食いもんシリーズ

2018年4月30日 (月)

くっぞこ

博多の食いもんシリーズその七十二。くっぞこ。
『くっぞこな にもんやら むにえるが ふつうばってん あたらしかの うりよったら さしみい してもろーてんない えらい うまかけん』「ウシノシタは煮物やムニエルが普通だけど、新しいのが売っていたら刺身にしてもらうといいよ。とてもおいしいから」

【くっぞこ(靴底)】ウシノシタ。舌平目の一種。舌からの連想からか、口底《くちぞこ》とも呼ばれとるようですね。釣り好き(自分もですが)は口の悪いやつが多くて、「草履《ぞうり》やら「足の裏」やら言うとも居ります。

Kuzzoko

はじめて自分で捌いてみましたら、(物の本には皮むきは簡単てあったとですが)意外と剥けんで身崩れさせて往生しました。次回また挑戦してみます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年4月16日 (月)

すーどん

博多の食いもんシリーズその七十一。すーどん。
『えいちゃんうろんでくさ なしてか てんぷらの なかやら いうけん しょうことなしー すーろん くーてった』「英ちゃんうどんでね、なぜか丸天がないというから、仕方なしに素うどんを食べてきたよ」

【すーろん】素うどん(なにも具がない・トッピングされていない)。関西以西の(正確には方言でしょうが)標準語ともいえるもんで、関東でのかけうどんのこと。
【英ちゃんうどん】因幡うどんと並ぶうどんの名店。昭和4~50年代によく通ーたです。
【てんぷら】丸天(丸いさつま揚げ)のこと。「えび天」は姿海老でなく小海老のかき揚げ。ごぼう天も当時はスライス揚げでなく「かき揚げ」。

で、ふと思うたとですが、素うどんはあっても素蕎麦ちゃ言わんごたりますね。なしやろか。それと素麺《そうめん》の具のないとも素素麺《すそうめん》ちゃ言わんですね。なしやろか・・・ははは。ぞうたんそうたん。

写真は素素麺ならぬ、牡蠣おろし大根ネギいっぱい素麺。

Kaki_orosidaiko_somen

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年4月 9日 (月)

そこまめ

博多の食いもんシリーズその七十。そこまめ。
『たいじゅうへらそうて はりきって あゆみだしたたー よかばってん みっかで そこまめの でけて どんこんならん』「体重減らそうと張り切って歩きだしたのはいいけれど、三日で足の裏に肉刺(まめ)ができてどうしようもないよ」

【そこまめ】足の裏にできる肉刺《まめ》のこと。魚の目。落花生・南京豆のこと。
で、実は底豆が肉刺のことというとは実際に使ったりもしましたが、落花生南京豆も意味する方言・・・ていうとはまったく知らんやったです。

まぁどっちにしたっちゃ、足の底・地中(地底)に出来ることから来た言葉ていうとは間違いなかごたりますね。

それとこれは関係なか話ですが、落花生が中国から伝わったという説と、アメリカから来たという二つの説があるとですね。南京豆とピーナッツの違いて言うてみたりして・・・違かろたい。

写真の塩ピーは米国産て袋の底裏に書いちゃりました。やっぱしピーやけんやろね。ははは。

Sokomame01

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年4月 2日 (月)

じゅるあめ

博多の食いもんシリーズその六十九。じゅるあめ。

『まごに いっぺん じゅるあめ なめさせとったら たいがい おいしかったっちゃろ しっかり おぼえとって つぎきたときから やっさい ねだると』「孫にいちど水飴なめさせてたらずいぶんとおいしかったんだろう。しっかり覚えていて次に来たときからしきりにねだるんだよ」

そりゃあの甘さですもんね。おいしかはずです。まぁ素性の知れん最近のお菓子よか自然食品やけん歯磨きさえすりゃ、孫たちに舐めさせても害はなかでしょう。で、じゅるあめ。

【じゅるあめ】水飴のこと。地域や人によっては「じりあめ」「じるあめ」とも言いよったごたります。語源は「汁い《じるい》=水っぽい・ぬかるむ」で問題なかとやないでしょうか。

例文は自分とこでの実話。料理用にいつも大瓶を置いとるとです。

Zyuruame

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年3月12日 (月)

おいお

博多の食いもんシリーズその六十八。おいお。
『ふとかの はいったらで よかけん きつめい しおして おいお もってきちゃんしゃい』「大きいのが仕入れられたときでいいから、濃いめの塩して正月鰤を持ってきてね」

【おいお】鰤。正月用の鰤。「おいお」の「いお」はもちろん魚《うお》でしょうが、頭の「お」がなにかというと、これがいろいろ考えられるとですよね。
見た目から大魚《おおいお》、青魚《あおいお》。
正月用のお祝魚や、お飾り御供え(懸けの魚)用ということから御祝魚《おいお》。御魚《おいお》など。
もひとつおまけ。塩で覆った覆魚《おおいうお》なんてのはなかでしょうね。さすがにまさか・・・ね。

実はこの「おいお」について書くとは二度目。「御祝魚」「御魚」「覆魚」由来説を追加しとーなったもんやけん追加させてもろーとります。

今年の我が家の「おいお」です。志摩の四季で3kgを三本買ーときました。

2018buri02

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年2月26日 (月)

よこわ

博多の食いもんシリーズその六十七。よこわ。
『よこわの かまとろの やすー うりよった さくやないけん みための よーないばってん あじな ほんと かわらんね』「ヨコワマグロのカマトロが安く売っていた。(短冊に)形よく切り取りされたものじゃないから、見ためはよくないけれど味は本マグロと変わらないよ」

【よこわ】ヨコワマグロのこと。クロマグロ(本マグロ)の幼魚のそのまた魚名方言。
例文は実話で、小さいマグロのカマから無理やりこさいだ?刺身部分なので、形が台形だったり三角だったりもします。かろうじてこういう感じで食卓になりました。

Oroshi_shibazuke02

おなじクロマグロの幼魚名でも地方によってはまた呼び方が違います。京都の料理屋では「こしび(子シビマグロ)」と言ってました。

Gion_maruyama13

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年2月19日 (月)

かなと

博多の食いもんシリーズその六十六。かなと。
『こげん さむーなると やっぱ ぬくいもんの たべとーなるな かなとんなべか ちゅーいりでん してんもうか』「こんなに寒くなると、やはり温かいものが食べたくなるね。かなとふぐの鍋か中炒りでもしてみようか」

【かなと】カナトフグの略でカナト。ここらの魚名方言でシロサバフグ(標準和名)のこと。他地方でもぎんふぐ・ぎんぶく・きんぶく・・・などと呼ばれとるごたります(日本国語大辞典)。

カナトの由来がどこから来たもんかはっきりせんとですが、金気《かなけ》のカナ、金銀のキンギンが方言の頭にかぶさっとるとこからすると、やっぱしシロサバフグの「表皮の色」から来とるような気がしますです。
・・・と書くと、「金《カナ》はいいとして、《ト》の説明になっとらんやろ」と突っ込みが来そうなので、もひとつこじつけ。

金砥《カナト》なんてのはどげんでしょうか。やっぱし表皮の表現で「ウロコがなくぬめって平らにつるつる金色に光っている様子」な~んて。無理やっこすぎか。

写真は「ちゅういり」。こちらに詳しく書いとるのでどうぞ~。

Cyuiri

「たたき」。

Kanato_tataki

身だけ買ーて来て家でざっと炙るだけ。ぽん酢で食べるとおいしかですよ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年2月 5日 (月)

にんぎりめし・まぜくりめし

博多の食いもんシリーズその六十五。にんぎりめし・まぜくりめし。
『あしたな てまがえしやけん にんぎりめし つくっちゃんない』『よかよ なんか おいしか まぜくりめしにでも しちゃろうかね』「明日は手間返しだから握り飯(弁当)をつくってね」「いいよ。なにかおいしい混ぜご飯にしてあげようか」

【にんぎりめし・まぜくりめし】握り飯と混ぜご飯。まぁわかりやすい言葉で方言というほどでもなかですが、ひさしぶりに「にんぎり」と発音する人がおったもんやけん書いてみました。

Oinarusan_2

写真はつい最近の晩飯です。「きんぴら」の混ぜくり飯で握ったおいなりさん。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年12月11日 (月)

さごし

博多の食いもんシリーズその六十四。さごし。
『さかなやに いったらくさ たちうおやら さごしやら ながかとばっかし ならんどった』「魚屋に行ったらね、太刀魚や鰆といった長い魚ばかり並んでいたよ」

ちょうど今ごろの季節、「志摩の四季」や「ふく福の里」ではそげなふうで、よう獲れる時季のごたります。筑前海では魚の春の鰆と書くより、魚の秋、もしくは魚偏に初冬と書く方が正解じゃなかでしょうか。

【さごし】鰆《さわら》の方言魚名。一般的には鰆の幼魚名とのことですが、このへんじゃ大きいともサゴシというようです。筑前国続風土記の土産考では「青箭《さごし》」という漢字があててあり、箭《せん》は弓矢の「矢」の意味があるので、青い矢ということでしょうね。また魚体(魚高)が細い(低い)ことから「狭腰《さごし》」とも書くごたります。
・・・ということは、今の魚屋さんには抜刀隊と弓矢組が揃い踏みしとるわけですね。ははは。
Sagoshi

添付図は中村学園大学図書館の電子アーカイブ「筑前国続風土記」二十九巻より拝借。次の写真は「志摩の四季」。

Sagoshi02

最後に筑前国続風土記の時代を真似て「末摘花」風に一句。「狭腰買う 妾しなやか 柳腰」なーんてくさ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年10月16日 (月)

かんご

博多の食いもんシリーズその六十三。かんご。
『そろそろ かんごの なっとるちゃ なかかいな ちらっと やまいきして さがしてこうか』「そろそろムカゴが成っているんじゃないかな。すこし山に入って探してこようかね」

【かんご】ムカゴ・零余子のこと。山芋の蔓になる(種?実?のような)肉芽で食用。
で、そのムカゴがなんでカンゴに訛ったか?変化したか?を考えてみましょうか。零余子の「零」という漢字には「雨のしずく」や「こぼれ落ちる」という意味があるとですね。

ここからがいつもの「当てっぽす」になるとですが・・・。
雨のしずく→こぼれ落ちる→露→寒露(ちょうど今の季節をいう言葉です=二十四節気)→季節が寒くなって蔓からこぼれ落ちた子どもだから「寒子《かんご》」・・・な~んちゃってな推理はどげんでしょうか。ちなみにホダ木に成る冬の椎茸も「
寒子」と呼ばれとるようです。

写真はむかごご飯。

Mukagohan01

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧