未収録語シリーズ

2017年9月25日 (月)

とおせんばっちょ

未収録語シリーズ三百八十。とおせんばっちょ。
『こどもんあそびの とおせんぼうば なして とおせんばっちょて いうっちゃろかね ばっちょちゃ なんかいな』「子供の遊びの(通せん坊)をどうして(通せんばっちょ)と言うんだろうね。ばっちょというのは何だろう」

それがわかりゃぁ苦労はせんとです。というわけで「通せんばっちょ」。

【とおせんばっちょ】「通せんぼ」は辞書的には「通せん坊」。以下いろいろと遊び半分でばっちょ候補をずらずらと。

1:坊の訛り。
2:走りぐっちょの「ぐっちょ」みたいなゴロ合わせ語。言葉に調子つけるだけの接尾語。
3:戸口の通せん棒・閂《かんぬき》棒と考えると、棒の訛り。
4:閂棒の代わりに竹棒をつかった。竹笠=ばっちょ笠からの類推。
5:通せん罰(能古島の方言:石橋淙平)
6:唐船八丁:外国船を浜から八丁先に係留させたため(博多ことば:原田種夫)

これも外国船への「とおせんばっちょ」の一種でしょうかね。今津の元寇防塁。

Imazu00

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2017年9月18日 (月)

ちいちいふぐ

未収録語シリーズ三百七十九。ちいちいふぐ。
『あんたんがいの よめさんの しんてんちょうで たちおよぎ しよんなったばい』『うちの ちいちいふぐやろ いつ うまれるかしらんとに べそで こまると』「あなたんちの奥さんが新天町で立ち泳ぎしてたよ」「うちの臨月ふぐやろ。いつ生まれるかわからないのに外出好きで困るよ」

【ちいちいふぐ】直接的には小さなフグのこと。写真のようにお腹がふくらんでいることから、臨月の女性を例えていいよりますね。
【ちいちいふぐの立ち泳ぎ】これも大きなお腹をゆらゆら揺らせながら歩く姿の例え。
【でべそ】出たがり、外出好きの例え。

Chichifugu01


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2017年9月11日 (月)

こしうだき

未収録語シリーズ三百七十八。こしうだき。
『ちょうないかいちょうさんの つるんひとことで あーたば こしうだきするごと なったけん つぎの せんきょい でない』「町内会長さんの鶴の一声であなたの後援するようになったから、つぎの選挙に立候補しなさいよ」

そげなこと急に言われても・・・でありますが、町村レベルの小さな選挙じゃよくある話やったごたります。

【こしうだき】腰を抱いてささえる・・・という意味からでしょうか。後援者、援助者、応援団、パトロン。同じく腰に抱きつくような言葉に「腰巾着」がありますばってん、こっちの意味はぜ~んぜん違います。

あんまし適当な写真のなかったけん、こげなと。お櫛田さんの境内で。

Zyusyokinen12

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2017年8月21日 (月)

おばな

未収録語シリーズ三百七十七。おばな。
『いとしま みくもん はやまこふんの ちかくば とおって おもいだしたっちゃが やまんはしやら ふもとちかくんことば じいさんたちゃ おばなって いいよらんかったかいな』「糸島市三雲の端山古墳の近くを通って思い出したんだけど、山の端や麓近くのことを《おばな》って言ってなかったかね」

【おばな】山の稜線・麓のこと。物の末端。たぶんもう消滅語やろうて思います。なんとなく記憶(聞いたこと)のあるような、ないようなおぼろげな博多弁。もしかしたら意味も取り違えとるかもしらんですが、とりあえず言葉の由来なんぞをアテッポスしときます。
1:尾端《びたん》の言い換えで、尾端《おばな》。
2:尾根のこと。
3:山端《やまはた・やまはな・やまばな》のこと。京都の有名料亭に「山ばな平八茶屋」というとがあります。写真はそこの名物料理「ぐじ」。

Guji

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2017年8月 7日 (月)

おびところびく

未収録語シリーズ三百七十五。おびところびく。
『わっか むすめんこが おびところびいて ぎょうぎのわるさ よめんもらいての のーなるばい』「若いお嬢さんが(帯も締めないで)着物の前をはだけて行儀が悪い。お嫁の貰い手がなくなるよ」

【おびところびく】帯を締めないまま着物(や洋服)の前をはだけたままのだらしない姿。今風に言うと、胸元や上半身あけっぴろげということでしょうかね。
地域や世代の違いで、同じ意味ながら少し違う方言で、「おびところむく」「おびところぶ」などあるごたります。ただもうどれも消滅(寸前)語でしょうね。

語源ははっきりせんとですが、これも古語に「帯解広《おびとけひろげ》」というとがあって、姿の悪いだけやないで、身仕舞いや素行の悪さも言いよったごたります。

まぁ、こげなハンチャ半纏で帯締めんね!て言われても困るとですよ。

Hancya_3

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2017年7月24日 (月)

おっか・ちっか

未収録語シリーズ三百七十三。おっか。
『おっかばばさんと ちっかばばさんの ふたんで なかよー あるきよんなった』『そげんそげん あっちゃ としよりばばさんの ほうが げんきかごたる』「曾祖母さんと祖母さんが二人で仲良く歩いていらっしゃったよ」「そうそう、あちらのお宅はひいおばあさんの方が元気みたいね」

【おっか・ちっか】大きな、小さな。歳上の、歳下のの意味。おっかばばさんで曾祖母《ひいばあちゃん》。ちっかばばさんで祖母《ばあちゃん》。
【としよりばばさん】「年寄り」を上につけると、「年寄りの方の婆さん」の意味で曾祖母。いろんな表現があって、家族構成をよく知らんとけっこう判別に苦しむことのありますね。もひとつおまけ。こういう表現もあります。
【おっかんちゃん】大きな兄《あん》ちゃん。「ちっかんちゃん」で小さい方の兄。おっか姉《あね・ねえ》ちゃんの方は省略できんで、そんまま「おっかねえちゃん」。

では、おっかさんと、その子のおっか・ちっか姉ちゃんたち。

Oyako

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2017年7月17日 (月)

ながなり

未収録語シリーズ三百七十二。ながなり。
『ちょうないひ もろーて すぐかえるつもりが たいしょうに つかまって えらいまた ながなり きかされてしもうた』「町内会費を貰ってすぐに帰るつもりがご主人につかまってずいぶんと長話を聞かされたよ」

【ながなり】長話。不平不満。へっぱく。減らず口。捨て台詞などなど。地域や人によってけっこういろんな意味と用法があるごたります。「長鳴り」「長く鳴り響くこと」とすれば意味が通じやすかですね。
ただ「捨て台詞」の場合は「(投げ)捨て台詞」のように言葉の「投げ鳴り」とも考えられそうです。

こげな近くでの「長鳴り」はえずかですね。

Kaminarisan02

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2017年7月10日 (月)

一切れ一口《しときれしとくち》

未収録語シリーズ三百七十一。ひちひちしじゅうく。
『しときれ しとくち たべさしーて いっつも なまるひとに ひて いわんねて ひつこゆう おしえるっちゃばってん むりかとよね』「一切れ一口食べさせてといつもヒがシと訛る人に、ヒと言いなさいとしつこく教えるんだけど無理なんだよね」

あんたも「しつこい」が「ひつこい」になっとるばい。そして、いっつも七七四十九《ひちひちしじゅうく》て言いよるやないね!というわけで、

【しときれしとくち】さすがに《ひちひちひちじゅうく》と訛ることはなかごたりますね。この「ひ」が「し」に訛る人、その逆の人。ごちゃまぜの人。この博多ん人間の博多弁の訛り方の基準というか規則性はどげんなっとるとでしょうね。
だいぶ考えて来たとですが、いっつも《シ?ヒっちゃんがっちゃん》になって、一つ《しとつ》もわかりません。

写真は相当前に撮ったもんで、今でも掛かっとるとでしょうかね。聖福寺近く上呉服町の「相良ひちや」さん。

Hichiya

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2017年7月 3日 (月)

天狗とり

未収録語シリーズ三百七十。天狗とり。
『やねふきんときい かせいにんの やっさんこいさて てんぐとり しよったやな』「屋根葺きのときに手伝いの人たちが(やっさんこいさ)とバケツリレーしていたよ」

【やっさんこいさ】しきりに、次々との意味。天狗とりのときの掛け声。
【天狗とり】多人数で物を手渡しでしながら運ぶこと。バケツリレー。篠栗の西義助さんの方言集「くらしのことば:不知火書房」ではじめて知った言葉やったです。天狗は伝供《てんぐ・でんぐ》の訛り。
【伝供】 仏前にそなえる供物を手から手に伝えて供えること(広辞苑)。

Nishihonganji01

写真の西本願寺ではこの伝供が大掛かりに行われとるようです。

こちらは天狗さんのふるさと?の鞍馬寺

Kuramadera01

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2017年6月26日 (月)

しめし

未収録語シリーズ三百六十九。しめし。

『うちの むすめんこんとこな としごのふたごやろ いえに あそびに いったら しめしの ふらほんごと ほしちゃって せんたくの たいがい おおごとて なげきよった』「うちの娘のことろは(孫が)年子で双子でしょ。家に遊びに行ったらおしめが大漁旗のように干してあって選択がずいぶん大変と嘆いたいたよ。」

【しめし】おしめ。おむつのこと。「しめし」を「湿し」と書いたら意味が想像できるっちゃなかですか。ついでに、「おむつ」は「御襁褓」という漢字のごたります。絶対に書けんし読めんです。
【ふらほ】大漁旗。漁船の旗。国旗。一般的にはあまり馴染みのない方言でしょうが、浜言葉、漁師言葉としてはけっこう全国各地で(ふらふが多く)使われとるようです。英語のフラッグから来たとでしょうね。

Hakusan07

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