あすんもんシリーズ

2013年6月10日 (月)

さんぎょうし

あすんもんシリーズその十二。さんぎょうし。
『じいちゃん いまごろんこに さんぎょうしやら いうたっちゃ なんかわからんめえね それどこか たけうまにも のったこと ないっちゃないかいな』「爺ちゃん、今どきの子どもに(さんぎょうし)なんて言っても、なにがなんだかわからないだろうね。それどころか竹馬にも乗ったことないんじゃないかしらん」

【さんぎょうし】竹馬。たまに乗ってる子も見ますばってんが、その竹馬が竹馬ならぬプラッチック馬やったりします。なんか味気なかですね。ちっと山ん中に入って折れ朽ちた細竹でも拾ーてくりゃ、すぐに出来ろうにですね。ま、これも今どきの人には無理な話やろかな。自分はいわゆる団塊の世代ばってんが、「さんぎょうし」は理解できても実際には使ーたことはなかですね。つまり竹馬世代。つまり消滅寸前語ですね。

というわけで、「消滅寸前博多弁事典」の方に収録して、その語源は「さんぎょうし=鷺足(さぎあし)」などと書いてはいたんですが、今回その鷺足の絵を見つけたので、あらためて書き直している次第です。以下、図と語義説明は日本国語大辞典から。

Sangyosi

まさしく、これは「ホッピング」でありますね。
続いて、この「鷺足(さぎあし)」の語義語源などをつらつらと。

【鷺足】
1:(鷺が湿地などで足を高く上げて歩くように)足を上げて静かに歩くこと。ぬきあし
2:田楽舞の道具の一種。一本の棒の上と中ほどに横木のあるもの。上の横木を両手で持ち、中の横木に乗って演ずる。またその演技、舞をいう。
3:子どもの遊び道具の一種。竹馬のこと。さぎゃあし・さぎょうしのこと。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2013年3月12日 (火)

ゴム掘り

あすんもんシリーズその十一。ゴム掘り。
『ごむほりな なんぼんだしから はじみょうか あぶらむしな いっぽんだしで まけちゃっとこかね』「ゴム掘り遊びは何本出しから始めようかな。半人前は一本出しにおまけしてあげようか」

【ゴム掘り】小さな砂山をつくり、その中に輪ゴムを埋め、参加者が順番に針金やお箸を突っ込んで掘り出す子供の遊び。昭和の遊び。・・・と書いたらわかるやろと思うとったら、同世代の博多んもんでも知らんとがおったとには驚きましたばい。先に写真を載せときますか。こげな感じで遊びよりました。もしかすると「ゴム取り」て言いよったとこもあるかもです。

Gomuhori

【何本出し】輪ゴムを参加者がそれぞれ「何本・いくつ」ずつ出しあってゲームを始めるかという基本的ルール。早い話が参加料ですたいね。なんとなく「輪ゴムを一本」と数えるのも違和感ありですばって、それ以外に言いようがなかごともあります。

【あぶらむし】油虫・ごっかぶりのことですが、ここでは一人前扱いされんチビたちのこと。共通語では「みそっこ・みそっかす」。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年2月26日 (火)

釘さし

あすんもんシリーズその十。釘さし。
『くぎさしして あそんじゃるけん おもちゃばこから くぎば なんぼんか もってきてんやい』「釘さしして遊んでやるから、おもちゃ箱から釘を何本か持ってこいよ」

覚えちゃりますか?!釘さしごう。釘さしごっこ。久しぶりの「遊びもん」シリーズとなりました。

【釘さし】釘をかったりごうし(交互に)地面に投げ刺して遊ぶ陣取りゲーム。よーとはっきりしたルールは覚えとりませんが、たしかこげな感じやったですかね。

Kugisasi

青釘先攻赤釘後攻で、釘が地面に刺さらんと罰で一回飛び抜かし(パス)。この場合は青の陣地(青線を切って)をくぐり抜けられずに負け。

いま、こげな遊びしょうしたっちゃ、そもそも地面が(もしかしたら釘も)なかし、それにたぶん親が危なかけん「しんしゃんな」でしょうね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年1月10日 (日)

博多おきあげ

あすんもんシリーズその九。博多おきあげ。
『ばばしゃんな ひまさえありゃ なんか ぬいよんなったが まごたちも だいぶ おきあげ つくって もろーとっちゃ なかろうか』「おばあさんは時間さえあれば何か縫っていらしたけれど、孫たちもずいぶん押し絵を作ってもらったんじゃないかしら」

よりそうごまが男ん子なら、女ん子は羽子板ですたいね。

Okiage01_2

【博多おきあげ】押し絵、押し絵羽子板のこと。辞書的にいうたら、花鳥・人物などの形を厚紙で製し、これを美しい布でくるみ、中に綿をつめて高低をつけ、板などに貼りつけたもの(広辞苑)羽子板・壁飾りなどにする。押し絵細工(大辞林)とあります。
裁縫仕事が女のたしなみやった時代(今は望むべきもないことですたいね~)には、娘に伝える手遊び(技術)のひとつやったとかもしれんですね。うちの母親は裁縫箱のまわりを「おきあげ」で飾っとったごたります。娘(自分の姉)には裁縫そのもんは伝わっとりますが、おきあげは習っとらんらしかです。
厳密に「おきあげ」語意説明をしときます。
【おきあげ】絵の具や胡粉(ゴフン)を盛り上げて,絵・蒔絵(マキエ)・彫刻などの模様を地より高くすること。また,そのもの。「おきあげ人形」(広辞苑)

写真は博多おきあげの伝承者、清水清子さんの作品展から(撮影許可いただいています)。

Okiage03_2

Okiage02_2

この「十日恵比須」の元絵は西島伊三雄さんのごたーです。やっぱ楽しか絵ですたいね~。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2010年1月 4日 (月)

よりそ

あすんもんシリーズその八。よりそ。
『おまえの こまの まわらんとな よりその まきかたの わるかっちゃなかや しかーと きつー まかな』「お前のコマがまわらないのは回し紐の巻き方が悪いんじゃないかい。しっかりきつく巻かないと」

これも消滅寸前語でしょうね~。

【よりそ】よりそう・よりしょともいいます。縒り紐のことで、ここではコマまわし用の紐。博多コマのことをそれぞれ「よりそごま・よりそうごま・よりしょうごま」といいよったごたーです。
語源としては「消滅寸前博多弁事典」では縒り緒(よりしょ)としとりました。緒(しょ)=細い糸=糸口ですたいね。ほら、鼻緒とかいうでっしょうが、あれ。
ですが、今回は別の語源説を一発かましときます(^^; 縒り麻(よりそ)説。麻と書いて「そ」と読ませるとですね。広辞苑には麻の古名とあります。つまり縒った麻で麻紐のこと。こっちの方が語源としては正統かもしらんです。

コマ関係のネタは同じ遊びもんシリーズの「いっしょん」の項目http://mistaker.cocolog-nifty.com/heppaku/2005/07/post_a166.htmlんとこにも書いとりますけん、よかったらご参照くだされませ。

Yorisogoma_2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年6月 7日 (水)

もんち!

あすんもんシリーズその七。もんち!

『もーんち じゅーえん ひーろた あとで おとした いうても しらーん』
「俺のもの!10円拾った。後で落としたと言っても知らない」
え~、今日の「もんち!もーんち!」は、ある一枚の写真ば使ーてみたかっただけで、あとはぜ~んぶ「単純明解博多弁事典」からの使いまわしですたい。

◆本日のキーワード◆
【もんち・もーんち】
「俺んと。誰にもやらん。つばつけた」という意味の、めっけもん・拾い物の所有宣言をするための博多弁ですたいね。子どもんときな、地面に落ちとるもんな、ランチンでん釘でんなんでんかんでん、足で踏んづけて「もーんち!」て言いよりました。めったに10円玉やらは拾わんやったです。
語源はこれはまた難しくてですね、いろいろ調べよるとですがはっきりせんです。
1.拾い物勝ち。
2.悶着なし。
3.門打ち(もんうち):門を閉めること。閉めて確保宣言。
4.門内(もんうち):縄張り
5.門地(もんち):門閥。閥(仲間)意識。
6.「拾い物だ」の「だ」の、たんなる「ち」への変転。「ひろいものち」
7.めっけもんという言葉があります。たまたま見つけたもの・偶然得た幸運・・・という意味ですが、このめっけもんを「目付重宝」ともいいます(日本国語大辞典)。この「目付重宝」から類推して「拾い物重宝」が「物重宝」、さらに約転して「もんち」。
以上、考えりゃ考えるほど悶々としてくるとです。

はい、では、どうしても使ーてみたかったていう写真はコレ。
もーんち!

If0605

もろーたカリカリご飯ば足で押さえて、俺んと!誰にもやらん!て言いよります。

| | コメント (13) | トラックバック (1)

2006年2月28日 (火)

ごー

あすんもんシリーズその六。ごー。
『なー こどもんころな なにごー して あすびよったな おにごーの ほかな なんがあるな しょうべんまりごうーやら しよったな』
「ねえ、子どものころは何ごっこして遊んでいたかい。鬼ごっこのほかに何かあるかい。小便かけごっことかしてたかい」

◆本日のキーワード◆
【ごー】ごっこのこと。元々は物事のまねをして一緒に遊ぶことをいう。今の時代では接尾語として「何々遊び」の後について、子供の遊びの種類を表わしとるごたります。
【まる:放る】大小便をすること。排泄すること。ひること。子供用の便器の「おまる」もこの「放る」から。由緒ただしき雅な言葉やけんですね、皆してお使いになるように。
【小便まりごー】チンチンを出したまんま、歩き、走り回りながらする、小便の引っかけごっこの事ですたいね。単純明解博多弁事典の「放る」の項目んとこに、ちーとこの「ごっこ」ば書いとったら、そげな下品な「ごっこ」やらしたことなかばい・・・て一部から言われてしもーたばってん、しよったっちゃけんションなかもんね。最後にこの「しょうべんまりごー」も歴史的事実であることば証明して、手ば洗いー行ってこー。

yubari01

博多の名僧・仙涯(がいの字は本当はサンズイなし)さんの「ゆばり合戦」ていう禅画ですたい。「ふくおか歴史散歩:福岡市発行」から転載しとります。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2005年10月14日 (金)

あぶらむし

子どものあすんもん(遊びもの)シリーズ その五。あぶらむし。
『おとうとがくさ おたすけに かたりたかて いいよるとばってん あぶらむしで かたしてよかな』
「弟がおたすけ鬼に入りたいと言ってるんだけど、みそっかすで仲間に加えていいかな」

油虫。遊び用語ということで「あすんもんシリーズ」に入れさせてもろーときました。油虫はもちろんゴキブリのことですばってん、博多弁になるとぜ~んぜん意味の違ーてくるとです。

◆本日のキーワード◆
【あぶらむし】共通語でみそっかす。(子供の)遊びの中で一人前にあつかわれない子供。鬼にならなくて良いなどの特別ルールが適用される子供たちのことをいうとです。国語辞典などでもなかなかピリッとした語義説明がされとりません。員数外の子。半人前。方言にはその方言でしか表現されん言葉があるとですが、この油虫はそのうちの代表的なひとつかもしらんですね。
日本国語大辞典の項目には「人につきまとい危害をくわえ無銭飲食遊業などの常習者」「遊里などの冷やかし客」などとあります。ひとつとして良い意味のなかですね。また昔の博多(たぶん消滅語やろね)では「高もん(興行)無銭入場者」ていう意味もあったごたります。このいくつかの古語での意味が今の博多弁の意味につながってきとるとでしょうね。
【おたすけ】お助け鬼。博多の鬼ごう(鬼ごっこ)のひとつ。逃げた子を一人ずつ捕まえて一ヶ所に数珠つなぎにしておき全員捕まえるまで鬼交代はしないルール。鬼の隙をみて捕まった子と(お助け~と叫びながら)タッチできれば再び逃げられるという遊び。長ったらしい説明ですんまっせん(^^;。
【かたる・かたする・かてる】仲間に入る・仲間に入れること。加わること。もともとは混ぜる混ぜ合わせるという意味で「糅(かて)る」という難しい字を書くごたります。「糅てて加えて」という慣用句もありますですね。

今日のネタサイトはこちら。羽根をとったらあぶら虫(^^;。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2005年7月21日 (木)

いっこん

子どものあすんもん(遊びもの)シリーズ どんがめ編。
「てまりやら せんでくさ どんがめに かたらんや」
『手まりなんかしないでさ、どんがめ遊びに入らないか』

◆本日のキーワード◆
【どんがめ】ドンガメがどげな球戯か説明しときまっしょうね。最後のお決まり絵ば見てもろーたら思いだすっちゃなかですか。地面に漢字の田の字を書き、勝負場所をつくります。田の字の十の字になったとこば中心にして、もう一つ四角を書くとね。つまり菱形の田の字ができます。ここがダゴ(失敗・エラー)ゾーンになるとです。こうしてできた4つのマスに参加者それぞれが入り、ダゴにボールが入らんごと、互いのマスにボールを突きあう遊びですたいね。ビリから、イッコン・ニコン・旗持ち(サンコン)・大将(ヨンコン)と呼んでいたようです。
この「どんがめ」は自分ちの近くだけで通用する遊び名のごたって、他所ではどんさい・インサイ・王様乞食・1234・田の字・・・・などなど。いろいろあるっちゃけど、どうもそれぞれ地方名で共通語らしき遊戯名がみつからんやったです。
【イッコン】こままわしんときの序列の最下位は「いっしょん」やったですが、どんがめでは「いっこん」て言いよりました。イッコン・ニコンのコンは一喉二喉と書くごとあります。何やら昔の魚の数え方げなです・・・と「単純明解博多弁事典」には書いたとですが、最近思いついた「こん」の語源説。
遊び場・勝負場所が亀の甲に似とらんですか。そこから一甲二甲とか(^^;。こげん考えると「どんがめ=泥亀」という遊び名も納得できるごたー気もせんこともなかですね。何の学術的根拠もなか当てっぽすばってんですね。
【かたす・かたる】仲間に入れる・仲間に加わること。ちょっとわかりにくい博多弁かもしれんですが、加ててと書くと意味がわかりやすかかな。混ぜるという意味で[糅てる]という難しい字があり、これが語源やなかでしょうか。

dongame

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2005年7月16日 (土)

いっしょん

子どものあすんもん(遊びもの)シリーズ こままわし編 その弐。
「いっしょんたくりに なげて いっちゃん まわりきらんとが いっしょんばい」「そら ちがうかろ しょんべんながれが どべくさ」「ああそうたいね そんなら てのせあり よりそたたきありで はじめろーかね」
『一緒に投げ回して、いちばん回らないのがビリだよ』『それは違うだろう。回らずに転がっていったのがビリに決まってる』『ああそうだね。じゃ手乗せ技やこま紐叩き技ルールではじめよう』
わざことんごと、ややこしか博多弁例文をつくってみたばってん、どげんですか。ちゃんと意味わかるかいなね。

◆本日のキーワード◆
【いっしょんたくり】一緒くたのこと。たくりは手繰る(まとめて・連続しての意)。
【いっちゃん】一番。いちばんの発音が変化したとでしょうが、一銭(最初で最小の単位)からちゃ考えられんやろか。
【いっしょん】こま回しの序列でビリのこと。語源は?ですたい。ビリに一将二将とかつけんやろけんですね~。
【しょんべんながれ】小便流れ。こまが回らずに転がり、勝負場所から流れ出ていくことからの、きちゃなか(^^;例え。上記のいっしょんは、もしかして「一番最下位小便」の略?
【どべ】ビリ・最下位のこと。語源は鈍重の鈍・どん尻あたりか。博多弁で泥の意。泥泥でどべどべ。状況的には鈍重にならざるを得ないが・・・。
【よりそ・よりそう】縒・撚り緒。こま紐のこと。諸は糸や紐など細長いものの総称。諸が撚られて一緒・・・で、最初のキーワードの【いっしょんたくり】(^^;に戻る。振り出しすごろくしてるんやないぞ>自分。

yorisou

寄り添って一緒

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧