未収録語シリーズ

2019年9月16日 (月)

わやく

未収録語シリーズ四百五十九。わやく。

『しぇんしぇいの みゆるげなやが わるそうが なんか えずー わやくでん したつか』『うちも そげん しんぱい したっちゃけど ただの かていほうもんげな』「先生が来られるらしいが悪ガキがひどいいたずらでもしたのかい」「私もそうかと心配したんだけれど、いつもの家庭訪問だって」

【わやく】聞き分けのないこと。いたずら。わんぱく。枉惑《おうわく》という言葉が変化してきたものらしいですが、いまではもぅ消滅語っぽいですね。ただ「わや」「わやくちゃ」とは今でも使います。そういや「しぇんしぇい」という発音もこのごろは聞きませんね。

【えずい】ひどい。きびしい。

最近の家庭訪問がどげなもんか、身内にふたり先生が居るので、今度聞き取りしときます。

 

写真は関係なかですが、たまたま「昼休みやらにこげな遊びしよったなー」ということで一枚。

Gomhori

 

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2019年9月 9日 (月)

ふうたらぬるい

未収録語シリーズ四百五十八。ふうたらぬるい。

『まなつんごとは なかばって まーだ ふーたらぬるか へんか かぜの ふきよるな はよー すずしかかぜに ならんやろか』「真夏のようではないけれど、まだ変に生温かい風が吹いているね。早く涼しい風にならないものかね」

【ふうたらぬるい】生ぬるい、生あたたかい、はっきりしない風や気候のこと。

八女出身の人と話しよったら、途中でどうも話が噛み合わんけん、なしてかいな?と思っていたら、どうも、博多弁の、動きがのろい・ぐずぐずとはっきりしない態度をいう「ふーたんぬるい」を気候や温度の意味で使いよったとですね。「ふうたらぬるい」「ほーたらぬっか」「ほほらぬっか」といくつかの表現があるようで、はじめて知ることばかしで勉強になりました。

それと、自分は「風体がぬるい」て理解しとったとですが、「ほほら」「ふーたら」は「ぼんやりとした」意味の接頭語らしかです。

写真は大濠公園の朝焼け。ちっとは歩きやすくなりましたが、風のない日はやはりまだ汗をかきます。

Asayake00

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2019年8月19日 (月)

ねぶれる

未収録語シリーズ四百五十七。ねぶれる。

『かまんはの えらい ねぶれとるけん となりの おいちゃんとこい いって といで もろーてきない』「鎌の刃がなまっているから隣りのおじさんとこに行って研いでもらっておいで」

【ねぶれる】刃物の刃が鈍《にぶ》くなって切れないこと。なまくら《鈍ら》。

まぁ「鈍《にぶ》る」の訛りと考えるとが普通でしょうが、「考えがあまい」「他人をあまくみる」「みくびる」の「なめる=ねぶる」の意味が多少含まれとるような気もしますね。

包丁好き刃物好きやけん、たまにこげんして研ぎよります。

Aritsugu_20190818025401

先週分の「抜く・抜かす・踏み抜く」みたいな記事を書いとったとですが、どっかに飛んでいってしもうとります。投稿予約したつもりが、消去してしもうとるごたります。改めて書き直します。

 

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2019年8月 5日 (月)

じげ・じげもん

未収録語シリーズ四百五十六。じげもん。

『じもとの にんげんばくさ じげやら じげもんて いおうが この じげちゃ もともと どげな いみ かいな』「地元の人間をね"じげ"とか"じげもん"というだろう。この"じげ"とはもともとどういう意味なんだろうね」

【じげ・じげもん】地下人。宮廷に仕える者以外の人々の総称。一般農民や庶民をさす(大辞林)。いつも引っ張り出してくる「日葡辞書(九州方言→ポルトガル語対訳辞書:1603年」の方が意味の通じやすいけん追加しときますGique.giguenin=町や村の土着の人、またはそこの住人。

平戸に魚釣りに行ったときに「じげもん市場」というのがあり、これは地元民というよか、地元産直品という意味の方が強いっちゃろな・・・それなら、もひとつ、土着人土着物の他に、自家用、自家用品の"自家《じげ》"という語源説もあるかもしらんと思いついたわけです。まぁ辞書的には問題にならん発想ですばってんね。

Suginoya_beer

こういう"じげもん"の季節になりました。西区元岡の"杉能舎"の地ビール。

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2019年7月29日 (月)

たつ

未収録語シリーズ四百五十五。たつ。

『にさんちまえから ゆびさきの ひりひりするて おもうとったら とげの たっとったとやね きくずん さきの かお だしとるもん』「二三日前から指先がずっと痛いと思っていたら、トゲが刺さっていたんだね。木屑の先が顔をだしているよ」

【たつ】小さな木片などが体に刺さること。傷みから数日してやっとトゲが刺さっていることに気づくことのありますね。身体が異物を排出する力というもんを感じるときです。

で、「立つ」にほんとにそんなトゲが刺さるような意味があるか辞書を調べてみましたら、いつもの「日葡辞書(九州方言→ポルトガル語対訳辞書:1603年」に、Fariuo tatçuru(鍼を立つる)とありました。鍼灸の鍼ですね。へえ~。

さて、このハリもやっぱし「立っとる」というとでしょうかね。釣りの仕掛けつくりよって自分の指にぶすり!

Hooked

 

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2019年7月22日 (月)

くさいろ

未収録語シリーズ四百五十四。くさいろ。

『かまきっちょな ふつうな くさいろ ばって たまーにゃ きんなかとの おるげなばい』「かまきりは普通は緑色だけれど、たまに黄色いのがいるらしいよ」

【くさいろ】草色で緑色のこと。わかりやすか方言ですたいね。

【きんなか】黄色の、「黄色い」がカ語尾したもの。博多では黄色と書いて《きないろ》を読む人もおります。

では、まずは普通の草色のカマキッチョ。自製手製でございます。

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次に、その黄色のやつ。 

まぁ、緑色から黄色への変化は野菜でも普通にあるこっちゃけん、特別には珍しかことでもなかとでしょうが、実際にはなかなか目にすることがなかとかもしらんですね。

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2019年7月15日 (月)

かつれご・かつれ。

未収録語シリーズ四百五十三。かつれご。かつれ。

『あーたたちな なして そげん たべかたの きちゃなかとかいな いっぺん ちゃーんと かつれごの はなしば きかしちゃろうかね』「あなたたちはどうしてそんなに食事の仕方が汚いのかしらね。一度しっかり飢えた子たちの話を聞かせてあげようかね」

【かつれご】飢えた子と人。食事が普通に取れない子と人のこと。餓《かつ》える・飢《かつ》えるの訛り。

飢えた子たちの話というのは大昔の話です。享保の大飢饉のときに、餓えた人々がいろんな場所から、炊き出しの行われていた博多まで、一人では行き倒れの恐れがあるため、皆で「つんなんごう つんなんごう 博多の町まで つんなんごう」と歌いながら歩いて行ったげなです。このときの餓死者を供養する「飢人地蔵」が川端や千代町などに建てられとります。 写真は川端んとです。

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2019年7月 8日 (月)

あばかん

未収録語シリーズ四百五十二。あばかん。

『おだはまい きすつり いってったが あばかんとまでは いかんばって たいがい つれたばい』「小田浜にキス釣りに行って来たけど、(クーラーボックスに)入りきれないほどではないけれどけっこう釣れたよ」

【あばかん】かなり。多いこと。収容しきれない、入りけれないほど多い。「あばく」で入る、入り切る。収納できる。語源は余ってこぼれる意味の溢《あふ》れる・溢《あぶ》れる・・・あたりでしょうか。数が多いの数多《あまた》っていうのもあります。

今年のキス釣りは好調好釣です。

Syoumohin

ちょっと関係なかとですが、最近よく見かけるこの外来種の「アガパンサス」という花。

キス釣りの浜辺に咲いとったせいもあるとか、名前を「アバカンサス」と間違って覚えとりました。世の中にはけっこう慌て者も多いごたって、アバカンサスで検索してもけっこうヒットします。

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2019年7月 1日 (月)

からう かるう かろう

未収録語シリーズ四百五十一。からう かるう かろう

『まごの らんろせるば たのんどったら もうとどいたやね はよー かるわせてみたかな』「孫のランドセルを注文していたらもう届いたよ。はやく背負わせてみたいね」

なんでかしらんですが、ランドセル商戦は入学式の終わったら、すぐ来年用がはじまるげなですね。馴染みのありすぎる博多弁で、いまさらですばって新しい発見のあったけん書き加え。

【からう・かるう・かろう】背負う。しょう。背にのせる。語源説としては「かつぐ、かたぐ、かたげる」あたりやないかとは思うとです。あとまた、背負う《せおう》がアリなら、荷負う《かおう》も候補に入れるのもアリではないかと。

いつもの「日葡辞書(九州方言→ポルトガル語対訳辞書:1603年」にも、Carui,Caruu、Carutaで物を背負うとあります。これもたいがい古くて歴史のある方言ですたいね。

はい、では、こげなと。自作のペーパークラフト。紙細工です。

 

 

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2019年6月24日 (月)

つくりあがり

未収録語シリーズ四百五十。つくりあがり。

『もぅ つくりあがりの かまもちやら つくりきんなるひとな だーれも おらんっちゃなかろうか』「もう田植え休みの鎌餅なんてつくれる人はもう誰もいないんじゃないかな」

博多はもともと商人の町というともあるとか、あんましこうした農家方言を聞くことはなかとですが、それは街中だけのことで周辺部にゃしこたま面白か方言が残っとります。

【つくりあがり】田つくりあがり。田植えあがり。田植え後の骨休め&小宴期間。行事的にも「さなぼり」と重複することの多かごたりますね。

【鎌餅】さなぼりや鎌上げ(稲刈り終了)のときのご馳走にする「ぼた餅」のこと(新修志摩町史)

写真は京都の「大黒屋鎌餅本舗」で買ーた本物の鎌餅。ちゃんと稲刈りの絵が描いちゃりますね。

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