2019年8月19日 (月)

のす

糸島弁シリーズ三百六十五。のす。

『あっちゃー ちーと のすの ふかか ごたって どうも しょうの あわん』「あの人はすこし腹黒い感じがしてどうも相性が悪いよ」

【のす】腹黒い。何を考えているかわからない性格。

実は、この「のすのふかか」は「志摩町史」と「さくらい方言集と歴史」ではじめて知った言葉でした。で、この「のす」が何を意味しとるとか、ずーっと考えとるとですがよくわからんとですよね。とりあえず、今んところ思いついたことをちっと当てっぽす。

「のす」には、「尻」と「穴」という意味があるようなので(日本方言大辞典)、「穴(人間性)の底が見えん」ということやろか・・・というとが一つ。もひとつは「口車に乗す=だます=腹黒い」あたり。

とりあえずこのへんでご勘弁。

Itosimabon

 

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2019年8月12日 (月)

どうびき

糸島弁シリーズ三百六十五。どうびき。

『べべんこな うのうやったな こってやったな こってなら そんうち どうびき させらるうな』「牛の子は雌牛と牡牛のどっちだったの。牡牛だったら、そのうちに胴引きさせられるね」

【どうびき】胴曳き・胴引き。牛に切り出した木材などを引かせること。その牛のこと。牛の胴に綱や牛車をくくりつけ引かせるということでしょうかね。

【べべんこ】べこのこ。牛の子。ちなみに「べこ」はアイヌ語の牛(Peko)から来た言葉らしかです。

関連ネタの写真探したとですが、牛さんの写真のよかとのないで、(なんで写真撮っとったか忘れたとですが)とりあえずこげなとの出てきたけん載せときます。

Gyunyuusi

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2019年8月 5日 (月)

鹿家

糸島弁シリーズ三百六十四。鹿家。

『なぁなぁ しかかの ちめいな どっから きたっちゃろか』『そら しかの いっぱい おったけんやろ』「ねえ、鹿家という地名はどこから来たんだろうね」「鹿がいっぱい居たからだろう」

そげな単純な話でもなかろうて思うとですが・・・というわけで

【鹿家《しかか》】明治22年からの大字名。福吉村から二丈村、二丈町、二丈鹿家という流れですが、「角川日本地名大辞典福岡編」に「延喜式に佐尉に駅家《うまや》があったと記されていた」という一文があるだけで、手持ちの町誌や辞書類にもさっぱり地名由来の記載がありません。で、いつもの「糸島弁ブログ」流の当てっぽす。

「しし」という言葉があります。「しし=肉」で、「しし」にどういう漢字を当てるかというと、昔の人にとっては、「肉=猪=鹿=獣(大辞林)」らしかとですね。つまりはやい話が「鹿家=猪や鹿や獣をさばき食べる山村」という意味やなかろうかと想像しとるわけです。

ついでに、これまたいつもの「日葡辞書(九州方言→ポルトガル語対訳辞書:1603年」には、「Xixi=シシ=肉=鹿や猪や獅子のこと」とあります。ポルトガル語の綴りは普通のローマ字とは違うけん、そもそもの項目探しがオオゴトです。シシがxixiと書くやらなかなか想像つかんですもんね。

では、その鹿も猪も獣も鯨もぜーんぶごちゃまぜという、そんな状況証拠となる写真を一枚。

Ukidake_kujira01

ここでは「しし」に鯨という漢字も含まれとるごたります。面白かですね。

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2019年7月29日 (月)

ださん・だしきらん

糸島弁シリーズ三百六十四。ださん・だしきらん。

『だいじか はなしかとに でんわで すんまっせん さっさと かお みせんといかんとに いきだしきらん あいだしきらんで すんまっせん』「大事な話なのに電話ですみません。すぐにでも顔を見せないといけないのに、行けなくて会うことができなくてすみません」

【ださん・だしきらん】ちょっと微妙な表現で、まだ・・・できない、まだ・・・できていないという意味ですたいね。もう少々消滅語っぽいですが、「行きだしきらんのる」「会いだしきらんなおる」といった、「ノル」「ナオル」という表現も年寄りには残っとるごともあります。

写真はこの話題とは関係なかとですが、糸島と韓国語の関係をちっと探らないかんと思うとるとですが、ここから先を調べだしきっとらんとです。ふと思い出したもんで・・・。

Gwan_eum

Koraiji

 

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2019年7月22日 (月)

きすご

糸島弁シリーズ三百六十三。

『おっ つりざお かろーて どこさい いきよるとな』『しかかい きすごつり』「おや、釣り竿かついでどこへ行ってるの」「二丈鹿家へシロギス釣りに」

【きすご】標準和名でシロギスのこと。キス《鱚》が一般的な呼び名で、そのキスの地方名で魚名方言。

で、このキスゴという言い方は、けっこう古くから使われとったようで、その資料的なものをズラズラっと引用しときましょう。単なる方言、田舎語として簡単には片づけられん言葉です。

1:「筑前国続風土記《ちくぜんのくにしょくふどき》」の「巻之二十九 土産考序」では、「味も性もよし。病人食すべし」と大絶賛。

2:「物類称呼《ぶつるいしょうこ》:越谷吾山著:1775年刊:岩波文庫版」という諸国方言辞書には、「幾須古《きすご》○関西にてきすご。江戸にてきすと云」・・・とちょっと想像がつかない漢字が当ててあります。

3:「日葡辞書(九州方言→ポルトガル語対訳辞書:1603年」で、「Qisugo きすご 鱚子 鱚」とポルトガルからの宣教師さんがいちばんやさしい日本語解説してくれていますね。

Kisugo03

添付画像は「中村学園大学図書館アーカイブ」の筑前国続風土記から拝借しています。

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2019年7月15日 (月)

いやし

糸島弁シリーズ三百六十二。いやし。『あやつな たいがい いやし やろが ひとが なんか くいよったら すぐ てば だしてくる』「あいつはひどく意地汚いだろ。人が何か食べてたらすぐに手をのばしてくる」

今回は先に「いやし」テーマの写真を載せときましょう。

Iyashi

たぶんデイサービスかなにか、お年寄りの集まる場所への送迎車やろて思います。「心や気分が癒やされる家」という意味なんでしょうが、博多の、それもある一定の年代から上の人間にはかなり違和感のある言葉やろて思います。

【いやし】卑しい賤しいの名詞形で方言。意地汚い、食い意地の張っている「人」を指すことが多かですね。物欲しがり。ちなみに広辞苑には「いやし」は収録されていません(第7版は?)。
平成に入ったころですか、それこそ、そのあたりから「癒やす癒やされる」が「癒やし」という略形で流行しはじめた気がします。個人的にも大仰な表現やし、なんか安っぽい表現やと思います。博多弁の「卑し・賤し」につながることもあって好かん言葉です。まぁ好き嫌いは人それぞれですばってんね。

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2019年7月 8日 (月)

あぶりこ

糸島弁シリーズ三百六十一。あぶりこ。

『ひるひなかい つりやら するもんやけん ひやけしすぎて てくびんとこの あぶりこんごとなっとる』『みずぶくれい なって もう あばけそーやないな』「昼日中に釣りなってするものだから、日焼けしすぎて手首のところが火だこみたいになっている」「水ぶくれになってもう破れそうだよ」

【あぶりこ】ひだこ。火にあたりすぎてでる斑紋。火焼《ほや》けともいうごたりますね。

【あばける】化膿したところが破れること。穴が開くこと。

ちなみに今週の「へっぱくBLOG」では似た語感音感の【あばかん】を書いとります。あわせてよろしくどうぞ~。

数回でこげん日焼けしすぎとります。

Dsc_5929

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2019年7月 1日 (月)

こぎりめいとる

糸島弁シリーズ三百六十。こぎりめいとる。

『あっちん そうりょむすこな ずーたい でこーて もっさりばってん じつは こぎりめいとってくさ ほんなごと よかおとこばい』「あちらの長男さんは体は大きくて(身のこなしが)鈍いけれど、本当は気が利いていい男だよ」

【こぎりめいとる】気が利くこと。利発なこと。この糸島弁も資料的(志摩町史・さくらい歴史と方言集)に知っとるだけで実際には体験した言葉やないとですが、とりあえず勉強の結果を書いときます。

語源的には「こぎりめ」。物事がこぢんまりしていること。また、技が細かいこと(広辞苑)。小さく器用に動くこと。利発(大辞林)とあります。江戸時代の「浮世草子」にもでてくる古い言葉のごたります。なんでこげなとが糸島に残っとるとかわかりませんが・・・。面白いちゃ面白いですね。

写真は小切ならぬ日切箱。日銭を切る(集金)箱。

Hikiribako

 

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2019年6月24日 (月)

きりこなぐる

糸島弁シリーズ三百五十九。きりこなぐる。

『なして また こげん しんぶんしば きりこなぐっとるとや』『がっこうの しゅくだいやら いうとりましたよ』「なんでまたこんなに新聞紙を切り散らかしているの」「学校の宿題とか言ってましたよ」

【きりこなぐる】切り刻んで散らかること。小さく切り散らかす。「きりこ」=切り粉?切り小?で、「なぐる」=なげやり=なげだすこと・・・でよかとやろかな。

先週の唐箕つくったときの切りかすです。

Kirikonaguru

ついでに、唐箕にしろ手箕にしろ風選分別することを「ちりたて《塵立て》」ともいうごたります。
もひとつついで。「
箕」の字には「ちりとり」の意味があるげなです(漢語林)。なかなか奥が深かですね。

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2019年6月17日 (月)

とうみさき

糸島弁シリーズ三百五十八。とうみさき。

『ことしゃ たいがい できのわるーて とうみさきな しいな ばっかし』「今年はずいぶんと出来が悪くて唐箕先には実のない籾殻ばっかしだよ」

【とうみさき】唐箕先。唐箕で吹き飛ばされたゴミや粃のこと。

【とうみ】唐箕。手動の風選機。手箕「《てみ・てみい》=手籠・笊・しょうけ」で足りるとこもありゃ、庄屋や本家で唐箕使わせてもらわないかん広か田んぼ持ったとこもあったとのごたります。

では、その唐箕。自作の紙細工。ペーパークラフトでごじゃります。

Toumi01

 

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2019年6月10日 (月)

きりばん

糸島弁シリーズ三百五十七。きりばん。

『きりばんの たいがい ゆがみ そってったけん せいざいしょで しゃくごっすんば わけて もろーて きやい』「まな板がずいぶんと歪んで反ってきたから、製材所で一尺五寸をわけてもらってきて」

【きりばん】まな板・俎板・真魚板のこと。語源はやっぱし切板《きりいた》の切板《きりばん》で良かとでしょうね。もともとは、真魚板と書くごと「魚をさばく」ための板やったとのごたります。

自分はしょっちゅう志摩の四季やら伊都菜彩から魚を買ーてきちゃ、「おろす(洗って干しとる間は使えん)」ので二枚持っとります。一枚は志摩の四季にトラックで売りに来よる「まないた屋」さんで銀杏木をサイズ合わせしてもろーとります。

Manaita

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2019年6月 3日 (月)

したら

糸島弁シリーズ三百五十六。したら。

『したら らいしゅう げつよう あさいちの せこうと いうことで いいですか』『よかですよ』「そうしたら来週月曜朝一番の施工ということでいいですか」「いいですよ」

仕事の打つ合わせ中に若い営業マンのこの「したら」に引っかかったとです。果たしてこの「したら」は共通語か方言か?と。

【したら】そうしたら。そうなるとの意味。辞書には、「そうしたら」の略形。古語「したらば」の略形とあるので、あくまで共通語ということですね。じゃ、自分がよく使う「したら」「そしたら」「したらくさ」も共通語かというと、そりゃ違うでしょうが、そやけん悩みよるとです。結局はよーわからんまんまに書いてしまいました。

写真ネタもないけん、こげなとでご勘弁。月曜朝一じゃないで日曜朝一でキス釣りに行ってきました。ばってん、こんまかとばっかしでサッパリワヤでした。

Minikiss01

 

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2019年5月27日 (月)

ぐのみ

糸島弁シリーズ三百五十五。ぐのみ。

『おまや あやつの はなしな ぐのみ しといて おれの いいぶんな ききながして そらおかしかろ』「お前はあいつの話はそのまま聞いておいて、俺の言い分は聞き流しっていうのはおかしいだろ」

よくあるこっちゃありますね・・・ということで、ぐのみ。

【ぐのみ】鵜呑《うの》みすること。(なにも考えも批判もせずに)そのまま聞き入れること。信じること。以前は「具のみ」が語源と思うとりましたが、「ぐいっと勢いよく飲み込む」という意味の「ぐいのみ」という言葉が辞書にありました。「ぐいのみ」は盃だけを意味するとやないとに、この歳になって気づくというおそまつな話。ただし言葉の由来としちゃこっちの方が筋の良か気もします。

さすがにこげな樽酒やと「ぐいのみ」はできんですかね。ははは。

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2019年5月20日 (月)

のーしろ

糸島弁シリーズ三百五十四。のーしろ。

『ことしゃ あつーも さむーものーて なえどこも まんぐりよー いきよるたい よか のーしろん できろうや』「今年は暑くも寒くもなくて苗床も具合よくいってるね。良い苗代ができるだろう」

【のーしろ】苗代《なわしろ》のこと。苗代の訛り。人や地域によっては「なーしろ」ても言うごたります。

ちょうど「まんぐり」ていう方言のでてきたので、ついでのおまけ。苗床の生育時期の気候ぐあいを「のーしろかんえ」やら「なーしろがんや」ていうとこもあるごたります。もちろん「寒合い=寒暖の様子・気温の具合」ですたいね。共通語では、やはり同時期を「苗代寒《なわしろざむ》」。

いつもながらの使い回し写真で申しわけなかですが、可也山の田植え直後。麦の収穫時期でもありますね。

Taue_mugi_kaya

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2019年5月13日 (月)

とや

糸島弁シリーズ三百五十三。とや。

『とやん せわな こどもでん よかが やっぱー おとしたり けむしりな させられめーな』「鳥小屋の世話は子どもでもいいけれど、さすがに首締めたり毛むしりはさせられないよね」

そらそうでしょうたい。親っさんたちの寄り合いの酒ん肴のかしわ肉なら・・・ということで、久しぶりに聞いた「とや」

【とや】鳥屋と書くとやろて思います。鳥小屋のこと。以前やっぱし鳥小屋を意味する「じどや=地鳥屋=塒鳥屋」はこちらに書いとりますので、よろしければお読みくだされませ。

最近ペーパークラフトなるもんに凝っておりまして、ちょうどこげなもん作ったときやけん載せときます。

Sanwa

 

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2019年5月 6日 (月)

つらんこうむく

糸島弁シリーズ三百五十二。つらんこうむく。

『うちんとが おだいしこうで おれがしりひかれの かかあでんかて つらんこうむくもんやけん おうじょうしとると』「うちの(嫁・かみさん)が、お大師講で俺が(尻敷かれで家は嬶天下)とばらしてしまうもんだから困っているよ」

【つらんこうむく】正体を明かす、化けの皮、素性をばらすこと。漢字やと「面の皮(甲)剥く」となるとでしょうか。剥かれる前の状態を「面の皮の厚い奴」「つらんこうの厚か」といいます。

面の皮は食えんですが、こげなとならなんぼでも食えます。豚足の皮。

自分ちで一時間ほど茹であげて、それから焼くなり甘醤油で味付けするなりするとよかです。

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2019年4月29日 (月)

ついえる

糸島弁シリーズ三百五十一。ついえる。

『なして じねんと ついえるまで ほっといたとね ほうばれ しとるやないね はよから ついやしときゃ よかったとに』「どうして(歯茎の腫れや膿を)自然に潰れるまで放っておいたの。頬腫れしてるじゃないの。早くから自分で潰しておけばよかったのに」

【ついえる】共通語としては潰れる、崩れる、壊れること。方言としては腫れ物やオデキを潰れること。潰すこと。似た表現では、つやす・つゆす・つえる・つゆる・・・とも言いますね。

懐かしいもんをお目にかけましょう。自分は歯医者に行くほどでもないときは、今も昔もコレ。新今治水。

Konjisui

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2019年4月22日 (月)

ふすぼる

糸島弁シリーズ三百五十。ふすぼる。

『えらい はしまの ふすぼって みゆるが また こうさの よかしこ ふって くるっちゃろな』「ずいぶんと葉島が燻って見えるけれど、また黄砂がたくさん降ってくるんだろうね」

【ふすぼる】「ふすぶる」「すぼる」ともいいますね。燻《くす》ぶること。靄《もや》がかかったような、ぼんやりした様子。

ちなみに「黄砂《こうさ》」という言葉じたいはそう古い言葉やないごたります。黄砂の前は漁師言葉ですが、 「ふすぼり西」「すぼり西」ていうとが使われよりました。

Hasima

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2019年4月15日 (月)

達者なか

糸島弁シリーズ三百四十九。達者なか。

『あんたんがいの ばばしゃん ほんなごと たっしゃなか げんきなかな けさも はよーから はたけに でとんなったよ』「あなたのお家のおばあさんは達者だね、元気だね。今朝も早くから畑に出ていらっしゃったよ」

【達者なか】達者だ。元気だ。この「なか」は「・・・でない」という否定形ではなかです。きれいな・まっすぐな・達者な・元気な・・・といった表現が、カ語尾化したもんやろて思います。

写真は岐志漁港でのおばばしゃん。

Tossyori

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2019年4月 8日 (月)

なかさい

糸島弁シリーズ三百四十八。なかさい。

『うちん なかさいな おなごばって こりゃ ちからもち あんじょうより よっぽど しっかりもん』『へー、きんぷらむすめな』「うちのまんなかは娘だけど力持ち。兄よりもよほどしっかりものだよ」「きんぴら娘なんだね」

【なかさい】子供三人(兄弟姉妹の)うちの真ん中の子。中の子。「なか」は問題ないとして、「さい」が何を意味するかというと、ようわからんとですが、
【さい】歳の真ん中で、中歳(なかさい)。あと、「才=木材・容積・船の積石・織物などの単位」らしいので、このへんの関連か・・・というのが考えられんこともなさそうです。
きんぴら娘については以前ここで書いとるのでご覧くだされ。ちなみにきんぴら娘は金太郎さんの子供げなです。 

 

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