとったとですが、ちっとばかしアレっ?と思うところがありました。

語りの中で、「いとしまこうこう」やら「いとしまびと」というときは問題なかとですが、「いとしま」と単独で発音されるときのアクセントの位置がなんか気になってしようがなかったです。自分が訛りまくりやけん違和感持ってしまうとでしょうが・・・。

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2018年5月 7日 (月)

日和戻し

糸島弁シリーズ三百。日和もどし。
『うったち りょうしな かぜまかせ あんたたち ひゃくしょうな あめしだい せんばだきやら ひよりもどしで おおごとんごたるな』「俺ら漁師は風まかせ。あんたら百姓も雨次第で雨乞いやら晴天祈願で大変だな」

【日和戻《ひよりもど》し】晴天祈願。洪水などの雨被害がおこらぬように願う習わし。「せんばだき」は千把炊きと書くとでしょうかね。焚き物・稲藁千把?

先週の連休はじめに糸島唐津経由で佐世保まで走ったとですが、もう田植えの終わっとるとこのありました。今年の「潤いまんぐり」はどげんなるとでっしょうかね。

Sakasa_kaya

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