新博多弁?シリーズ

2008年11月 1日 (土)

黒棒

新博多弁?シリーズその九。黒棒。
『ちゃのこに くろぼうのあるけん ちっとよこーていきないや』『おおきに だいこうぶつたい ばってん たべたら すぐはざかるけんね それがこまりもんたい』「お茶請けに黒棒があるから少し休んでいきなさいよ」「ありがとう。だけど食べるとすぐ歯に詰まるから、それが困り物だよね」

【黒棒】黒砂糖味のパン・ビスケット菓子・・・みたいな定義でよかとかな。黒棒は全国的な菓子で、方言的要素のあるやら、ちらっとも思うとりませんでした。前回の「うまか棒」ネタんときにいただいたコメントで、ちょっと調べてみたら、「え~っ!地元の菓子かい?!」でした。おきゅーとさん、おおきにありがとうございました。
ネットで見た限りじゃ、九州出身の全国区菓子という感じですかね。それも久留米八女あたりが主産地・主要メーカーのごたります。ほんと知らんやったばい。黒棒の詳細はいつものごとWikipediaでどうぞ。
【ちゃのこ】お茶請け。お茶菓子。間食。元々は農家用語で朝飯の前に仕事をするときとった簡単な食事。ここから「朝飯前」とか「おちゃのこさいさい」などという言葉が派生してきとるとでしょうね。
【はざかる】博多弁としては、歯と歯の間に食べたものが詰まること。一般的には物と物の間に物が挟まること。語源は古語の「はさかふ」。「塩魚の 歯にはさかふや 秋の暮」(荷兮:かけい)なんて句が広辞苑に載っとりました。
また関連して博多弁には「はざぐい:狭食い(間食)」なんて言葉も残っとります。

んでは、本日のネタ写真は(前述の)八女の野田製菓の黒棒。昔んころに食いよった黒棒に比べて、ずいぶんと上品な味になっとりました。

Kurobo

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2008年10月25日 (土)

うまか棒

新博多弁?シリーズその八。うまか棒。
『こどもん うまかぼうば とりあげて くうたとは よかばってん はんすきまに つまって しもーたやね うちんごたる らんぐいばな あげなはくそがしな たべんほうが よかごたる』『はくそがしてね あんた もしかしたら そら うまかぼうと うまいぼうば ちゃんぽんに しとらんな』
「子供のうまか棒を取り上げて食べたのはいいけれど、歯の隙間に詰まってしまったよ。私のような不ぞろいな歯をしてると、あんな(歯に詰まるような)粉菓子は食べない方がいいみたいだね」「粉菓子だって、あなたもしかして、うまか棒とうまい棒のことをごちゃまぜにしてないかい」

どっちもメジャーな食べ物やないけん、こうした例文のごたる会話がときどきあったような気もしますです。
・・・というわけで、「うまか棒」と「うまい棒」をご紹介しときましょう。決して「うまい棒」が方言化して「うまか棒」になったわけじゃなかとです

【うまか棒】1979年九州地区限定で発売された明治乳業の棒状のアイスキャンディー(早い話がアイス棒たいね)。詳しくはコチラでどうぞ~。
【うまい棒】同年生産開始の棒状のスナック菓子・粉菓子のこと。九州ではそげんでもなかごたりますが、とりあえずは駄菓子の代表選手ていうてもよかとやなかですかね。こちらはWikipediaに詳しかです。
【歯くそ菓子】歯に詰まるような駄菓子のこと。普通は粉菓子、場合によっては豆菓子も指すことがあるやろかな。しかしよーまたこげな(下品な)表現ば思いつくもんたい>博多ん人間。

はい、んでは、その両方の写真をどうぞ~。うまい棒30本(遠藤商店252円)・うまか棒10本入り(サニーで248円)でござりました。

Umakabo

ついで。なして「うまか棒」をブログネタにしたかていうと、篠栗の山ん中でこげな「うまい棒」雰囲気の花ば見つけたもんやけんですたい。大きさもほぼ実物大。

Sokkuriumaibo

サラシナショウマという名前のごたります。

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2008年6月28日 (土)

さんのーがーはい

新博多弁?シリーズその七。さんのーがーはい。
『このごろの こどもなくさ じゃんけんやら あそびよーときやら へーんか かけごえ かけよるな』『どげな かけごえな』『さいしょはぐーやら さんのーがーはいやらて』『あ それそれ うちも おかしか きあいの いれかたやなーて おもいよったと』
「このごろの子供はね、じゃんけんとか遊んでるときとかに、変な掛け声をかけてるね」「どんな掛け声だい」「最初はぐう!とか、さんのーがーはい!とかね」「それだそれだ、おかしな気合の入れ方してるなと思ってたんだ」

Wikipediaの「博多弁」はよくできた博多弁まとめページやと思うとるとですが、なかにゃ「ん?そらなかろ!」というもちっとあるとですね。そのひとつがタイトルの「さんのーがーはい」

【さんのーがーはい】一二の三!さんはい!なにか一緒に始めるときの掛け声。・・・という説明のしちゃるとですが、自分やら、そげな言い回しを聞いたことも、もちろん使ーたことなかとですよ。正直、こげなとを博多弁て言われてもな~ていう感覚ですたい。まあ、しかし、最近はたいがい良ー聞く言葉やけん、方言化しつつあるともたしかかもしらんです。とりあえず若者語・新方言のジャンルに入れときまっしょう。

ヒマやったけん、語源はどっから・・・ば考えてみましたやね。
1:最初は、「山王願拝」。神頼みの掛け声(^^; 
2:「一二の三(いちにのさん)」「一二の三ハイ(いちにのさんはい)」の[さんはい]の転・変化。
3:「一斉のせー」の「せーの+ガンファイト(gunfight)」
4:say all gunfight
以上、思いついたとはこげなとこですかいなね。

今日の〆用のネタやら写真やらを思いつかんかったけん、こげなとこにリンク結んでみましたです。 一二三四・・・て掛け声かけながら行ってみてつかーさい(^^;

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2008年2月 3日 (日)

じょうずい

新博多弁?シリーズその六。じょうずい。
『うたの じょうずいかたー わかっとる ばってん めし くいながらな やめときやい』「歌が上手なのはわかってるけれど、食事しながらは(歌うのを)やめておくれ」

◆本日のキーワード◆
【上手い:じょうずい】上手なこと。うまいこと。ただの「じょうず」が例文のごと、どげんして「じょうずいか」と変化したかをちっと説明しときましょう。
「上手な・上手だ」が、「上手い」と形容詞化して、その形容詞の「上手い」が「上手か」と、「か語尾化」して、そのうえ「上手い」と「上手か」が長たらしゅう合体しとうとでしょうね。

もいっちょ、例ば出しときまっしょうか。博多弁で生意気なことを「横着(おうちゃく)な」と言うとですが、これも「横着い」「横着か」と変化が多様化しとります。自分は使わんとですが、今の若か人たちな「横着」を縮めて「着い」「着か」と言いよるごたーですね。これが北九州や筑豊の方やと「ちゃっきー」かいなね。この頃な、博多でも使われよるかな?!「あのヤンキー、ちゃっきかろー」なんてぐあいに・・・。

え~、今日は、あんましネタが冴えん画像ですばってん、こげな「じょーず」

Zyozu

映画「JAWS」より ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン

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2007年6月21日 (木)

ぼっこし

新博多弁?シリーズその五。ぼっこし。
『くるまば ばっく しよったらくさ ごーんて おとのしたけん なんやろかて おもうたら ばんぱーの ぼっこし いっとったやね』「車をバックしていたら、ゴーンと音がして、何だろうと思ったらバンパーがずいぶんとへこんでいたよ」

◆本日のキーワード◆
【ぼっこし】物がへこむこと。くぼむこと。その様子。またその様子の強調。語源はやっぱし「凹」でしょうな~。同じ意味で「ぼっこり」。

え~、実はこの「ぼっこし」。博多弁関連の資料には載っとらんとですたいね。自分でも、こまいころから使いよった言葉でもなか気がしとるとです。車に乗り出してから、使いだしたっちゃなかかと思うとるわけです。そやけん、とりあえず、新しか博多弁でよかかなと・・・。

ちーと、ネットで調べよったら、「博多ネギぼっこしラーメン」やらいうネーミングにぶつかって、博多弁で「たくさん・いっぱい」の意味とか書いちゃった。うへ~。そげな意味のあるやら知らんやったばい。ほんなごとね。そら、「ねぎばっかし」やなかと?
う~ん、こげんして本来の意味よりも、「強調」んとこだけがそれこそ強調されて、ひとつの方言が変質していくとやろかな~と、これも新しか博多弁やろかな~と思うて、気をとりなおしよるとこですたい。でもくさ、やっぱ、変かよね~。ネギぼっこしとかくさ~。

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2005年12月31日 (土)

~かろ

新博多弁?シリーズその四。~かろ。
『そらー はなしの ちがうかろ そげな へんか はなしな なか たいがい へんなかろ』
「それは話が違うだろ。そんなヘンナ話はないよ。相当に変だろう」

◆本日のキーワード◆
【~か+ろ】~だろ。~やろ。この「~かろ」も、比較的新しか博多弁やなかですかね。戦中・戦前生まれの人は使いんしゃれんとやなかやろか。・・・というて、あんまし若い人も使わんかな。
「違うか」は、高い→高か・低い→低かのような、形容詞のカ語尾化と同じような変化をしとります。誤用ちゃ誤用でっしょうね。
「変か」「変なか」は形容動詞のカ語尾化。カ語尾だけなら高齢者層の博多弁にもあるとですが、これに「ろ」をつけて「かろ?!」する表現は少ないっちゃなかろ・・・うかと思うとですたい。
ただ、このいずれもが、「か+ろ」やのーて、共通語の「~やろ」の前段階語や代用語と考えたら、話は簡単かろ(^^;ってことになるっちゃばってん・・・。どうやろかね。

え~、話は代わって、博多の「かろ」といえばコレ。
久方ぶりの自前画像ですたい。年越しうろんでも食べてこんですか。

gara0727

もひとつ。この「うろんや」の看板の蛙の由来が、貴重な博多弁研究書「博多ことば:波多江五兵衛:私家版」に載っとりましたけん、受け売りさしてもろーときましょう。。明治時代の博多の芸者衆が座敷で唄っとった「博多ことばと博多名所」という唄の一節ですたい。

博多言葉で可笑しかもんな
(略)
かろの かろのウロン屋の
かろにわくろーが
三疋ふくろーろったゲナ
ふてーがってナー どうぢゃろかい

[意味]
博多言葉で面白いものは
街角の 角の うどん屋の
角にひき蛙が
三匹うずくまっていたそうだ
なんとまあ驚くことだ どうしたもんだろうか

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2005年12月23日 (金)

~せんくなる

新博多弁?シリーズその参。~せんくなる。
『ねえねえ このごろ あの いけめん みらんくない』『うんうん おらんく なったね』
「ねえ、このごろ、あのハンサム見なくなってない?」「うん。居なくなったね」
気づきにくいですが、これも若い人たちの新しい表現です。いつごろから使われはじめたとやろか。いつのまにか浸透してきとります。

◆本日のキーワード◆
【~くなる】~しなくなる。~しないようになる。しなくなる→せん+くなる。見なくなる→見らん+くなる。居らなくなる→居らん+くなる。「動詞の否定形+くなる」の動詞が博多弁化した表現ですたいね。
自分たちの世代やと、せんごとなる・見らんごとなる・居らんごとなる、が普通やろかな。若い人たちの博多弁がなしてこげな変化してきよるとかと考えてみると、「ばい・ばってん・ごと・・・」といった方言臭のつよい言葉を避けようという意識のあるとやなかですかね。もひとつの理由はもともと言葉が持つ省エネ機能が働きようとでしょう。まぁ、こうした動きがあるとなら、一気に共通語使用に向かいそうなもんですが、それがそうならんとは、ふるさと好きで方言好きな気質が、若い博多っ子博多んもんにもある証拠かもしれませんです。

さて、最後にもうひとつ例をあげておきましょう。見なくなる→見ん+くなる。
「ねえねえ、このごろ、ねずみ、見んくなったろ

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2005年12月21日 (水)

~と

新博多弁シリーズその弐。~と。
『ねえねえ うどん たべにいかん』『えー うどんと』『なーん らーめんが よかと』『ま よかかー うどんで よかよ どこいくと うえすとと』
「ねえ、うどん食べに行かない?」「ええ、うどんなの」「なーに、ラーメンの方がいいの?」「ま、いいか。うどんでいいわ。どこへ食べにいくの?ウエスト?」
この件は何度か「博多らくがき帖」の方でも書いたことあると思うとですが、コッチで一まとめしときましょう。

◆本日のキーワード◆
【~と】~するの!~するの?~するの?!断定・疑問・反語の意味をもつ助詞。それぞれの違いは単純明解博多弁事典の「~ト」の項目の方で参照しちゃんしゃい。
「うどんと?」「ウエストと?」やらいうとは若い人を中心にした最近の表現ですたいね。自分たちあたりから上の世代はほとんど使わんですが、これはこれで博多弁やなかろうかて思うとります。「名詞にトやらつけるやら博多弁やなか」と憤慨したり否定的な意見もよー見聞きするとですが、昔からの博多弁「~と」に由来した、またその変形やけん認めても良かとやないですかね。ここがおなし新方言でも素性の知れん「バリ~」「ちかっぱ~」とは違うとこやろて考えとーとこです。
【博多うどん】博多ん年寄りにゃ「はかたうろん」ていう延びた(^^;発音しんしゃる人もおんしゃるです。お櫛田さんさん近くの「かろのうろんや」が有名かかな。
自分はどっちかていうとラーメン派ばってん、それでも学生時代は「因幡うどん」「英ちゃんうどん」「みやけうどん」あたりはよー食べさせてもろーたです。ただ「牧のうどん」やら讃岐風の固いしこしこ麺の存在を知ってから、博多の柔(やわ)うどんは食べる気のせんごとなってしもーたです。ラーメンはヤワ頼むクセしてくさ。
え~、ちなみに、地もんやなか他所ん人は、博多のうどん屋でトッピング注文するとき、ちゃーんと確認しとかんと予想外のもんが上に乗っかってくるけんですね、注意しとってくださいよ。とくに「天ぷら類」をオーダーするときね。

はい。本日はこれ。これが「ウエストと」

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2005年12月15日 (木)

やん

新博多弁?シリーズその壱。やん。
『おしょうがつに たませせりていう おまつりの あるやん いっしょに いってみらん』
「お正月に[玉せせり]というお祭があるじゃない。一緒に行ってみない?」

新しかシリーズばはじめました。なりかけ博多弁・新米博多弁・本物?にせもの?怪しい(^^;博多弁なんぞを見つけて、いつものように「へっぱく」こいていこうかと思うとります。これまたよろしゅうにね~。

◆本日のキーワード◆
【やん】だろ。だよ。~じゃないか。
え~、実はこの「やん」。[web博多んもん]開設当初から「やんは博多弁やろ?!」という指摘を受けとりました。それに対して、あまりに関西弁臭の強かとと、自分が使わんもんやけん「違うっちゃなかですか」て答えてきとりましたが、これはどうも間違いやったごたるです。
「福岡県のことば:明治書院(もっとも権威的な方言研究書の福岡県版)」に、「~ばい」などの文末助詞が急速に衰えて「やん・やが」などが優勢になっている・・・という一文があるところをみると、「やん」はやはり関西弁の影響を受けて使われはじめたものの、すでに若者語・新方言の段階を通り越して定着した博多弁として定義してあるごたります。
ただし、北九州(博多でもチラホラ)あたりでよく聞かれる関西弁そのものの「~やんか」については触れられとりません。北九弁は博多弁にくらべて「やん・やんか」の使用率が高かっちゃなかですかね。筑後弁は「やんね・やんの」かいなね。
【やんか】だろ・だよの関西弁。博多弁の「~くさ・~たい」などの文末語とおなじく他地方人には耳に残りやすい表現のひとつやなかですかね。むかし「やんけ~やんけ~そやんけ我~(河内のおっさんの唄)」なんて言い回しがあるとを知ってあ然とした記憶がありますばい。
【玉せせり】正月三日の筥崎宮の勇壮な祭。本通りの末社玉取恵比寿社から本殿までの間を、もともとは箱崎の漁師と馬出の農民が玉を奪いとりあいながら奉納し豊作豊漁を祈願したというもの。

さて、ここから、「やん」についての[web博多んもん]的考察(^^;。ひとつ例文ばあげますばい。
『正月は玉せせりば見にいくとやん。そやけん三日の日は遊ばれん(正月は玉せせり見にいくんだよ。だから三日は遊べないよ)』て言わんですか。また『ここのラーメンはうまかとやんね。他所んとな食われん』ても言うでっしょう?
【~とやん】「うまかっちゃん」「するっちゃん」の「ちゃん」の原型。
この「やん」も関西弁の影響て思わっしゃるですか。自分はそうやなかと思うとですたいね。まぁこれは関西弁の影響ていうより、もともと博多弁にも「やん」の要素があったっちゃなかろうかて推理しよるとです。もひとつへっぱく言うたら、「玉せせりのあるやん」は「玉せせりのあるやなかね」の簡略形とも考えられんですか。
ふふふ。ここんとこの考察は、どっかに関西風味語を博多弁として認めとーなかていう深層心理(^^;がはたらきよるとかも知らんですね。言い訳やん?

さーて、今日は長くなりました。
ネタ画像は金やん 兄やん やんやんでぼちぼち〆るやんね。

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