2018年11月12日 (月)

おしたじ

糸島弁シリーズ三百二十七。おしたじ。
『こん おしたじな かしわんだしの よーきいとる ばってん ちーと さとうの たりとらんちゃなかな』「この煮物のつゆは鶏の出汁がよく出ているね。だけど少し砂糖が足りないんじゃないかい」

そうめんちりの「だしぐあい」ですたいね。

【おしたじ】御下地と書くようです。煮物や吸い物のだしに醤油で味をつけたもの。おつゆ。古語由来の古い言葉が残ったとですね。たまに「おひたし」と訛り混同されとる場合もあるようです。
また「おつけ」は御御御付けで味噌汁のこと。

素麺ちりと

Somenchiri

「あすぱら菜かせ」のおひたし。福岡特産を名乗る最近できた野菜のごたります。

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2018年11月 5日 (月)

こぶてらしか

糸島弁シリーズ三百二十六。こぶてらしか。
『なんかいな このねんねこな どんざの ごとして こぶてらしかなー これじゃ ややさん なきだすっちゃなかな』「なんだい。このねんねこな。刺し子半纏みたいにごわごわ重たいね。これじゃ赤ん坊も泣き出すよ」

【こぶてらしか・こぶたらしか】ごわごわと重たいこと。強張っていてしなやかさに欠ける状態。いびつでくどくて不快な様子。・・・う~ん、なんか説明の難しかばってん、まぁこげな感じですか。反対語としては落ち着いていて上品の「こうとう・こうとか」。言葉の由来は瘤《こぶ》でよかような気がします。
基本的には福岡県で全体的に使われとった方言のようですが、もう消滅語寸前やなかでしょうか。

こういう道も「こぶてらしか」というとかも・・・。

Kuramadera10

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2018年10月29日 (月)

しゃく

糸島弁シリーズ三百二十五。しゃく。
『こまかころ かかさんの しゃくかりて よー ちゃんばら しよったが このごろん こどもな かたなあそびやら せんちゃろな』「小さい頃は母さんの物差しを借りてよくチャンバラごっこしていたけれど、最近の子どもは刀遊びとかしないんだろうね」

自分らの子どものころからは戦隊ごっこや怪獣ごっこのごたりますね。というわけで、尺。最初にその「尺」の写真を掲げておきまっしょう。

Tekezyaku

【尺:しゃく】ものさし・定規のこと。尺差《しゃくざし》とも言いよりました。日本古来の長さの単位。
【竹尺:たけじゃく】竹製のものさし・定規。
【鯨尺:くじらじゃく】鯨差(くじらざし)のこと。主に布を計る。1尺39.7cm。
【曲尺:かねじゃく】曲差(かねざし)のこと。大工仕事などで使用された。1尺30.3cm。尺差し

いまどき尺を単位にしとる商売業種はすくないですが、まだまだちゃんとあります。京都の有名包丁店【有次《ありつぐ》】のカタログの一ページ。洋包丁はcmですが和包丁は尺寸単位です。自分もここんとを四本くらい持っとります。

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2018年10月22日 (月)

しゃかん

糸島弁シリーズ三百二十四。しゃかん。
『どげんですか このごろでちゃ まーだ しゃかんさんて よぶひとが おるですか』『やっぱ たまーに とっしょりが そげん いいなるですね』「どうですか。このごろでもまだ(しゃかんさん)て呼ぶ人が居ますか」「やはりたまに年寄りがそう言われますね」

近所でブロック塀を塗りよったひとと自分との会話でした。

【しゃかん】左官の訛り。面白かとが「しゃかんさん」とは言うても、「しゃかんしゃん」と二重には訛らんごたりますね。
昔は「でーくにしゃかん」やったですが、さすがに「でーく」の方は今は聞かん気がしますですね。

昔も今も「縄張り」から始まるとは一緒のようです。

Nawabari

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2018年10月15日 (月)

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糸島弁シリーズ三百二十三。鎌餅。
『かまあげんときにくさ いつもの ぼたもちだけやないで あんもちも ついでに つくってんもうか』「鎌上げ(祝い)のときに、いつもの牡丹餅だけじゃなく、餡餅(大福)も一緒につくってみましょうか」

しきたりにうるさか姑さんが居らんなら試してみるともよかかもしらんですね・・・ということで鎌餅。

以前ここでも書いたように
、こちらでは赤飯炊いたりぼた餅丸めるとが定番のごたりますが、たまたま京都で見つけた「大黒屋鎌餅本舗」さんの鎌餅は、鎌の形をした餡餅やったです。所変われば品変わる・・・で地域の違いは面白かです。
包装紙はやはり稲刈りの絵が描いてあります。

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すんまっせんね。餡餅でビールやら・・・。両刀遣いやもんやけん、羊羹でもチョコレートでもちゃんと酒肴になる人ですたい=自分。

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2018年10月 8日 (月)

だまごと

糸島弁シリーズ三百二十二。だまごと。
『てんねんの くるまえびて かいてあるばってん ほんなごとやろか』『そげん やすけりゃ だまごと ゆにゅうの れいとうえびやろ』「天然車エビと書いてあるけど本当かしら」「そんなに安けりゃ嘘。偽物でしょう。輸入の冷凍エビじゃないかな」

【だまごと】騙しごと。嘘。偽物。似た表現に「空事:すらごと」「詐事:さごと」。

写真はだいぶ前に「ふく福の里」で撮ったもの。山鯨=猪ということを知らんもんが読むと、誤解(勘違い)を招きそうな微妙なポスター。

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2018年10月 1日 (月)

わきゃーがる

糸島弁シリーズ三百二十一。わきゃーがる。
『あーたたち なんして そげん わきゃーがっとるとね どっちか みのでんうちい やめときない』「あなたたちはどうしてそんなにのぼせ上がってるの。どちらかが泣き出す前にやめておきなさい」

【わきゃーがる】のぼせる・ふざける・おどけること。それぞれの程度が激しい状態。由来は当然に気持ちが「湧き上がること」からでしょうね。似た表現に「ひょうげる」「とんぴんがえる」「みのぐるい」
【みのでる】涙をだして泣くこと。

まぁ湧き上がるとは温泉ぐらいでよかでっしょう・・・ということで「まむしの湯」。

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実は「温泉」やないで普通の風呂やった・・・という落ちがあって笑ってしもーたことでした。汗流し垢落としできるなら「温泉でん風呂でん、どっちでんよかろーもん」ていう気もしますですね。

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2018年9月24日 (月)

せしかた

糸島弁シリーズ三百二十。せしかた。
『きょうな せしかたやけん わが のまんと おきゃくさんとこば ちゃーんと おしゃくし あいさつして まわらなばい』「今日は施主だから自分は飲まないでしっかりお客様のところへお酌して挨拶して回らないといけないよ」

今回も(前回の出方に続いて)「方」でございます。

【せしかた】施主方と書くとでしょうね。客方の反対。施主・主催者・世話人・発起人・幹事。寄り方集まり会合の種類程度によって意味が違ってくるとでしょうか。

某地区某施主方による餅まき。

Mochimaki

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2018年9月17日 (月)

出方

糸島弁シリーズ三百十九。出方。
『まーた もやいて いうて でていきなったが あんひとたちゃ でかたか のみかたか いっちょん わからん』「またもやい作業といって出ていかれたが、あの人たちのは共同作業か酒飲み会か区別がつかないね」

【出方】地区共有地の共同作業。もやいは出方(の義務的な仕事)に比べて個人的なつながりの交換作業といった感じでしょうかね。今でも(地域によっては)出方に参加できんと罰金というか代替金みたいなもんを払わないかんとこがあるようなことも聞きますばってん、はてさて実態はどげんかもんか?
自分とこの次男家族が福岡市から志摩の方に引っ越して糸島市民になったとですが、そのへんはどげんなっとるかちっと聞いてみたかと思うとります。

もう新米もボチボチ出回るころですね。

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2018年9月10日 (月)

なしけん・どしけん

糸島弁シリーズ三百十八。なしけん・どしけん。
『あーた どっから つりい きたと』『はかたからです』『なしけん わざわざ とおくまで』『ここは よー つれるとですよ』「あなた、どこから釣りに来たの」「博多からです」「なぜ、わざわざ遠くまで」「ここはよく釣れるんですよ」

真夏のある早朝、鹿家の初潮旅館下で、キス釣りしよる自分とウォーキングのおいちゃんとの会話でした。

【なしけん・どしけん】なぜ?どうして?そのわけは?理由は?博多では「なして」「どして」とは言いますが、それに「だけん」「そやけん」の「けん」を組み合わせる使い方はせんですね。前原や志摩師吉の知人縁故に尋ねたところ、やはりあんまし聞いたことなかということでした。

で、個人的な推理ですが、この「なしけん・どしけん」あるいは「そうけん・そりけん」はこの鹿家から唐津寄り、あるいは南の吉井や七山寄りの言葉やなかろうかと思いよります。これまた違っとったらすんまっせん・・・なんですが。

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こんな感じで釣れます。

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2018年9月 3日 (月)

あじな・・・

糸島弁シリーズ三百十七。あじな・・・。
『なんか きょうな あじな てんきやな こげなひば いっこくびよりて いうっちゃろか』「なにか今日ははっきりしないお天気だね。こういう日を一石日和と言うんだろうね」

【あじな】はっきりしない、すっきりしない、妙な・・・。もともとの古語の「味」には、
「味=一風変わっているさま。意外な・奇妙なさま。不思議なさま(精選版日本国語大辞典」という意味があるようで、この使われ方が方言として残ったとでしょうね。
【一石日和】(雨が)降る五斗降らぬ五斗

写真は葉島

Hasima

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2018年8月27日 (月)

そうめんちり

糸島弁シリーズ三百十六。そうめんちり。
『おそなえもんの そうめんの だいぶ あまっとっつろ ばんめしい ぐだくさんの そうめんちりでも しちゃってんやい』「お供え物の素麺がずいぶん余っていただろう。晩ごはんは具たくさんのそうめんちりにしておくれ」

【そうめんちり】すきやき風の鶏煮の(ぶっかけor汁)素麺。例会話文では「お供え物の素麺」と書きましたばってん、これは「初盆に素麺五把と線香一把を供えた」という一文(二丈町誌)に依っとります。

調理内容については、砂糖(ザラメ?三温糖?)をたっぷり使った甘い料理ということから、ハレの日用の行事食で御御馳走《おごっつぉう》というとが想像できます。時代によっては砂糖同様に「鶏《かしわ》」も贅沢品の代表選手みたいなものですから、両方合わせて「豪華&おめでたか」というわけですね。
もしかして長崎からの「シュガーロード」とも関係しとる郷土料理やろか?と勝手な想像しとります。

Somenchiri

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2018年8月20日 (月)

じご

糸島弁シリーズ三百十五。じご。
『むかーし ばばさんの まくわんじごば ふきんで しぼって じゅーすんごと しちゃりよんなった ちーとやったばってん ありゃうまかったなー』「昔、婆ちゃんが真桑瓜のなかみ(種の部分)を布巾でしぼってジュースのようにしてくれたよ。少しだったけど、あれはおいしかったね」

【じご】農村部では瓜やかぼちゃやキュウリの芯や種の部分。海岸部では魚の内臓のこと。語源はよーわからんとですが、ジゴは地子。物の基本になる部分(親)を意味する「地」の 子。また、自分の子で自子。血をわけた子で血子とも考えられんこともなさそうです。以下は半分冗談で、ジはジジ・ジージー(魚の幼児語)のジ。ゴはその子。こげな解釈はダメやろかね~。ははは。

写真は盆前に「伊都菜彩」で買ーて来たマクワ。

Zigo

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2018年8月13日 (月)

たるながし

糸島弁シリーズ三百十四。たるながし。
『いさりび いうたら いかつりの しゅうぎょとうて おもうとばってんが このごろな ひるでも いかな つれるげなね』『そうたい たるながしたい』「漁火といったらイカ釣りの集魚灯だと思うけれど、最近は昼でもイカが釣れるらしいね」「そうだよ。樽流し(という漁法)だね」

【たるながし】(小規模な一本釣りに近い?)たて延縄によるイカ漁法。昼間でも釣れるのはいいですばって、漁師さんもやっぱし真夏は夜釣りしたくなんしゃっちゃなかですかね。
「志摩の四季」や「伊都菜彩」で売られよるとは、釣りたてやけん鮮度が最高です。

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「一本槍」についちゃ、こっちが詳しかです。

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2018年8月 6日 (月)

おろたえる

糸島弁シリーズ三百十三。おろたえる。
『おばちゃん うわぎの うらおもてい なっとるばい』『そうたい たいがい おろたえまくっとったもんやけん』「おばちゃん、上着が裏返しになってるよ」「そうだよ。かなり慌てまくっていたからね」

【おろたえる】うろたえるの訛り。わざわざ書くまでもない日常方言ですが、久しぶりに聞いたので・・・。先日、早良区の西新での実話。余計なお世話やと思いながらも、ついつい言うてしまいました。
【裏表】裏返しのこと。これは一応は共通語のごともあります。

ただ、なんで「うろたえる」→「おろたえる」になったかというと、あんまし考えたことがなかったとですが、「うろうろ」と「おろおろ」あたりの影響混同があるとかもしらんですね。

鏡やったらどうして裏面(顔見る方)向けんとかいなって、ちーと不思議に思うとですがね・・・。平原古墳祭りでの一枚。

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2018年7月30日 (月)

ばくりょう

糸島弁シリーズ三百十二。ばくりょう。
『ばくりょうさんの つれてった うまの えらいよーみえたとよ そいたら やっぱ さいごい そこんかわに ひきいれて あろーて みがきあげたとげな』「馬喰さんが連れてきた馬がずいぶんと良く見えたんだよ。そうしたらやはりそこの川に引き入れて馬体を洗って磨きあげたんだと」

それが商売のコツっちゅうもんですたいね。さて、ばくりょう。

【ばくりょう・ばくろう・ばくりゅう】牛馬の売買や周旋をする仲買人。牛馬の良し悪しや獣医的な見立てをした人。馬喰・博労などと書くようです。語源は伯楽(荘子などにみえる,中国周代にいた馬の良否を見分ける名人の名)からだそうです(大辞林)。
ちなみに、「志摩町史」の中に「五島などの市から買って連れて来ていた」という一文があります。

写真は櫻井神社で見かけたポニー。どっから来たっちゃろか。

Pony

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2018年7月23日 (月)

はしかか

糸島弁シリーズ三百十一。はしかか。
『かみつみ してったせいか せなかの えらい はしかか しゃつば かえらないかんめえ』「散髪をしてきたせいか背中がずいぶんと痛痒いよ。シャツを代えないといけないね」

【はしかか】チクチクして痒いこと。痛痒いこと。漢字を当てると「芒(はしか=のぎ)」。早い話がチカチカ(博多弁)することですたいね。
【芒(はしか・のぎ)】イネ科の植物の花の外殻にある針のような突起。

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このトゲのチクチクから出てきた言葉でしょうね。

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2018年7月16日 (月)

ぴっちゃるい

糸島弁シリーズ三百十。ぴっちゃるい。
『そん かがみもちな ぴっちゃるすぎろうばい まちっと たこー まるめらな』「その鏡餅は平たくすぎないかい。もっと高く丸めないと」

あったかい餅な自分の重みでぴっちゃげるけんですね・・・というわけで

【ぴっちゃるい】平たいこと。平べったいこと。押し潰されてという意味が含まれとるようです。語源というか言葉の由来は「拉ぐ(ひしぐ)」「拉げる(ひしげる)」あたりから「しゃげる」「ひしゃげる」経由の変化・訛りやなかろうかと考えとります。

餅踏み用の餅(誕生餅)は最初からぴっちゃるかったです。

Mochifumi02

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2018年7月 9日 (月)

とのくる

糸島弁シリーズ三百九。とのくる。
『なしてか とのきてくさ あぐろーするっちゃばってん なーも でらんと そやけん なおさら きしょくんわるか』「どうしてか吐き気がしてきてね、吐こうとするんだけれど何もでない。だからなおさら気持ちが悪いんだよ」

【とのくる】吐の来る・・・と書くとでしょうや。吐き気が来る・吐き気がすること。
【あぐる】あげること。吐くこと。

いくらおいしか酒でちゃ何も食わんと漬物やらだけで何杯も呑んだりすると、そりゃ体に毒ですばい。吐の来るとも当たり前かも~。

Omachi

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2018年7月 2日 (月)

おりやう

糸島弁シリーズ三百八。おりやう。
『はいしゃの がりがりが えずーて いたかと がまんしとったら いつんまにか おりよーたとか いまは どうもなかと』「歯医者のガリガリ(歯を削る音)が怖くて痛いのを我慢していたら、いつのまにかの落ち着いて今はなんともないよ」

【おりやう・おりよう】折り合うこと。話や気持ちの調整がつくこと。病状が落ち着くこと。

歯痛だけは我慢せんですぐお医者に行った方がよかですよ。症状がひどくなるだけやけんですね。ほとんど歯抜けの自分の体験ですたい。こげな優しか愛しからしかお医者があるでっしょうが・・・。ほんと、良かネーミング!

Itosika

おまけ。この眼科が歯医者さんやったら、もひとつ上のグッドネーミングやったとにな~と。

Tanoshika

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