2019年4月15日 (月)

達者なか

糸島弁シリーズ三百四十九。達者なか。

『あんたんがいの ばばしゃん ほんなごと たっしゃなか げんきなかな けさも はよーから はたけに でとんなったよ』「あなたのお家のおばあさんは達者だね、元気だね。今朝も早くから畑に出ていらっしゃったよ」

【達者なか】達者だ。元気だ。この「なか」は「・・・でない」という否定形ではなかです。きれいな・まっすぐな・達者な・元気な・・・といった表現が、カ語尾化したもんやろて思います。

写真は岐志漁港でのおばばしゃん。

Tossyori

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2019年4月 8日 (月)

なかさい

糸島弁シリーズ三百四十八。なかさい。

『うちん なかさいな おなごばって こりゃ ちからもち あんじょうより よっぽど しっかりもん』『へー、きんぷらむすめな』「うちのまんなかは娘だけど力持ち。兄よりもよほどしっかりものだよ」「きんぴら娘なんだね」

【なかさい】子供三人(兄弟姉妹の)うちの真ん中の子。中の子。「なか」は問題ないとして、「さい」が何を意味するかというと、ようわからんとですが、
【さい】歳の真ん中で、中歳(なかさい)。あと、「才=木材・容積・船の積石・織物などの単位」らしいので、このへんの関連か・・・というのが考えられんこともなさそうです。
きんぴら娘については以前ここで書いとるのでご覧くだされ。ちなみにきんぴら娘は金太郎さんの子供げなです。 

 

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2019年4月 1日 (月)

出立

糸島弁シリーズ三百四十七。出立。

『こんどん そうしきな とうらいから でたちまで なんもかも せわい なりっぱなし やったな ほんなごと おおきに』「今度の葬式は訃報の連絡からお斎まで何もかも世話になって本当にありがとう」

【出立】でたち。葬儀や法事用の食事。お斎のこと。もともとは旅立ちの際の食事のことをいい、「出立ちの膳」は出棺直前の膳=お斎とあります(広辞苑)。いつもの「日葡辞書(九州方言→ポルトガル語対訳辞書:1603年」にも、Detachi=よそへ出発するときの食事とあります。これもたいがい古い言葉のようです。

【とうらい】葬儀の連絡(係)については以前ここでも書いているのでご参照くだされませ。

昨日は身内の七回忌で仕出しをとったばかりでした。もう精進やのーてばりばりの生ぐさ料理でございます。

Houji01

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2019年3月25日 (月)

てこ・てご・てごがい

糸島弁シリーズ三百四十六。てこ・てご・てごがい。
『ことしゃあ むぎがりい どっかから てごさん きてもらわな とっしょりばかしじゃ できめえや』「今年は麦刈りにどこかからお手伝いに来てもらわなくては年寄りばかりじゃできそうにないよ」
【てこ・てご・てごがい】(主に農作業の)手伝い手助けや加勢のこと・手伝い人・加勢人。「てこ・てご」は古語で漢字では手子。「てごがい」はこれも古い言葉でもともとは取っ手つきの小さな桶。木桶のことですが、地域によってはこれも「畦走り」や「醤油買い」に似た(下働きや使い走りに手伝いや手伝い人)意味をしとるようです。
Tekogai

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2019年3月18日 (月)

あまらかす

糸島弁シリーズ三百四十五。あまらかす。
『あたしが ぜんざいまんば おひるい たべんで あまらかしとったとに だれか たべて しもーとる』「私がぜんざい饅頭をお昼に食べずに余しておいたのに誰か食べてしまってる」

おいしかもんは誰もわからんとこに隠しとかな・・・というわけで「あまらかす」

【あまらかす】余《あま》す。残しておくこと。余分におく。・・・らかすで、わざわざ残す、意識的の余らせておくという意味ですね。だからこそ食べられてしまうと悔しいわけたいね~。饅頭だけでなく、いろんな物や事でよくあることじゃあります。

写真は前原は角屋のぜんざい饅頭。

Zenzaimanjyu_kadoya

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2019年3月11日 (月)

あただい

糸島弁シリーズ三百四十四。あただい。
『そげえ あただい かねかしちゃれやら いわれてん むりですばい』
「そんなに急に金を貸してくれといわれても無理ですよ」

【あただい・あただに・あたらに】急に、にわかに。言葉の由来ははっきりせんとですが、「慌ただしい」や「あたふた」あたりと語源は一緒じゃなかでしょうかね。「日葡辞書(九州方言→ポルトガル語対訳辞書:1603年」に、「Atadani=アタダニ副詞。Niuacani俄にと同じ」と収録されているので古い言葉というのは間違いないです。

まぁ貸す金はなかばってん、昼飯に(博多と怡土国境の)牧のうどんでんごっつぉうしときまっしょう。

Susenji_2

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2019年3月 4日 (月)

およる

糸島弁シリーズ三百四十三。およる。
『あっちん ばばさんな しょうがつから ずっと およっとんなったばってん ぬくーなって しかしか あるきまわりよんなるて』「あちらのお婆さんは正月からずっと寝込んであったけれど、暖かくなってしっかりと歩き回っていらっしゃるんだって」

【およる】寝ること。横になって休むこと。病で臥せること。御夜とか御寝といった漢字が当てられる「古語」で、かつ敬語扱いされる言葉のようです。冗談のようですが「おひるになる(起き上がられる・目を覚ます」という対照的な言葉もあります。方言としては、もうたぶん消滅語でしょうね。志摩や前原出身の年寄りに尋ねても「聞いたことない」という返事でした。資料的には「さくらい歴史と方言集」や「筑後方言辞典(松田康夫:久留米郷土史研究会)」に収録があります。

ぼちぼち春らしい陽気になってきましたね。小富士の春です。

13kofuji01

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2019年2月25日 (月)

やづま

糸島弁シリーズ三百四十二。やづま。
『ねしなに よんだほんが まくらもとに ちらかっとるやないね やづまに つんどくか たなに しまうか しない』「寝ながら読んだ本が枕元に散らかったままじゃないか。部屋の隅に積むか棚にしまうかしなさいよ」

【やづま】部屋の隅。家褄・屋端《やづま》などと書くようです。もともとは屋根や軒の端っこという意味らしいです。個人的にはただ四方八方の八褄と漢字を当てたい気もします。

例文は
実話ですたいね。寝ながら「へっぱくBLOG」と「糸島弁ブログ」両方の次回用の方言ネタを考えたり辞書調べをしよります。こげなふうに片付いとる方が珍しかです。方言資料の一部です。

Itosimabon


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2019年2月18日 (月)

ぬくめ

糸島弁シリーズ三百四十一。ぬくめ。
『こふじから かやさん のぼるとな ぬくめじゃ むりばい まいごに なるとが せきんやま』「小富士の方から可也山に登るのは初心者じゃ無理。迷子になるのが関の山だよ」

自分が迷子になった件は、ここにも何度か書いたごと
ちゃんとした登山道がなかけんですね・・・というとは別の話で今回は「ぬくめ」。

【ぬくめ】初心者。未熟者。一丁前にならない半人前。語源は「ぬくめどり」からやなかろうかと考えとります。以下広辞苑より。
【温め鳥《ぬくめどり》】
1:冬の夜、鷹が小鳥を捕えてつかみ、その脚を温め、翌朝これを放してやるということ。また、その小鳥。
2:親鳥が雛を翼でおおって温めること。
早い話が、まだ親元から離れきらん独り立ちしきらんていうことでしょうね。

写真は小富士梅林。

Kofuji09

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2019年2月11日 (月)

ぼさかた

糸島弁シリーズ三百四十。ぼさかた。

『おいちゃんたちな しょうゆかいはだれか ぼさかたはだれやて こきつかいなるばって おれたちゃとっくに おさばってんな』「おじさんたちは、使いっ走りは誰だ炊事係は誰だと酷使するけど、俺たちとっくに大人なんだけどね」
そういや、醤油買い=パシリですばって、もひとつ「畦走り」ていうともありますね。
【ぼさかた】炊事係・使いっ走り・雑用係。言葉の由来はさっぱりわかりません。補佐方というと現代語すぎるような気もしますしね。雑用係なら「ぼさぼさいぼさか=ぼろ・つまらんもの」からとも言えそうですが、第一義が炊事係やけんですね・・・、むりやり割烹の烹(ほう・ぽう)方とでもしときますか。どなたか「ぼさかた」をご存知でしたらご教授くだされませ。
ちなみに自分は毎日「ぼさかた」しよります。酒ん肴は自分でつくったほうがうまかけんです。豚バラ肉のカリカリ焼き・・・。
Butabarakarikari

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2019年2月 4日 (月)

おこつる

糸島弁シリーズ三百三十九。おこつる。
『ほら ひとに ぶつかろうが おみせんなかまで ふたんで おこつりあうとば やめんね』「人にぶつかるでしょ。お店の中でまで二人でからかい合うのをやめなさい」

【おこつる】からかう。冷やかす。バカにする。ほとんど消滅語で資料的に残っとるだけの方言かもしらんですね。
語源は古語のおこづく。なんでも今昔物語や源氏物語にも出てくるような由緒ある言葉らしいです。 辞書には《痴付》と漢字を当ててあります。痴付の「痴」そのものの意味は馬鹿げたとか愚かななという意味ですから、そこらあたりから来たとでしょうね。しかし、よーまたこげん古い言葉が方言として残っとるもんですたいね。

Itosaisai02

写真は伊都菜彩。おこつり合わんでも、ただ歩きよるだけでお客さんとぶつかるごと、いっつも大入り満員ですね。

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2019年1月28日 (月)

ほっけんぎょう・どんと焼き

糸島弁シリーズ三百三十八。どんと焼き・ほっけんぎょう。
『うちんまごたちが ほっけんぎょうで もち もろーて ふーふー あつそうに おいしかそうに たべよった』「うちの孫たちが(ほっけんぎょう・どんと焼き)で餅をもらって、ふーふー熱そうにおいしそうに食べていたよ」

【ほっけんぎょう・どんと焼き】小正月の左義長の火祭りのこと。どちらも言葉の由来が面白かけんちっと書いておきましょう。
【ほっけんぎょう】火気行《ほけぎょう》・奉献行《ほうけんぎょう》・法華行《ほけぎょう》なんてのはどげんでしょうか。これは正月に、同じ日の成人式というとで思いついたとですが、本元服《ほんげんぷく》なんてのはどうですかいね。
【どんと焼き】の方もいろいろ語源説があるようで、「歳徳神《としとくしん》=その年の福徳をつかさどる神からとか、竹がドンパチ燃える様子からとか、陰陽師が火炊き時が「どうどや」と囃したことからというのもあります(折々の京ことば:堀井令以知:京都新聞出版センター)。

で、はてさて、この「どんと」は関係あるとかどうか・・・。

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2019年1月21日 (月)

そうらくる

糸島弁シリーズ三百三十七。そうらくる。
『おちばの げんかんさきい ふきよせられとるけん そうよ まつばぼうきで そうらけときない』「落ち葉が玄関先に吹き寄せられているから、ぜんぶ松葉箒で片付けておきなさい」

【そうらくる・そうらける】片付ける。整理整頓。おしまいにする。言葉の由来としては「浚《さら》える」からやないかと想像しとります。あとは、鍋掃除や魚の血合いをきれいにする竹の簓《ささら》や、全部という意味の方言「そうよ(総与」も関係しとらんかな・・・と。ぜーんぜん根拠はなかとですが。
ちなみに「松葉箒」も共通語やないで方言ですよ。念のため。

Big_matsubaboki

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2019年1月14日 (月)

ごうやぶ

糸島弁シリーズ三百三十六。ごうやぶ。
『こふじんほうから かやさんに のぼりよったら みち まようて ごうやぶに はいりこんでしもうた』「小富士の方から可也山に上っていると道に迷ってひどい藪に入り込んでしまったよ」

【ごうやぶ】茂み。雑草や雑木が生い茂っているところ。その激しいところ。人と地域によっては「やぶごう」と逆転した言い方もあるようです。で、その「ごう」が何かというと、はっきりわからんとですが、猛々しい「剛藪」?強ばるの「強藪」? 逆の場合は藪をかき分けて進むときの「藪こぎ」あたりも考えられんこともなさそうです。

可也山で道に迷ったというのは実話でして、そのときは水なし沢みたいなところを通って下山できました。往生こいたです。写真は正規の登山道ですが、こちらも砂や落ち葉でずるずる滑ってしまいロープなしでは上れんようなところが多かったですね。

Kayasan06

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2019年1月 7日 (月)

ろくじ

糸島弁シリーズ三百三十五。ろくじ。
『ひやまの るりこうじな やっぱ あすこが ろくじ やったけん おてらの たったっちゃろな』「火山の瑠璃光寺はやっぱりあそこが平地だったからお寺が建立できたんだろうね」

【ろくじ】平地。平坦なところ。漢字を当てると陸地《ろくじ・ろくぢ》で意味は陸地《りくち》と同じ。日葡辞書(九州方言→ポルトガル語対訳辞書:1603年刊)にも Rocugiuo yuqu ayumu=陸地を行く・歩むとあります。また面白いとは、Rocuna《陸な》=平坦なこと・真っ直ぐなことと定義されとることです。
つまり早い話が、この「平坦で真っ直ぐ」から、「平でない、真っ直ぐでない」ことから「陸《ろく》でもない」という言葉が出来て来たとのようです。これはちょっと想像つかんことですけどね。

写真は火山から黒磯海岸。よか景色です。

Hiyama

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2018年12月31日 (月)

ねじくる

糸島弁シリーズ三百三十四。ねじくる。
『こうこうんときにくさ おまえ わがおおきかおならこいたくせい おれば ゆびさいて へこきむしへこきむして ねじくったろうが まーだ おぼえとーぜ』「高校のときに、お前、自分が大きな音のおならしたくせに、俺を指差して屁こき虫屁こき虫と俺のせいにしただろう。まだ覚えてるよ」

【ねじくる】罪をきせる。責任を押し付けること。仕事やいろんな役を押し付けること。無理やりという意味が強いです。由来は捻る《ねじる》ねじ込むからでしょうね。自分はこういう場合は「なすくる」を使いよりました。こっちの方がすこし軽い感じですかね。

ねじくるにちょうどよか画像が見つからんかったけん、こげなど。志摩の四季で買ーてった、ねじくれ栄螺・あわび・姫島雲丹。

では、よいお年をお迎えください。

Himeshimauni

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2018年12月24日 (月)

てぐみとり

糸島弁シリーズ三百三十三。てぐみとり。
『わっかころな みな おおざけくらいで どんぶりばちば てぐみとりして のみぐっちょ したもんたい』「若いころは、みんな大酒飲みで大きな鉢をつぎつぎと手渡ししながら飲み競べしたものだよ」

【てぐみとり】あやとり(さくらい方言集と歴史:櫻井を語る会)・・・となっとるとですが、今回の例文や方言の解釈は管理人の勝手な想像で何の証拠も文献もなしです。以下ご勘弁。
【てぐみとり】伝供とり・天狗取りのこと。次々と手渡しでものを運ぶこと。早い話がバケツリレーみたいなものですたいね。もしかして、糸島のお日待ちや講やらんときにお神酒の大盃ば回し飲みよんしゃれんやったろーか・・・ていう想像が今回の「てぐみとり」となりました。

Siraumenoniwa

今年の梅酒の出来具合はどげんやったとでしょうか。しばらく飲んどんなー。

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2018年12月17日 (月)

だめしか

糸島弁シリーズ三百三十二。だめしか。
『なんか その ぼさばさあたまに だめしか よれよれふくな まちっと ぴしゃーとせんかい』「なんだよ、その伸び放題の髪の毛と汚いしわくちゃ服は。もっときちんとしないか」

余計なお世話たい!というところですね。だめしか。

【だめしか】汚れきたないこと。嫌なこと。人と地域によっては「だみしい」「だむしい」ともいうようですね。博多では「だんしか」ですか。語源はよーわからんとですが、
1:恨《うら》めしい→うだんしい→だんしい
2:濁声《だみごえ》の「だみ」
あたりが考えられんこともなさそうです。自信なし。

Dansika

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2018年12月10日 (月)

とえん・とわん・たわん

糸島弁シリーズ三百三十一。とえん・とわん・たわん。
『せのびしたっちゃ とびあがったっちゃ とえんかった かもいい もう でこ ぶつけるごと ふとーなったっちゃな』「背伸びしても飛び上がっても届かなかった鴨居に、もうおでこをぶつけるように大きくなったんだね」

【とえん・とわん・たわん】届かない。(手が背が)つかない。及ばないこと。漢字を当てると、「耐える・堪える」の否定形で「不耐《たふ》」「不堪《たふ》」あたりでしょうか。もっとも、こちらが本来の意味で「出来ない・ダメだ」ということでしょうね。
また「出来ない」意味の方では、「おえん」「負えりゃせん」との混同も考えられんこともなかです。

Daiseikyo

背の太ーなるごと、鳥居に背の届くごと?!皆さん「産宮」さんにお集まりでした。

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2018年12月 3日 (月)

ばり・ばりたん。

糸島弁シリーズ三百三十。ばり・ばりたん。
『ばりたんな くさかし どくびれ もっとるばってん うまいとこ さばいたら たいがい うまかっちゃんな』「アイゴは臭いし毒ヒレも持っているけれど、上手に調理すると相当においしいよ」

【ばり・ばりたん】アイゴの魚名方言。語尾の「たん」は毒ゆえの蔑称(愛称?)か。エイも同様に「エイたん」という人や地域があるごたります。バリという魚名方言の由来は腹ワタが臭いことを尿《ゆばり・いばり》に例えたような気もします。

写真は仙厓《せんがい》さんの「連れバリ」。

Yubari01

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