未収録語シリーズ

2017年7月24日 (月)

おっか・ちっか

未収録語シリーズ三百七十三。おっか。
『おっかばばさんと ちっかばばさんの ふたんで なかよー あるきよんなった』『そげんそげん あっちゃ としよりばばさんの ほうが げんきかごたる』「曾祖母さんと祖母さんが二人で仲良く歩いていらっしゃったよ」「そうそう、あちらのお宅はひいおばあさんの方が元気みたいね」

【おっか・ちっか】大きな、小さな。歳上の、歳下のの意味。おっかばばさんで曾祖母《ひいばあちゃん》。ちっかばばさんで祖母《ばあちゃん》。
【としよりばばさん】「年寄り」を上につけると、「年寄りの方の婆さん」の意味で曾祖母。いろんな表現があって、家族構成をよく知らんとけっこう判別に苦しむことのありますね。もひとつおまけ。こういう表現もあります。
【おっかんちゃん】大きな兄《あん》ちゃん。「ちっかんちゃん」で小さい方の兄。おっか姉《あね・ねえ》ちゃんの方は省略できんで、そんまま「おっかねえちゃん」。

では、おっかさんと、その子のおっか・ちっか姉ちゃんたち。

Oyako

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2017年7月17日 (月)

ながなり

未収録語シリーズ三百七十二。ながなり。
『ちょうないひ もろーて すぐかえるつもりが たいしょうに つかまって えらいまた ながなり きかされてしもうた』「町内会費を貰ってすぐに帰るつもりがご主人につかまってずいぶんと長話を聞かされたよ」

【ながなり】長話。不平不満。へっぱく。減らず口。捨て台詞などなど。地域や人によってけっこういろんな意味と用法があるごたります。「長鳴り」「長く鳴り響くこと」とすれば意味が通じやすかですね。
ただ「捨て台詞」の場合は「(投げ)捨て台詞」のように言葉の「投げ鳴り」とも考えられそうです。

こげな近くでの「長鳴り」はえずかですね。

Kaminarisan02

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2017年7月10日 (月)

一切れ一口《しときれしとくち》

未収録語シリーズ三百七十一。ひちひちしじゅうく。
『しときれ しとくち たべさしーて いっつも なまるひとに ひて いわんねて ひつこゆう おしえるっちゃばってん むりかとよね』「一切れ一口食べさせてといつもヒがシと訛る人に、ヒと言いなさいとしつこく教えるんだけど無理なんだよね」

あんたも「しつこい」が「ひつこい」になっとるばい。そして、いっつも七七四十九《ひちひちしじゅうく》て言いよるやないね!というわけで、

【しときれしとくち】さすがに《ひちひちひちじゅうく》と訛ることはなかごたりますね。この「ひ」が「し」に訛る人、その逆の人。ごちゃまぜの人。この博多ん人間の博多弁の訛り方の基準というか規則性はどげんなっとるとでしょうね。
だいぶ考えて来たとですが、いっつも《シ?ヒっちゃんがっちゃん》になって、一つ《しとつ》もわかりません。

写真は相当前に撮ったもんで、今でも掛かっとるとでしょうかね。聖福寺近く上呉服町の「相良ひちや」さん。

Hichiya

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2017年7月 3日 (月)

天狗とり

未収録語シリーズ三百七十。天狗とり。
『やねふきんときい かせいにんの やっさんこいさて てんぐとり しよったやな』「屋根葺きのときに手伝いの人たちが(やっさんこいさ)とバケツリレーしていたよ」

【やっさんこいさ】しきりに、次々との意味。天狗とりのときの掛け声。
【天狗とり】多人数で物を手渡しでしながら運ぶこと。バケツリレー。篠栗の西義助さんの方言集「くらしのことば:不知火書房」ではじめて知った言葉やったです。天狗は伝供《てんぐ・でんぐ》の訛り。
【伝供】 仏前にそなえる供物を手から手に伝えて供えること(広辞苑)。

Nishihonganji01

写真の西本願寺ではこの伝供が大掛かりに行われとるようです。

こちらは天狗さんのふるさと?の鞍馬寺

Kuramadera01

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2017年6月26日 (月)

しめし

未収録語シリーズ三百六十九。しめし。

『うちの むすめんこんとこな としごのふたごやろ いえに あそびに いったら しめしの ふらほんごと ほしちゃって せんたくの たいがい おおごとて なげきよった』「うちの娘のことろは(孫が)年子で双子でしょ。家に遊びに行ったらおしめが大漁旗のように干してあって選択がずいぶん大変と嘆いたいたよ。」

【しめし】おしめ。おむつのこと。「しめし」を「湿し」と書いたら意味が想像できるっちゃなかですか。ついでに、「おむつ」は「御襁褓」という漢字のごたります。絶対に書けんし読めんです。
【ふらほ】大漁旗。漁船の旗。国旗。一般的にはあまり馴染みのない方言でしょうが、浜言葉、漁師言葉としてはけっこう全国各地で(ふらふが多く)使われとるようです。英語のフラッグから来たとでしょうね。

Hakusan07

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2017年6月19日 (月)

よとぎ

未収録語シリーズ三百六十八。とぎ。
『ほんけん ばばしゃんの おおごと ならっしゃったげなけん うちゃ よとぎ いってこー』「本家のお婆さんが亡くなられたらしいのでお通夜に行ってきます」

【夜伽《よとぎ》】お通夜のこと。伽《とぎ》と略した言い方もあります。昔々テレビ時代劇で悪殿様がきれいな腰元に「夜伽せい!」などと命ずる場面をよく見ましたが、こちらの夜伽とは意味が違い近所付き合いや親戚付き合いでは欠かせない習わしや作法の一つやなかでしょうか。
【おおごと】一般的には大事《おおごと》で大事《だいじ》なこと、大変なこと。この例文の場合は突然亡くなられたという意味での葬祭用語。南無阿弥陀仏。

Hachisu01

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2017年6月12日 (月)

おき

未収録語シリーズ三百六十七。おき。
『くどん もえさし おきいすると わすれとったけん あーた はいに つっこんどって』「竈《かまど》の燃え残りを熾火《おきび》にするのを忘れてたから、あなた灰の中に突っ込んでおいて」

今回の二つの言葉は、両方とも方言か古い表現かはっきりせん部分もあるとですが、とりあえずメモがわりに残しときましょう。

【燃えさし】漢字では「燃え止し」。「・・さし」は「・・・かけ」のこと。「燃えさし=燃えかけ」ですね。「読みさし(=かけ)」「食べさし(=かけ)」のごと、途中でその行動や状態が止まっとる様子を表しとります。
【おき】熾火《おきび》の略。燃えているもの、火がついているものを一度「灰」などに埋めて「消炭」状態にすること。

Kudo01

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2017年6月 5日 (月)

おおばんげ

未収録語シリーズ三百六十六。おおばんげ。
『あやつん おおばんげな はなしば うんうんいうて ききよったら いつか すってん とらるーばい』「あいつのいいかげんな話を(うんうんと)聞いていたらいつか騙されるよ」

【すってんとる】騙されること。すってんころりと話が裏返ること・・・でよかとやろか。当てっぽす。
【おおばんげ】いいかげん。おおざっぱなこと。ほぼ「おおまん・おおまんたれ」と同じ意味のごたりますね。地域や(熊本・長崎などでも使われとります)人によっては「うーばんげ・うーばんぎゃ・わぅばんぎゃ」というとこもあるごたります。
語源というか、言葉の由来は大漫《おおまん》と同じで、「大旨・概《おおむ》ね・大まか」あたりやないかと想像しとります。

写真は自分がちっと「おおばんげ」やなかかと疑っとる承天寺の「饂飩蕎麦発祥之地」石碑。

Udonko

Udonko02

それこそ「うろん」な話やったりして・・・。

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2017年5月15日 (月)

ニオ乾し

未収録語シリーズ三百六十五。ニオ乾し。
『ほうらくまんじゅうに ならんどったらくさ あんまめは におぼしするて かいちゃったっちゃが どっから きた ことば やろかね』「蜂楽饅頭に並んでいたら、餡こになる豆は「ニオ乾し」にすると書いてあったんだが、どこから来た言葉だろうね」

・・・というわけで、博多弁というわけでもないとですが調べてみました。

【ニオ乾し】もともとは稲の乾し方やったごたります。その稲の干し方がそのまま北海道では豆の干し方に転用されたとやないかと想像しとります。

さて語源はというと、まずは「へっぱくBLOG」流のダジャレ説をふたつ。
1:担《にな》う(稲負う・荷負う)乾し。
2:稲覆《おお》う・荷覆う乾し方。稲小積み・稲ぼっち・藁ぼっちのことですたいね。

学術的文献的には以下のとおり。
1:刈稲を円錐形に高く積み上げたもの。稲叢《いなむら》。稲堆《いなにお》のこと。その略(日本国語大辞典)。
2:新穂《にほ》の転(日本方言大辞典)。
3:
新嘗のこと。その堆積場所。吉凶を占うこと。(海上の道:柳田國男:青空文庫)。同書の「稲の産屋」の章に、◆稲村または稲積というものの各地の方言が数多く集められてい た際に、現在なお行われているニホ・ニョウその他これに近い色々の名称は、或いはこの新嘗のニヒではあるまいか◆とありました。

Nioboshi

博多駅「Tジョイ博多」の地下一階、博多阪急の入り口近くに新らしゅう「店」が出とりました。

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2017年5月 8日 (月)

じやく

未収録語シリーズ三百六十四。じやく。
『このごら まちなかでん わっか おなごさんが じやく たべあるき しよんなるが あれじゃ だいえっとも はなよめしゅぎょうも あったもんじゃなかろたい』「このごろは街中でも若い女性がいつも食べ歩きしてるけれど、あれじゃダイエットも花嫁修業もなにもあったもんじゃないよね」

まぁこれが余計なお世話というもんですが、さて「じやく」。

【じやく】いつも。しょっちゅう。常に・・・していること。博多では聞いた覚えがなかとですが、能古島や糸島あたりで使われとる方言のようです(能古島の方言:石橋淙平:能古島小学校1985年発行)。
さて問題はいつものごとく方言の由来。候補の一つが泰然自若の自若《じじゃく》。「平常と少しも変らないこと」という意味がありますね。
もうひとつは持薬《じやく》と餌薬《じやく》でいつも飲んでいる薬。用心のため養生のため普段から用いている薬の意味です。さてどちらが本筋でしょうか。

写真は薬好きな自分用です。まぁ一病息災ならぬ多病息災というところです。

Jiyaku

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