未収録語シリーズ

2019年6月24日 (月)

つくりあがり

『もぅ つくりあがりの かまもちやら つくりきんなるひとな だーれも おらんっちゃなかろうか』「もう田植え休みの鎌餅なんてつくれる人はもう誰もいないんじゃないかな」

博多はもともと商人の町というともあるとか、あんましこうした農家方言を聞くことはなかとですが、それは街中だけのことで周辺部にゃしこたま面白か方言が残っとります。

【つくりあがり】田つくりあがり。田植えあがり。田植え後の骨休め&小宴期間。行事的にも「さなぼり」と重複することの多かごたりますね。

【鎌餅】さなぼりや鎌上げ(稲刈り終了)のときのご馳走にする「ぼた餅」のこと(新修志摩町史)

写真は京都の「大黒屋鎌餅本舗」で買ーた本物の鎌餅。ちゃんと稲刈りの絵が描いちゃりますね。

Kamamochi_20190623213201  

 

| | コメント (0)

2019年6月17日 (月)

きびきさん

未収録語シリーズ四百四十九。きびきさん。

『あん たいしょうな からだんうごきが きびきさんで むだんなか よか さかなやたい』「あのご主人は体の動きがきびきびしていて無駄がない。いい魚屋さんだよ」

・・・みたいな「しゃべり」になるとでしょうが、実際は一度も聞いたことがない博多弁(たぶん消滅語)です。きびきさん。

資料としては「博多方言(原田種夫:文林堂:昭和31年刊)」と「博多ことば(波多江五兵衛:私家版:昭和45年)」に残されとります。

【きびきさん】きびきび、迅速、すばやいこと。語源や言葉の由来もさっぱりわかりません。勝手な想像捏造推理こじつけをしておきましょう。

気味《きみ・ぎみ》+盛ん。+嵩《かさ》にかかる。+加算。

機敏+盛ん。機敏(一気)呵成。機敏(一)目散。

しかしまぁ、こじつけにしてもたいがい無理のありますね。はは。

写真はあんこう。

Anko03

いっちょん「きびきさん」じゃなかばってん、とりあえずはだいたいどげな魚でもおろせる「へっぱく魚店」主人でございます。

| | コメント (0)

2019年6月10日 (月)

たべおうけ

未収録語シリーズ四百四十八。たべおうけ。

『おー また ふとか すいかの でけたなー これやと おおかぞくでん たいがい たべおおけの あろうや』「大きな西瓜ができたね。これだと大家族でもずいぶんと食べがいがあるだろうね」

【たべおうけ】食べがい。食べる甲斐《かい》。食べる量や価値があること。食べる方はむつかしゅう考えるこてゃなかですが、問題は「おうけ」の方。なんから来た言葉か、どげな意味かというと・・・以下、引用は精選版日本国語大辞典。

【おうけ】・・・するに十分の量。・・・するに足る価値。「日葡辞書(九州方言→ポルトガル語対訳辞書:1603年」にVoquga_aru(おうけがある)と収録があるげなです。

写真は西瓜とまくわ瓜。

Uri_suika

| | コメント (0)

2019年6月 3日 (月)

てーで

未収録語シリーズ四百四十七。てーで。

『ほうちょうな わがで ちゃちゃって あたるだけ やったばってん たまに いかけやさーに てーで もらいよんなった』「包丁は自分でちゃちゃちゃと(さわる程度)だけだったけれど、ときどき鍋釜修理が来ると研いでもらってた」

【てーで】研いで・・・の訛り。昔、料理好きのおばちゃんと話している途中で、何と言ってるのか、どう発音しているのかわからなかったのが、この「てーで」でした。

【いかけや】鍋釜修理の行商。なんか別の呼び名(方言)もあった気がするとですが、思いだせとりません。

写真は、堺の包丁屋さんめぐりしたときのもんです。

Passport03

| | コメント (0)

2019年5月27日 (月)

ぐつ

未収録語シリーズ四百四十六。ぐつ。

『そんひな ぐつわるかて いうて よりあい さぼって えいが みにいったら かえりに まちのもんと ばったり こら それこそ ぐつ わるかったやね』「その日は都合が悪いと寄り合いさぼって映画を見にいったら、帰りに町内の人とばったり会ってしまって、ほんとにバツが悪かったよ」

【ぐつ】具合や都合のことで、具都《ぐつ》?。たぶんこれが「ぐつ」の由来・・・と言いたいとこですが、たぶん違うと思っています。ただしそれ以外の語源説を思いつきません。残念ながら。後半の「ぐつ悪い」は、バツが悪い、きまりが悪い、面目がないという意味。相手に対しての具合都合でっしょうかね。

ネタ写真が浮かんでこんけん、最近見た映画なんぞ貼り付けておきましょう。クリント・イーストウッド。90歳近くになって、まだ監督主演です。たまがりますね。

 

| | コメント (2)

2019年5月13日 (月)

なかだっか

未収録語シリーズ四百四十五。なかだっか。

『たいはくずきの ばばしゃんな たいがい くちの わるーて こうらいやな なかだっかが おのえな たまに だんごばなの・・・』「大博劇場好きの婆様はかなり口が悪くてね、高麗屋は鼻すじの通った男前だが、尾上はたまに団子っ鼻が・・・」

文末自粛。婆様の個人的感想やけんですね、尾上ファンの皆様におかれましてはお怒りなさいませんよう・・・ははは。

【なかだっか】中高。周囲が低くて中央が高いこと。はやい話が鼻すじが通った男前ということですたいね。

写真は以前、「大博**」という項目たてて紹介させてもらったことのある「武田政子の博多演劇史:芝居小屋から(狩野啓子・岩井眞實・海鳥社)」

Sibaigoyakara

| | コメント (0)

2019年5月 6日 (月)

つらかんまず

未収録語シリーズ四百四十四。つらかんまず。

『おりゃ つらかんまずで わがよかごと やりたかごとやるて うしろゆび さされよるが だれんでん めいわく かけたこた なかばい』「俺は厚かましくて自分のいいようにやりたいようにやると後ろ指差されているけど、誰にも迷惑欠けたことはないよ」

【つらかんまず】顔(世間体や対面)を気にしないこと。厚かましいこと。「面構わず」と漢字で書くと意味がわかりやすいですかね。だいたいは他人からの(悪)評価で使用される言葉ですが、例文のようなタイプの人間も居るわけでして、これは誰にも惑わされずも我が道を行くという一つの生き方かもしらんですね。

では、ひさしぶりにこげなと。

 

| | コメント (0)

2019年4月29日 (月)

つくじる

未収録語シリーズ四百四十三。つくじる。

『なっとうな そげん つくじるもんやなか ほーら つっぽがして しもーたろうーが』「納豆はそんなに突きまわすものじゃないよ。ほら(容器に穴を)突き通してしまったじゃないか」

【つくじる】つつくこと。突き回すこと。言葉のなりたちは、「突く+くじる(=ねじる・えぐる・うがつ)」でしょうかね。

【つっぽがす】つくじると意味はほとんど同じですが、「つくじる」は「くじる」が主体で、こちらは「突く」が主体という感じのようです。

写真は、いまはもうたぶん造りよんしゃれんっちゃなかでしょうか。博多納豆。

Hakatanatto

| | コメント (2)

2019年4月22日 (月)

ほほら

未収録語シリーズ四百四十二。ほほら。

『ほほらぬくーなったなー はるやなーと おもうとったら きのうきょうは もう あつかくらいばい』「すこし温かくなったな、春だなと思っていたら、昨日今日はもう暑いくらいだね」

【ほほら】すこし、ほのかに、ほぼ、なんとなく。語源はなんでしょうかね。どのへんから来た言葉でしょうか。これもよーわからんですが、適当に思いつくことをば。
仄《ほの》かの訛り。ほぼ(=だいたい)。歩歩《ほほ》=一歩一歩。懐《ほほ》=なんとなくやわらかい温さがありますばってん。

昨日、「志摩の四季」まで行ったとですが、途中でもう田植えが終わっとるとこがありました。まさに春を通り越した暑さでした。

Sakasa_kaya

| | コメント (0)

2019年4月 1日 (月)

さっかけ

未収録語シリーズ四百四十一。さっかけ。

『ひらくわの なまって うねけずりも よーでけん あたらし かうか さっかけするか どげん しょうかいな』「平鍬の先が鈍ってしまい畝削りをよく出来なくなった。新品を買うか、鍛冶屋で刃先を付け直しするか、どうしようか」

【さっかけ】鍬や鶴嘴などの農具の刃先の付け直しや焼き直しのこと。語源はいろいろ考えられるごたります。先掛け・先欠け。この刃先の付け足し付け増しの意味から、話が少々変わってきて、ホラ吹き・針小棒大・誇張という意味でも使われとるようです。こっちは庇《ひさし》を付け出した小屋の差掛《さしかけ》小屋から来たとかもしらんですね。

さすがに刃付けはできんですが、刃先研ぎは自分でもやります。

Aritsugu

| | コメント (0)

より以前の記事一覧