2018年7月16日 (月)

ぴっちゃるい

糸島弁シリーズ三百十。ぴっちゃるい。
『そん かがみもちな ぴっちゃるすぎろうばい まちっと たこー まるめらな』「その鏡餅は平たくすぎないかい。もっと高く丸めないと」

あったかい餅な自分の重みでぴっちゃげるけんですね・・・というわけで

【ぴっちゃるい】平たいこと。平べったいこと。押し潰されてという意味が含まれとるようです。語源というか言葉の由来は「拉ぐ(ひしぐ)」「拉げる(ひしげる)」あたりから「しゃげる」「ひしゃげる」経由の変化・訛りやなかろうかと考えとります。

餅踏み用の餅(誕生餅)は最初からぴっちゃるかったです。

Mochifumi02

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2018年7月 9日 (月)

とのくる

糸島弁シリーズ三百九。とのくる。
『なしてか とのきてくさ あぐろーするっちゃばってん なーも でらんと そやけん なおさら きしょくんわるか』「どうしてか吐き気がしてきてね、吐こうとするんだけれど何もでない。だからなおさら気持ちが悪いんだよ」

【とのくる】吐の来る・・・と書くとでしょうや。吐き気が来る・吐き気がすること。
【あぐる】あげること。吐くこと。

いくらおいしか酒でちゃ何も食わんと漬物やらだけで何杯も呑んだりすると、そりゃ体に毒ですばい。吐の来るとも当たり前かも~。

Omachi

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2018年7月 2日 (月)

おりやう

糸島弁シリーズ三百八。おりやう。
『はいしゃの がりがりが えずーて いたかと がまんしとったら いつんまにか おりよーたとか いまは どうもなかと』「歯医者のガリガリ(歯を削る音)が怖くて痛いのを我慢していたら、いつのまにかの落ち着いて今はなんともないよ」

【おりやう・おりよう】折り合うこと。話や気持ちの調整がつくこと。病状が落ち着くこと。

歯痛だけは我慢せんですぐお医者に行った方がよかですよ。症状がひどくなるだけやけんですね。ほとんど歯抜けの自分の体験ですたい。こげな優しか愛しからしかお医者があるでっしょうが・・・。ほんと、良かネーミング!

Itosika

おまけ。この眼科が歯医者さんやったら、もひとつ上のグッドネーミングやったとにな~と。

Tanoshika

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2018年6月25日 (月)

つらだし

糸島弁シリーズ三百七。つらだし。
『きもいりさんな げこやけん きょうのよりあいな はなしだけ たのしみゃー なかばってん つらだし しとかな いくめーたい』「世話役さんは下戸だから今日の寄り合いは話だけ(酒なし)。楽しみがないけれど顔出し(出席)だけはしないといけないだろうね」

【面出《つらだ》し】顔を出すこと。出席すること。義理的な意味合いが強か言葉のようです。地域や人によっては「帳面消し」と言うとこもあるごたります。

写真は「伊都菜彩」で見つけた酒粕焼酎。八女の酒蔵「繁桝(高橋商店)」んとですが、もしかしたら糸島産の山田錦を磨いとるとかもしらんです。

Shigemasu_syocyu

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2018年6月18日 (月)

なりこ

糸島弁シリーズ三百六。なりこ。
『こらまた えらい なりこんよか ぼうぶらたい やっぱ もとなりと うらなりじゃ ちごーて くるっちゃね』「これはまたずいぶんと姿形《すがたかたち》のよいかぼちゃだね。本生りと末生りじゃ違うんだね」

前回は「ならこ」で今回は「なりこ」・・・あいうえお順・・・ははは。

【なりこ】な(生・成・形)りぐあい。実った姿形や様子。辞書的には「形格好《なりかっこう》=姿形」という言葉があるので、1:その略語と考えるか、「成木《なりき》=果実がなる木」ということがから、2:成木の子どもで成子・・・とも考えられそうです。
【もとなり・うらなり】植物の蔓や幹の元の方に実がなること。その実。

写真はぼうぶら(長かぼちゃ)。

Boubora

Aosutan

下はちょっと見「あおすたん(うらなり)ぼうぶら」のごともありますが、種類が違うだけで別に未成熟ではなかごたります。どちらも志摩の四季で。

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2018年6月11日 (月)

ならこ

糸島弁シリーズ三百五。ならこ。
『ならこも しいのみぐらい きやすー くえりゃ びーるの つまみに なるとになー』「どんぐりも椎の実くらいに簡単に食べられるとビールのつまみになるのにね」

【ならこ】どんぐり。どんぐりは樫《かし》椚《くぬぎ》楢《なら》の木の果実をひっくるめての名前・総称でしょうが、ここでの「ならこ」は楢の木の実=楢のどんぐりということでしょうかね。
言葉の由来は楢の木の子供?もしくは樹木名の小楢《こなら》の逆転?よーわかりまっせん。

写真は天拝山やったか若杉山やったか忘れたとですが、秋口に山行きして拾ってった団栗と温石とススキ。

Hiroimonchi

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2018年6月 4日 (月)

水酒

糸島弁シリーズ三百四。水酒。
『いびの できるまえな となりむらから みずわけて つかーさいて みずざけ もって あいさつ きよんなった』「井樋が出来る前は隣村から水まわしてくださいと水酒を持って挨拶に来てあった」

【井樋】糸島で水を引く「樋」。地上の竹や木材による樋・地中に埋める陶器製樋(導水管)という二つの意味があるようです。博多では「土管」。筑後や佐賀といった有明方面では主に「水門」「取水口」という意味で使われとるようです。

【水酒】水利配水のお礼・挨拶用の酒。水っぽい酒でも水盃用の酒でもありません。ははは。

九州大学の院生さんたちによる学術論文「怡土・志摩の村を歩く」を読ませてもらいよって見つけた言葉です。なんでも、瑞梅寺は波多江・三雲・井原あたりからの水酒がいつも届いて、わざわざ買う必要がなかったとか・・・。

写真は白糸付近の棚田。

Siraito07

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2018年5月28日 (月)

とくいどん

糸島弁シリーズ三百三。とくいどん。
『のぎたの おなごしな はたらきもんで とくいどんで よー まわって きよらっしゃったな』「野北の女性は働き者で魚の行商しによく回って来られていたよ」

【とくいどん】魚の行商人。志摩町史によると、野北から松隈の途中のトクイ坂という峠を越えて魚の行商に来よったげなで、そがり棒や朸《おうこ》とも呼ばれる天秤棒に目籠《めご》をぶら下げかろうとんなる写真も掲載されとりました。

糸島が「とくいどん」。博多では志賀島からの女行商人を「おしかさん」といい、10年前くらいまでは見かけよりましたが、最近はさすがにもう回りよんしゃれんでしょうね。

Oshikasan

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2018年5月21日 (月)

かむり

糸島弁シリーズ三百二。かむり。
『しょうわんはじめまで へたと かむりに わたしの あったて じいさんから きいたこつんある』「昭和のはじめまで辺田と加布里に渡し船があったと爺さんから聞いたことがあるよ」

【かむり】加布里の訛り。むくりこくり(蒙古高句麗:むりやりの意味)や朝鮮語となんか関係があるとかないとか・・・はっきりせんとですが、とりあえず。
渡し船については弁天橋の出来るまで寺山加布里間にもあったげなですね。

写真は寺山。

Terayama

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2018年5月14日 (月)

DVD版 いとしま学

糸島弁シリーズ三百一。いとしま。

今回は例文例会話なしで動画を楽しませてもらいましょう。糸島の小中学校の補助教材として制作された動画だそうです。けっこう知らんことばっかしで、とても勉強になります。

動画を載せるだけやけん、あんまし「糸島弁」「方言」とは関係なかろうね・・・と感じとったとですが、ちっとばかしアレっ?と思うところがありました。

語りの中で、「いとしまこうこう」やら「いとしまびと」というときは問題なかとですが、「いとしま」と単独で発音されるときのアクセントの位置がなんか気になってしようがなかったです。自分が訛りまくりやけん違和感持ってしまうとでしょうが・・・。

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2018年5月 7日 (月)

日和戻し

糸島弁シリーズ三百。日和もどし。
『うったち りょうしな かぜまかせ あんたたち ひゃくしょうな あめしだい せんばだきやら ひよりもどしで おおごとんごたるな』「俺ら漁師は風まかせ。あんたら百姓も雨次第で雨乞いやら晴天祈願で大変だな」

【日和戻《ひよりもど》し】晴天祈願。洪水などの雨被害がおこらぬように願う習わし。「せんばだき」は千把炊きと書くとでしょうかね。焚き物・稲藁千把?

先週の連休はじめに糸島唐津経由で佐世保まで走ったとですが、もう田植えの終わっとるとこのありました。今年の「潤いまんぐり」はどげんなるとでっしょうかね。

Sakasa_kaya

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2018年4月30日 (月)

かどのくち

糸島弁シリーズ二百九十九。かどのくち。
『かどのくちい ぼんじょうちん さげてきない まーだ あかるかけん ひな いれんちゃよか』「玄関に盆提灯を下げておいで。まだ明るいから火はつけないでいいよ」

【かどのくち】玄関。家の出入口。門の出入口。玄関と門の両方ともいうごたります。共通語で門口《かどぐち》。
酒屋の店頭で呑む酒を角打《かくうち》て言いますが、この角打の「角」はまさにこの「門口・角口」から来たとやないかと考えてます。本題から外れますばって、角打ちについてはこっちで詳しゅう能書き垂れしとります。

うちんとこの地区の「送り火」はこげな感じです。

Boncyochin

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2018年4月23日 (月)

のごう

糸島弁シリーズ二百九十八。のごう。
『あせば のごうただけじゃ なーも すっきりせんばい ここな やっぱし あせながしやな』「汗をぬぐっただけじゃ何もすっきりしないよ。ここはやはり汗流し(のビール)だよ」

【のごう】拭《ぬぐ》うの古語表現。「日葡辞書(九州方言→ポルトガル語対訳辞書:1603年」にも、nogooで収録されとりました。汗を拭くこと。
手拭《てのごい》はまだ少数ながら年寄り世代にゃ残っとるごたりますが、拭《のご》うの方はほぼ消滅寸前やなかでしょうか。そもそも「拭《ぬぐ》う」という表現そのもんも、ただ「拭《ふ》く」にとって代わられとるようです。
【汗流し】ビール、ビールを呑むこと。

前回もビールネタやったですね。ははは。普通のビールもグラスに注げば高級っぽく見えますね。

Nicegrass

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2018年4月16日 (月)

出し替え

糸島弁シリーズ二百九十七。出し替え。
『きんのう となりのあんしゃんと すぎのやさい じびーる のみいったとき こぜんの のーて だしかえて もろーとったもんやけん さっき かえし いったら ありゃ ばちかぶって やったとて うけとんしゃれんやった』「昨日、隣りのあにさんと杉能舎にビール飲みに行ったときに、小銭がなくて立て替えてもらっていたので、さきほど返しに行ったら『あれはご馳走してやったんだ』と受け取ってもらえなかったよ」

例会話文が長すぎ・・・はは。

【出し替え】立て替え。立て替え金のこと。
【罰被る《ばちかぶ》る】基本的には罰が当たることですが、ここでは責任を負うという意味で「奢る・ご馳走する」意味。

写真は糸島人からのお歳暮。杉能舎地ビール。いつもおいしゅう飲ませてもろーとります。

Suginoya_beer

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2018年4月 9日 (月)

たあらご

糸島弁シリーズ二百九十六。たあらご。
『よーきく はなしじゃ あるっちゃが たあらご さいしょい たべたひとな たいがい どきょうの いったろな』「よく聞く話じゃあるんだけれど、ナマコを最初に食べた人は相当度胸がいっただろうね」

まぁ、それを言うたら、鮟鱇でもウナギでも同じごたる気はしますね。

【たあらご】ナマコのこと。直接的にはナマコが俵の形をしとるから・・・ということでよかとでしょうが、ここでの俵は束子《たわし》のことと考えたかですね。それも、今のブラシタワシ・亀の子束子風のものでなく、昔の藁束子《わらだわし》のこと。藁綯い→藁の手綯い→手藁《てわら=たわら》・・・な~んてくさ。

「志摩の四季」で買ーてきた大ナマコ。

Akanamako01

もいっちょ。酒ん肴を。酢ナマコと左は大根おろしと和えたもんです。

Akanamako02

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2018年4月 2日 (月)

しんめら

糸島弁シリーズ二百九十五。しんめら。

『さかやん たいしょうな ごたいな ふとかばって あんひとな しんめらで けえがれさん』「酒屋のご主人は体は大きいけれど、あの片は見掛け倒しで気が小さいんだよ」

【しんめら】見掛け倒しのこと。志摩町史で見つけるまでまったく知らんかったし、どこから来た言葉か由来も語源もわからんとですよね。
むりやりなんかにこじつけようしたら、かろうじて「身命裏」と、あといっちょ中身が見えたという意味で「真(心)見あり」くらいですか。
【けえがれさん】貝殻さん。貝がすぐ蓋を閉めて閉じこもることに例えた「小心者」の意味。

いっつも食いもん写真でご勘弁。

Asari_butter

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2018年3月26日 (月)

いぎす

糸島弁シリーズ二百九十四。いぎす。

『うちゃ こどもんころの かみのけな いぎすでくさ やーいいぎすあたま おきゅうとぐさーて よー からかわれよったつ』「私は子供のころ髪の毛が縮れ毛で、やーい海藻頭、おきゅうと草とよくからかわれてたよ」
いまは「天然(パーマ)でかわいかね~」という言われる時代ですもんね。で、その「いぎす」。

【いぎす】縮れ毛、縮れ髪のこと。おきゅうと草とからかわれるのも当然で、辞書的にも「紅藻類イギス目の海藻:。食用。寒天の混和物・糊(ノリ)の原料として利用する(大辞林)」とあります。

ただ個人的な感覚としては、「おきゅうと」の原材料は「おきゅうと草」だけというとが基本で、「いぎす」は混ぜもん・増しもんやろて思うとります。
また人間の髪の毛(縮れ毛)という意味では、もう団塊世代より下には意味が通じんっちゃなかでしょうかね。

「志摩の四季」や「伊都菜彩」あたりでおきゅうと草を見かけると、たまに自製しとります。

Okyuto02
Okyuto05
 

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2018年3月19日 (月)

けごい

糸島弁シリーズ二百九十三。けごい。
『うまれたときにゃ くまんこか うりぼうんごと けごいか ややさんやったが まー うつくしゅうなんしゃって』「赤ちゃんのときは熊の子か猪の子みたいに毛深い赤ちゃんだったけど、こんなに美しくなられて」

褒められよるとか、けなされよるとかわからんごともありますが、さて「けごい」。

【けごい:毛濃い】毛深いこと。「毛濃《ご》い」はともかく、「毛濃《ご》ゆい」は共通語とばかし思うとりましたが、辞書にも収録されとらんしネット検索でも引っかからんとですね。おもしろか組み合わせですたいね。

あんまし適当な写真のなかったけん、熊の子からみでこげな動画にリンクはっときました。この「まんが日本昔ばなし」を見よった子たちも、もうすぐ40歳ですばい。親が歳取るはずですたいね。

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2018年3月12日 (月)

あかし

糸島弁シリーズ二百九十二。あかし。
『とうゆや がすな かねのかかるけん あかし ひろーてきて もやしよるっちゃが こんごら まきすとーぶやら おしゃれですねー げな』「灯油やガスはお金画あかるから薪を拾ってきて燃やしてるだけなんだけど、最近は薪ストーブとかおシャレですねーだって」

インスタ映えというヤツですかね。そういう時代なんでしょう。さて「あかし」

【あかし】薪《まき・たきぎ》のこと。語源は「あかし(明・灯・燈・証)=ともしび・あかり。とくに神仏に備える灯明・ろうそくのこと(精選版日本国語大辞典)」で、その材料ということでよかろうて思うとですが、いつもながらの「こじつけ」をひとつふたつ。
1:木材の中心部分を赤身赤太、周辺部を白太ともいうとですが、そのへんからの類推で赤芯。
2:薪として最高なのは赤樫という説もあるようで、その赤樫の略。

しかし、それにしても薪というとは生活に直結しとったせいか、この付近だけでも薪を意味する方言がいくつかあります。「たきもん」「きんめぎ」「割木」「柴太・柴焚」などなど。

写真はけっこう昔の写真ですが「糸島手作りハム」さんの薪ストーブ。

Makistove


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2018年3月 5日 (月)

はざかる

糸島弁シリーズ二百九十一。はざかる。
『こえびん からあげくらい あたまごと かぶりつきゃ よかやないか わざわざ はずして くうやら みたむなか』『そう いうたっちゃ はざかるっちゃもん』「小海老の唐揚げくらい頭ごとかじりつけばいいじゃないか。外して食べるなんてみっともない」「そういうけど歯に挟まるんだもの」

前回の「狭町」に続いて今回も「狭」編です。実はこの例文は実話でして、自分が小海老を揚げたとき、うちんとの食い方が気に入らんでクレームつけたとですよ。そしたらその返事が「はざかる」やったわけです。

【はざかる】隙間(狭いところ)に物が挟まること。ここらあたりのごく普通の日常的な方言ですばって、実は自分はなしてか共通語の「はさまる」しか使ったことなかとですよ。それで、うちんとの「はざかる」方言に、「お~聞いたと何十年振りやろ?」でした。これも消滅語に近いとかもしらんですね。

これがその小海老唐揚げ。夫婦喧嘩の原因になるとこでした。ははは。

Sibaebi01

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