未収録語シリーズ

2018年5月21日 (月)

つば

未収録語シリーズ四百三。つば。
『あーた えらい つばいろん わるかが どげんしたつな あめでん ぬれたつな』
「あなたずいぶんと唇の色が悪いけどどうしたんだい。雨にでも濡れたのかい」

【つば】唇。唾色《つばいろ》で唇の色。もちろん唾《つば・つばき》の意味でも使います。九州独特の表現で「日葡辞書(九州方言→ポルトガル語対訳辞書:1603年刊)」にも「tçuba=唇・下(しも=九州)の語」と収録されとる古い方言。

関連した、なんかよか画像ば探したとですが、見つからんかったんで「こげな」とでご勘弁。お櫛田さんの唇ならぬ嘴写真。

Zyusyokinen12

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2018年5月14日 (月)

なんてろんかんてろん

未収録語シリーズ四百二。
『なんてろん かんてろん えのぐ まぜくりゃ よかちゅうもんじゃ なかろうが まちっと きれいか いろば だしてみんか』「なんでもかんでも絵の具を混ぜればいいというものじゃないだろう。もうすこしきれいな色をだしてみろよ」

【なんてろんかんてろん】なにもかも。なにやかや。あれもこれも。あれやこれや。二つの意味(すべてorひとつひとつ)が含まれとるごたりますね。自分は「なんてろかんてろ」も「なんてろんかんてろん」は両方とも使わんとです。「なんでんかんでん」派ですね。
「てろん」の「ろ」は「ろ?」という疑問や不明の「ろ」ですかね。「なんでんかんでん」と「ろ?」が+された変形のような気がしますが、曖昧。

色や絵の具については、こげなもんがあります。読むだけ見るだけでも面白かですよ。

Iroziten

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2018年5月 7日 (月)

もりびい

未収録語シリーズ四百一。もりびい。
『うちん おなごしな みな こまかとっから うちいきて もりびいから はじめとると』「うちの女中さんたちは みんな小さなときから奉公に来て子守からはじめてるよ」

【もりびい】子守《こもり》娘のこと。「びい」の由来がはっきりせんとですが、いつもの「こじつけ」してみると、守卑?守姫?。
「もりびい」は博多だけの言い回しかと思うとりましたら、志摩町史にも「子守はモーリビーサンという」という一節もありました。

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2018年4月23日 (月)

ちゃんぽん

未収録語シリーズ四百。ちゃんぽん。
『かさ さしたまんま かいだん とびおりたら ちゃんぽん なってしもうた』「傘をさしたまんま階段を飛び降りたら裏返しになってしまったよ」

【ちゃんぽん】傘が風などに煽られて裏返し裏向きに開いた状態。先に図を見てもろーたほうが意味の通じるっちゃなかですかね。

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で、このことはこの「へっぱくBLOG」でも「単純明解博多弁事典」でも何度か書いてきとったとですが、この「ちゃんぽん」がなんで傘の裏返しを意味するとか、その言葉の由来や語源をどうも勘違いしとったごたーもんやけん、もっぺん書き直しよります。

その由来を「ちゃんぽん(話・麺)=混ぜこぜ・ごちゃまぜ・逆さま・あべこべ」あたりから来たと思い込んどったとですが、これはどうも「そのものずばり」の「ビードロ(ちゃんぽん)やビードロを吹く姿形」から来たと考える方が正解やなかかと気づいたとです。こげな姿形からですね。

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さてこの新説・・・どげんでしょうか。

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2018年3月26日 (月)

やまかわじん

未収録語シリーズ三百九十九。やまかわじん。
『あんやつな うえならした みぎならひだり なんちゃいうと はんたいぐっちょの やまかわじんばい』「あいつは上なら下、右なら左。なにかというと、反対ばかりの変わり者だよ」

【やまかわじん:山川人】山といや川という人。文字通りで反対ばかりする人のこと。前々々回の「がち」が擬人化されたごたる表現ですたいね。また前回の「げってん」にも意味が似とります。

ただこの方言は自分は使うとですが、文献的には「筑後方言辞典(松田康夫:久留米郷土研究会」に収録されとるだけで、手持ちのどの博多弁資料にもなかとですよね。誰か筑後(ちっご)のもんから影響受けたとも考えられんけん、ちっと不思議な気がしとります。

写真は山川みかん・・・ではなく糸島産のだいだい。

Daidaisu01

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2018年3月19日 (月)

げってん

未収録語シリーズ三百九十八。げってん。
『おれも たいがい げってんもんて いわるーばってん あいつにゃ げってんまけ するばい』「俺もしょっちゅう偏屈者と言われるけれど、あいつには偏屈負けするよ」

・・・と偏屈同士が偏屈自慢しております。さて、げってん。

【げってん】偏屈《へんくつ》、変わり者。頑固で片意地なこと。言葉の由来は二つほど考えられるようです。
1:邪道で風変わりな者(物)という意味の下手物《げてもの》。
2:仏教の経典や書以外を「外道《げどう》の書=外典《げてん》」という(日本歴史大事典:小学館)ごたります。

写真は面白半分で篠栗新四国八十八箇所を歩き回ったときに集めた外典・・・ならぬ朱印集。

Gosyuincyo

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2018年3月 5日 (月)

がち

未収録語シリーズ三百九十七。がち。
『おまやぁ ほんなごと くちさきばっかし いうことと することな がちもがち しまいにゃ だれも あいてせんごとなるぞ』「お前はほんとに口先ばかり。言うこととすることが反対も反対。そのうち誰も相手しなくなるぞ」

地下鉄の中で前に立った若い人たちの会話「マジ?ガチ?(本当・間違いない?)!」を聞きよって、そういや博多弁にも「がち」があったな~と思い出した次第。

【がち】反対。食い違い。ガチンとモノがぶつかって反発し合うとこから来た言葉でしょうかね。
似たような意味と発音の博多弁もまだいろいろあります。「がちゃぽん」「あちゃぽん」。混ぜこぜになる意味もありますが、傘が強風で裏返し反対を向く「ちゃんぽん」。相手と互角の意味の「がっつりあう」「かちあう」などなど。

写真は適当なもんがなかったけん、こげなと。表といや裏、白といや黒というわけで・・・

Shirokuro_kirishima

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2018年2月12日 (月)

しらげる

未収録語シリーズ三百九十六。しらげる。
『まぁ この ややさん おかおが しらげにしらげたごと つるつる ひかって きれいかこと』「この赤ん坊のお顔は磨いて磨きにかけたようにつるつるに光ってきれいなこと」

【しらげる】精げると書きます。精白。磨くこと。磨いて白くすること。

今回は文章が短くなったけん、関連画像を何枚か載せときます。三割九分まで磨いた酒は相当珍しかです。獺祭。

Dassai01

つぎは粉引き。米粉。

Ishiusu

きな粉

Konahiki

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2018年1月29日 (月)

おごく

未収録語シリーズ三百九十五。おごく。
『おごくの もちな もう ひいて よかばい やいて おやつにでん たべんしゃい』「お供えの餅はもう引き下げていいよ。焼いておやつにして食べなさい」

【おごく】御供え(おそなえ)。御供えの御供で「ごく」と読み、御御供で「おごく」となったとでしょうね。また御供(ごく)を伸ばして「ごくう」と言う人もおんしゃるですね。

先日、ある店で「熨斗《のし》はどうしましょうか」と聞かれたので「おごく用の名前なしで」と言うたら、意味が通じんやったみたいで「えっ?」やったです。若い店員さんやったし、まぁ最近は「初七日」と「お七夜」の区別がつかん人も居るらしかけん仕方のなかことかもしらんですね。

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赤米のだご餅。

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2018年1月22日 (月)

ながてのごい

未収録語シリーズ三百九十四。ながてのごい。
『うちんおやじな さるまた やったが じいさんな いっしょう ながてのごい やったげな』「うちの父親は猿股パンツやったがお爺さんは一生ふんどしだったらしいよ」

【ながてのごい】漢字を当てると長手拭。晒《さらし》の尺の長さで使用目的が変化したとかな。長いと褌《ふんどし》や兵児《へこ》で、短いと手拭やったとのごたります。
また、これが大事かとこですが、《てぬぐい》が訛って手拭《てのごい》に変化したように考えがちですばって、話は逆。古語そのもんの「太乃古比」がタノゴヒ→テノゴイ→テノグイ→テヌグイになったようです(精選日本国語大辞典)。

もひとつ、ついでに「日葡辞書(九州方言→ポルトガル語対訳辞書:1603年刊)」にも、「Tenogoi=テノゴイ(手拭)手や顔を拭うタオル」と収録がありました。

博多じゃ山笠の赤手拭(あかてのごい=役職付の印)でも馴染みのある言葉ですたいね・・・というわけで長手拭(締め込み)のオンパレード。

Sirippeta

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