未収録語シリーズ

2018年9月17日 (月)

ぶるぶる

未収録語シリーズ四百十七。ぶるぶる。
『ことしんなつな たいがい あせぶるぶる やったが やっとこさで ちーと すごしよーなったな』「今年の夏はずいぶんと汗だくだくの(夏)だったけど、ようやく少しは過ごしやすくなったね」

【ぶるぶる】ひどく汗をかいている状態。「汗ぶるぶる」「ぶるぶる汗をかく」といったように、汗とだけ組み合わせて使う用語。

実は9月4日の西日本新聞の春秋欄に「筑後弁での表現か」とあったとですが、「そういや自分も使うな」ということで初めて気づいた次第。
ただし筑後弁を網羅したと思われる大著「筑後方言辞典(松田康夫:久留米郷土史研究会)」には収録がなく、博多弁含めて手持ちの文献資料には見当たらない言葉でもあります。
方言として地域的なものか、あるいは全国的なものかもはっきりせんし、由来や語源もよーわからんとですよね。なにか心当たりがある方がいらっしゃいましたらご教示よろしくお願いいたしますです。

ぶるぶる汗んときの汗流しはやっぱコレ。

Booties06

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2018年9月10日 (月)

こんまい

未収録語シリーズ四百十六。こんまい。
『ありゃ ばあちゃん また こんもうなっとらせんね ごはん ちゃんと たべようとね』「あれ、おばあちゃん。また小さくなってないかな。ご飯をちゃんと食べてるの」

歳とってくりゃ、ばあちゃんだけやないで、みんな縮んでくるとですたいね。自分も176cmあったとですが、こん前(こんまいじゃなかよ)健康診断で174cmて言われてショック・・・というのはともかく・・・。こんまい。

【こんまい】小さいこと。細《こま》かいこと。漢字で書くと細《こん》まい。「細《こん》まか」とカ語尾化も当然ですたいね。また「小さい」を使うときの方言的用法としは「ちんまい」「ちんまか」。

おまけ写真を一枚。こんまかときの自分です。

Atesyan


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2018年8月27日 (月)

練塀町

未収録語シリーズ四百十五。練塀町。
『なーなー はかたべいの あるとな えきから ちよまちんあいだの おてらさんやが なして ろっぽんまつへんを ねりべいちょうて いうとかいな』「ねえねえ、博多塀があるところは(博多)駅から千代町の間のお寺さんだけど、どうして六本松あたりを練塀町といったんだろうね」

と、いうわけで、最初にその練塀町の位置をチンチン電車の路線図をご覧くだされ。

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【練塀】練塀は瓦と練り土を混ぜてつくる土塀のこと。寺社は当然に特権階級で土塀。博多では(戦乱時代に生じた割れ瓦を使ったという、いわゆる通称)博多塀。
【練塀町《ねりべいちょう》】。練塀町は黒田藩の上級武士が住んだ屋敷街。したがって、こちらも土塀。下級武士(=ちんちくどん)はそのあだ名の由来となった「ちんちく(錦竹)塀」の住まいだったというわけです。

それぞれの写真を載せときましょう。崇福寺の博多塀。今はもうこの面影はなかです。

Sofukuzi

ちんちく塀。

Chinchikubei

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2018年8月20日 (月)

あばかん

未収録語シリーズ四百十四。あばかん。
『しょうけい あばかんごつ みかんば もろーとります』
「しょうけに入りきれないくらいみかんを貰いましたよ」

これもほとんど消滅語のごたりますが、たまたま辞書読みしよって、ちょっと語源的に勘違いしとったので新規に書き直しよります。

【あばかん】たくさん。おさまりきれないくらいに、余る・あふれる。
この方言も例の「日葡辞書(九州方言→ポルトガル語対訳辞書:1603年刊)」の最初の一ページに、Cono ninjuga cono zaxiqini abacanu(この人数がこの座敷にあばかぬ=座敷に入りきれない)と収録されていました。

写真は蜜柑ならぬ自家製ポン酢をつくるための橙。

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2018年8月13日 (月)

汗ぬぐい・汗はじき・汗ながし

未収録語シリーズ四百十四。汗***。
『なあなあ たいがい あつーて おおあせかいたけん ちっと あせながしに いかんな』『なんな せんとうな』『うんにゃ こんびるの おくじょう』『あ あせぬぐいの びーるな そんなら ちかの すずしかとこで あせはじきしょう』「ねえ暑くて大汗かいたから汗流しに行かないかい」「なに、銭湯?」「いや、このビルの屋上」「なんだ、汗拭いのビールかい。じゃ地下の涼しいところで汗はじきしようよ」

長ったらしゅうてすんまっせん。やっぱなんていうても「汗引っ込め」はビールですたいね。

【汗ぬぐい・汗はじき・汗流し】すべてビールの代名詞?!これ以上の説明はいらんごたりますね。で、実は、「あせはじき」については、同名の実際に「汗をかかないための肌着」があるとです。「明治博多往来図会(祝部至善画文集:西日本文化協会編:石風社)」にイラストと同時に以下のような説明があります。
【あせはじき】細き竹くだを亀甲に組んだ肌着代用。材質は違いますがこんな感じ。

昔は天神ビル屋上のビアガーデンや地下のキリンパブによく通ったもんですが、最近は博多駅前KITTE館の「銀座ライオン」が多かです。

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2018年8月 6日 (月)

手利き

未収録語シリーズ四百十三。手利き。
『あん しゃかんさんな ほやーと はなしなるが しごとさせりゃ たいがいの てききげなばい』「あの左官さんはのんびりと話されるけれど、仕事をさせれば相当の腕前らしいよ」

【手利き《てぎき・てきき》】手が利くこと。一流の腕前技量があること。似た言葉に「こうしゃもん(巧者者)」
【ほや】うすぼんやり。締りがなく「ぼー」っとしている状態。昔の電球(やガス灯)がうすぼんやりとしか光らなかったことから来た表現。今風の言い方やと「ぽやーん」。

写真は孫(小学一年生)の折り紙。なかなかの手利きでしょ・・・と孫自慢ご容赦。

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Kamiwaza01

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2018年7月30日 (月)

大博**

未収録語シリーズ四百十二。大博**。
『なあなあ たいはくどおりが なして あげな なまえの ついたか しっとうな』『そら たいはくげいじょう からたい』『んなら たいはくげいじょうの たいはくちゃ なんな』『うーん』
「ねえ、大博通りはどうしてあんな名前になったか知ってるかい」「昔あった大博劇場からだろ」「じゃ、大博劇場の大博とはなんだい」「うーん・・・」

【大博**】元々は大博劇場が大阪と博多の二つの資本で劇場が建てられることになったのが命名の由来げなです。今やと大博通りや大博町、あとは地元の企業名などに使われとります。自分は博多部が太閤さん(豊臣秀吉)の「町割り」によって整備されたけんその名残り・・・と思うとりました。当てっぽすの大間違いやったです。

こうした逸話をはじめ、劇場の成り立ちや運営の裏話などがこの「芝居小屋から(武田政子著:狩野啓子・岩井眞實編:海鳥社刊)」という博多本に満載です。

Sibaigoyakara

ネットでのお友だち(著者のお身内)から紹介いただいた書籍ですが、とても面白く読ませてもらいよります。なかでも本文中にでてくる博多弁(会話文)が折り目正しく、(にもかかわらず)博多仁和加を思わせるような、自然と口元が緩んでしまうユーモアにあふれています。感心しまくりの読み物です。オススメオススメ。

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2018年7月23日 (月)

さびくれる

未収録語シリーズ四百十一。さびくれる。
『にしじんも ぷらりばの のーなって たいがい さびくれとるばって あとちに おおきか ビル たつげなけん ちったー もりかえすかもしらんな』「西新もプラリバ(旧西新岩田屋)がなくなって相当寂れきってしまったけれど、跡地に大きなビルが建つらしいから少しは盛り返すかもしれないね」

【さびくれる】寂《さび》れる。くれるは暮れるでしょうか。同じお終いの意味で、さびくれあがる、さびくれきるとも言うごたりますね。漢字違いで「錆びる・錆くれる」ていうともあります。「寂くれる」でも「錆くれる」でもどっちでも意味は通じるかもですね。

西新はもう風俗店が増えてしもうたり、リヤカー部隊が何台も減ったりして、いっちょん良か話は聞かんけん、寂れあがる前までに、ショッピングモールやらが入るとよさそうな気はしとります。跡地の開発はこげなふうになるごたります。

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プラリバがなくなって人通りが少なくなり、利益が出んのと後継者不足でリヤカー部隊もさびしかことになっとります。

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2018年7月16日 (月)

はぜつりせっく

未収録語シリーズ四百十。はぜつりせっく。
『ばばさんから はぜつりせっくやけん ぼたもち こーてきないて いわれたっちゃが、なんかいな こら』「婆さまから(はぜつりせっく)だから、ぼた餅買ってきなさいと言われたんだけれど、なんだろう、これは」

【はぜつりせっく(沙魚釣り節句)】節句祝いのひとつで八朔(旧暦八月朔日)のこと。博多部での八朔は子祝(初節句祝い)で青笹に短冊や煎餅やいろいろな玩具などをぶら下げ親戚回りをして配ったげなです(明治博多往来図会:祝部至善:石風社)。
これと同じような行事が糸島市の芥屋に「短冊とり」「風止めまつり」として今も残ってます。

写真は室見川での沙魚釣り。季節的にちょうどよく釣れはじめる頃です。

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2004年9月6日撮影分なんで、まさに八朔のころのです。まぁたいがい古過ぎる写真ばってん・・・。

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2018年7月 9日 (月)

馬かっぷり

未収録語シリーズ四百九。馬かっぷり。
『なーなー こまかころ うまかっぷりして あそびよったろ』『なんな そら わんかっぷおおぜきが うまかとなら しっとるばってん』「ねえねえ、小さい頃、馬かっぷりして遊んでいただろ」「なんだいそれは。ワンカップ大関がうまいことは知っているけど」

【馬かっぷり】広げた手のひらと、親指以外の四本の指で(第一第二関節を折り曲げたまま=馬の歯のつもり)、友達の太ももなどをガブリとつかみ痛めること。

写真の方が話が早かですかね。んならば・・・

Umakappuri

筑後方言辞典(松田康夫:久留米郷土史研究会)を斜め読みしよって、「シシカップカップ=獅子の口歯=獅子舞」という言葉を見つけて思い出したもんです。

ついでのおまけ。小話をひとつ。警察署の取調室で・・・。
「厳罰にしてくださいて、被害届けがでとるが、お前、何ばしたとや?」
「はぁ、それがですたい、電車ん中で、隣に座ったミニスカートの女の子の、きれいか太ももば見よったらですね、つい、ムラムラっと来てですね・・・」
「それで、触ったっていうわけや?!」
「いや、ついつい、馬かっぷり・・・ば」

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