未収録語シリーズ

2019年12月16日 (月)

さかぼて

未収録語シリーズ四百六十五。さかぼて。

『あおあおした さらの さかぼてば どっかで みたとばってが どんさかぐらやったか いつやったか いっちょん おもいだせんとたい』「青々とした新しい杉玉をどこかで見たんだけれど、その酒蔵だったかいつ頃だったかぜんぜん思い出せないんだよ」

ボケの来よるとかもしらんですね・・・というわけで、さかぼて。

【さかぼて】酒蔵の店頭に飾る縁起物の杉玉のこと。酒林《さかばやし》。酒箒《さかぼうき》というごともあります。博多弁の「さかぼて」の由来ははっきりしませんが、個人的には酒箒の訛り、あるいは博多仁和加で使う「ぼてかづら」のハリボテが関連しとるとかな~と思うとります。

会話文に書いたごと、「どこやったかいつやったか」というのは実話でありますが、その疑問もむべなるかなで、その理由は酒蔵独自の決まりがあるからのようです。必ずしもどの酒蔵も決まった時期に・・・というわけではなく、正月、新酒の時期、蔵の改築記念といろいろのごたります。

写真は地元がなかったけん、佐賀は小城の天山。

Sakabote

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2019年11月25日 (月)

くそごうり

未収録語シリーズ四百六十四。くそごうり。
『くそごうりやら なして あげな なまえの ついたとかいな』『くすりにゃなっても くえんけんやなかな』「糞小瓜とか、どうしてあんなひどい名前がついたのだろうね」「薬にはなっても食べられないからじゃないかい」

【くそごうり】カラスウリのこと。あの中身の種の部分をジゴやらネゴやら言いよりましたが、あれがシモヤケに効き目があったり喘息の民間療法にも使われよったげなですね。ちょっと見、トマトや美味しそうな果物に見えんこともなかですもんね。

写真はカラス違いのカチガラス。たしか今津の方で撮ったもんです。

Kasasagi01

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2019年11月11日 (月)

おしこみ

未収録語シリーズ四百六十二。おしこみ。

『いくら おしこみ いうたっちゃ そげん おしたくねちゃ いくもんかい しわくちゃいなって つぎ きれんめえが』「いくら押入れと言ったって、そんなにむりやりたたまずに入れたら次に着られないよ」

【おしこみ】押入れ。押し入れること。

【おしたくねる】無理やりに押し込むこと。服や物をきちんと仕舞わずぎゅうぎゅうに詰め込む。

もともと「押し込む」に「無理やり」という意味があるので、その程度がひどいのを「おしたくねる」というごたります。

(たぶん庄屋さんとか地域ではご大尽とよばれたであろう)昔の大きな家の間取り図です。押入れじゃなく押し込みとありました。

Nakae

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2019年10月28日 (月)

はたはたする

未収録語シリーズ四百六十一。はたはたする。

『まごが こうこう うかるか どうか いえじゅう はたはた しよったばい』「孫が高校に合格するかどうかで家中が心配していたよ」

【はたはたする】心配する。ドキドキハラハラすること。言葉の由来は普通に「はらはらする」の訛りでしょうか。ただ、旗が「はたはた」と「はためく」ように、気持ちが揺れ動くというように考えると、こちらの「はたはた」から来たとも考えられるようです。

福吉港の大漁旗がはためいとります。

Hakusan06_20191027200501

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2019年10月 7日 (月)

なのみ

未収録語シリーズ四百六十。なのみ。

『なのみな えんぎの よかきで にわさい うえたら ぜんもちい なるげなばい』『あちゃー うちが びんぼうかとは べんじょんよこに うわっとるけんかもしらん』「クロガネモチは縁起が良い木で庭へ植えるとお金持ちになるらしいよ」「あらら、自分が貧乏なのは便所の横に植わっているからかもしれないね」

自分が生まれた家の話でした。今ごろ納得しとります。

【なのみ】クロガネモチのこと。無理やり縁起の良さそうな漢字を当てると「黒鉄持ち」「黒金持ち」でしょうかね。もともとは粕屋町に「なのみの里」という農産物の産直市場があり、「なのみ」ちゃ何かいな?と思うたとが最初でした。「春は名のみの・・・」という早春賦由来の名前なら、「ちっと寒々しいけんせっかくの市場も賑あわんめ~」と考えつつたどり着いたとが、粕屋町の町木「クロガネモチ」でした。

Nanominosato

 

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2019年9月16日 (月)

わやく

未収録語シリーズ四百五十九。わやく。

『しぇんしぇいの みゆるげなやが わるそうが なんか えずー わやくでん したつか』『うちも そげん しんぱい したっちゃけど ただの かていほうもんげな』「先生が来られるらしいが悪ガキがひどいいたずらでもしたのかい」「私もそうかと心配したんだけれど、いつもの家庭訪問だって」

【わやく】聞き分けのないこと。いたずら。わんぱく。枉惑《おうわく》という言葉が変化してきたものらしいですが、いまではもぅ消滅語っぽいですね。ただ「わや」「わやくちゃ」とは今でも使います。そういや「しぇんしぇい」という発音もこのごろは聞きませんね。

【えずい】ひどい。きびしい。

最近の家庭訪問がどげなもんか、身内にふたり先生が居るので、今度聞き取りしときます。

 

写真は関係なかですが、たまたま「昼休みやらにこげな遊びしよったなー」ということで一枚。

Gomhori

 

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2019年9月 9日 (月)

ふうたらぬるい

未収録語シリーズ四百五十八。ふうたらぬるい。

『まなつんごとは なかばって まーだ ふーたらぬるか へんか かぜの ふきよるな はよー すずしかかぜに ならんやろか』「真夏のようではないけれど、まだ変に生温かい風が吹いているね。早く涼しい風にならないものかね」

【ふうたらぬるい】生ぬるい、生あたたかい、はっきりしない風や気候のこと。

八女出身の人と話しよったら、途中でどうも話が噛み合わんけん、なしてかいな?と思っていたら、どうも、博多弁の、動きがのろい・ぐずぐずとはっきりしない態度をいう「ふーたんぬるい」を気候や温度の意味で使いよったとですね。「ふうたらぬるい」「ほーたらぬっか」「ほほらぬっか」といくつかの表現があるようで、はじめて知ることばかしで勉強になりました。

それと、自分は「風体がぬるい」て理解しとったとですが、「ほほら」「ふーたら」は「ぼんやりとした」意味の接頭語らしかです。

写真は大濠公園の朝焼け。ちっとは歩きやすくなりましたが、風のない日はやはりまだ汗をかきます。

Asayake00

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2019年8月19日 (月)

ねぶれる

未収録語シリーズ四百五十七。ねぶれる。

『かまんはの えらい ねぶれとるけん となりの おいちゃんとこい いって といで もろーてきない』「鎌の刃がなまっているから隣りのおじさんとこに行って研いでもらっておいで」

【ねぶれる】刃物の刃が鈍《にぶ》くなって切れないこと。なまくら《鈍ら》。

まぁ「鈍《にぶ》る」の訛りと考えるとが普通でしょうが、「考えがあまい」「他人をあまくみる」「みくびる」の「なめる=ねぶる」の意味が多少含まれとるような気もしますね。

包丁好き刃物好きやけん、たまにこげんして研ぎよります。

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先週分の「抜く・抜かす・踏み抜く」みたいな記事を書いとったとですが、どっかに飛んでいってしもうとります。投稿予約したつもりが、消去してしもうとるごたります。改めて書き直します。

 

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2019年8月 5日 (月)

じげ・じげもん

未収録語シリーズ四百五十六。じげもん。

『じもとの にんげんばくさ じげやら じげもんて いおうが この じげちゃ もともと どげな いみ かいな』「地元の人間をね"じげ"とか"じげもん"というだろう。この"じげ"とはもともとどういう意味なんだろうね」

【じげ・じげもん】地下人。宮廷に仕える者以外の人々の総称。一般農民や庶民をさす(大辞林)。いつも引っ張り出してくる「日葡辞書(九州方言→ポルトガル語対訳辞書:1603年」の方が意味の通じやすいけん追加しときますGique.giguenin=町や村の土着の人、またはそこの住人。

平戸に魚釣りに行ったときに「じげもん市場」というのがあり、これは地元民というよか、地元産直品という意味の方が強いっちゃろな・・・それなら、もひとつ、土着人土着物の他に、自家用、自家用品の"自家《じげ》"という語源説もあるかもしらんと思いついたわけです。まぁ辞書的には問題にならん発想ですばってんね。

Suginoya_beer

こういう"じげもん"の季節になりました。西区元岡の"杉能舎"の地ビール。

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2019年7月29日 (月)

たつ

未収録語シリーズ四百五十五。たつ。

『にさんちまえから ゆびさきの ひりひりするて おもうとったら とげの たっとったとやね きくずん さきの かお だしとるもん』「二三日前から指先がずっと痛いと思っていたら、トゲが刺さっていたんだね。木屑の先が顔をだしているよ」

【たつ】小さな木片などが体に刺さること。傷みから数日してやっとトゲが刺さっていることに気づくことのありますね。身体が異物を排出する力というもんを感じるときです。

で、「立つ」にほんとにそんなトゲが刺さるような意味があるか辞書を調べてみましたら、いつもの「日葡辞書(九州方言→ポルトガル語対訳辞書:1603年」に、Fariuo tatçuru(鍼を立つる)とありました。鍼灸の鍼ですね。へえ~。

さて、このハリもやっぱし「立っとる」というとでしょうかね。釣りの仕掛けつくりよって自分の指にぶすり!

Hooked

 

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