未収録語シリーズ

2018年11月 5日 (月)

三階《さんがい》

未収録語シリーズ四百二十三。三階《さんがい》。
『えれべーたーに のっとったらくさ じどうおんせいで さんがいに とまりますて にごって しゃべったったい そやけん あーた なまっとるばいて ゆうちゃろう ごたったやね』「エレベーターの乗っていたらね、電子音声が(さんがいにとまります)としゃべったんだよ。だから(あなた訛ってるね)と言いたくなったよ」

・・・と実際にそう思ったんですが、話はまったく「ちゃんぽん」でして、自分の三階《さんかい》読みの方が訛りだったようです。

【三階《さんがい》】標準語(共通語)としての読み(正解)は三階(さんがい)。以下「NHKことばのハンドブック」より引用。

一階《いっかい》二階《にかい》三階《さんがい》
一貫《いっかん》二貫《にかん》三貫目《さんがんめ》
一寸《いっすん》二寸《にすん》三寸《さんずん》
一尺《いっしゃく》二尺《にしゃく》三尺《さんじゃく》下がって師の影を踏まず
一軒《いっけん》二軒《にけん》向こう三軒《さんげん》両隣り
一升《いっしょう》二升《にしょう》三升《さんじょう》

三の位?とこで、ぜ~んぶ読みが濁ってきとりますね。このへんの読みは例えば「中洲」「冷泉」「山崎」「中島」をどう読むか? つまりこの「澄んだり濁ったり」がだいたい博多んもん(自分)が普段から悩み苦手とするとこですたいね。

中洲や冷泉町については以前ここにも書いとるのでご参考まで。


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2018年10月29日 (月)

ちきり

未収録語シリーズ四百二十二。ちきり。
『すーぱーじゃ もう ちきりも はかりも なかが まちのにくやじゃ たまに ばねばかりば みるな』「スーパーマーケットじゃもう計量器はないけれど、町の肉屋ではたまにバネ式重量計算器を見かけるね」

【ちきり】竿秤《さおばかり》のこと。博多弁では基本的には「ちきり」も「はかり」も重さを測る道具で同じ意味で使いよりました。ただ厳密に区別して言うなら、どっちかというと「ちきり」はぶら下げ式の竿秤《さおばかり》で、「はかり」は針が回転するバネ式を指すことが多かったごたります。
ちなみに、「ちきり」の語源は「吊り木」やなかろうか・・・と推測しとります。

「ちきり」といや、すぐに「おしかさん」が思い浮かぶとですが、もうこんときは使いよんしゃれんやった気もします。。自分がもうこのおしかさんの年代になったもんやけん、そのへんの記憶がイマイチですたい。

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最近売りよる「ぶら下げ式ちきり」はこげな感じ。

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2018年10月22日 (月)

ほいと

未収録語シリーズ四百二十一。ほいと。
『なして ほいとんごと がっつき たべよるかい めしつぶば とびちらかいてから』「どうしておもらいさんのようにがつがつとむさぼり食べてるのかい。飯粒を食べ散らかして」

親父からこんな感じでよー「がられ」よりました。こうした今では聞かない使われない差別語も日常の会話に普通に出ていました。

【ほいと】乞食。ものごい。似た表現におこもさん。五木の子守唄に出てくる「かんじん」。
今回辞書を引いてはじめて知ったとですが、漢字やと陪堂と書くらしかです。
【陪堂】禅宗で僧堂の外で食事のもてなしをすること。このへんから他人に食事を施すこと→物乞いと変化してきたとのごたります。

ちなみにいつもの「日葡辞書(九州方言→ポルトガル語対訳辞書:1603年」にもIunreini foitô《巡礼に陪堂》と記載がありました。

Jyunrei

写真は映画「砂の器」のDVD表紙。

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2018年10月 8日 (月)

つと

未収録語シリーズ四百二十。つと。
『おおほりは よー あるきよっちゃけど たまに にしこうえんに のぼると やっぱ つとのはる』「大濠公園はよく歩くんだけど、たまに西公園に上るとやはりふくらはぎが張るよ」

【つと】ふくらはぎ。もともとは「藁苞《わらづと》=わらなどを束ねて食品を包んだもの・その包むもの」に形が似ているところから来た方言。
また苞=髱《つと・たぶ》という漢字もあって、こちらは日本髪の後方に張り出た部分をいいます。こちらもその膨らみ方が一緒です。

写真は藁苞。

Makigaki01

Makigaki02

これは中津の巻き柿というお土産ですが、土産《みやげ》と書いて土産《つと・づと》と読ませることもできるようです。

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2018年10月 1日 (月)

わさ

未収録語シリーズ四百十九。わさ。
『やめとけやめとけ そげん しゃばか わさ やったら うりぼうでちゃ つかまらせん』「やめておけ。そんなに粗末な紐罠じゃ赤ちゃん猪でも捕まらないよ」

【わさ(輪差)】紐を輪の形に結び、引けば締まるようにしたもの。鳥獣などを捕まえる「わな」。紐罠。
「日葡辞書(九州方言→ポルトガル語対訳辞書:1603年」にも、「Vasa=ワサ(わさ)鳥などを捕るために仕掛ける輪縄」と収録されとる古い言葉のようです。

Wasa

写真は関係なかですが、イヤホン(コード)の「8の字輪結び」。こげんしとくと取り出したときにパラパラとほどけて絶対に絡まんとです。ぜひにお試しくだされ。

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2018年9月24日 (月)

飲みかた飲みごと2

未収録語シリーズ四百十八。飲みかた飲みごと2。
『あーたたちの もやいや でかたな しごと いうよか のみかた のみごとやもんね』「あなたたちの共同作業は仕事というより酒飲み酒盛りだものね」

【もやい】地区の共同作業や共有物
【出方】同上
【飲みかた飲みごと】酒宴・酒盛り・飲み会のこと。前回の西日本新聞記事に続いて今回は毎日新聞から
記事のタイトルに「飲み方と言う?」とあったので、一応これへのお返事ということで再び書きよります。
記事中に辞書には「飲み会」が収録がないとありましたが、実は(当然かも)飲み方も飲み事も辞書には載っとらんとですよね。どの用語も日常的に使うとに不思議やし面白かですね。以前ここに書いた「飲みかた飲みごとpart1」です。ご参考まで。

お盆の飲み方での不殺生料理でございます。

Hakata_uogashi

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2018年9月17日 (月)

ぶるぶる

未収録語シリーズ四百十七。ぶるぶる。
『ことしんなつな たいがい あせぶるぶる やったが やっとこさで ちーと すごしよーなったな』「今年の夏はずいぶんと汗だくだくの(夏)だったけど、ようやく少しは過ごしやすくなったね」

【ぶるぶる】ひどく汗をかいている状態。「汗ぶるぶる」「ぶるぶる汗をかく」といったように、汗とだけ組み合わせて使う用語。

実は9月4日の西日本新聞の春秋欄に「筑後弁での表現か」とあったとですが、「そういや自分も使うな」ということで初めて気づいた次第。
ただし筑後弁を網羅したと思われる大著「筑後方言辞典(松田康夫:久留米郷土史研究会)」には収録がなく、博多弁含めて手持ちの文献資料には見当たらない言葉でもあります。
方言として地域的なものか、あるいは全国的なものかもはっきりせんし、由来や語源もよーわからんとですよね。なにか心当たりがある方がいらっしゃいましたらご教示よろしくお願いいたしますです。

ぶるぶる汗んときの汗流しはやっぱコレ。

Booties06

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2018年9月10日 (月)

こんまい

未収録語シリーズ四百十六。こんまい。
『ありゃ ばあちゃん また こんもうなっとらせんね ごはん ちゃんと たべようとね』「あれ、おばあちゃん。また小さくなってないかな。ご飯をちゃんと食べてるの」

歳とってくりゃ、ばあちゃんだけやないで、みんな縮んでくるとですたいね。自分も176cmあったとですが、こん前(こんまいじゃなかよ)健康診断で174cmて言われてショック・・・というのはともかく・・・。こんまい。

【こんまい】小さいこと。細《こま》かいこと。漢字で書くと細《こん》まい。「細《こん》まか」とカ語尾化も当然ですたいね。また「小さい」を使うときの方言的用法としは「ちんまい」「ちんまか」。

おまけ写真を一枚。こんまかときの自分です。

Atesyan


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2018年8月27日 (月)

練塀町

未収録語シリーズ四百十五。練塀町。
『なーなー はかたべいの あるとな えきから ちよまちんあいだの おてらさんやが なして ろっぽんまつへんを ねりべいちょうて いうとかいな』「ねえねえ、博多塀があるところは(博多)駅から千代町の間のお寺さんだけど、どうして六本松あたりを練塀町といったんだろうね」

と、いうわけで、最初にその練塀町の位置をチンチン電車の路線図をご覧くだされ。

Tintindensya01

【練塀】練塀は瓦と練り土を混ぜてつくる土塀のこと。寺社は当然に特権階級で土塀。博多では(戦乱時代に生じた割れ瓦を使ったという、いわゆる通称)博多塀。
【練塀町《ねりべいちょう》】。練塀町は黒田藩の上級武士が住んだ屋敷街。したがって、こちらも土塀。下級武士(=ちんちくどん)はそのあだ名の由来となった「ちんちく(錦竹)塀」の住まいだったというわけです。

それぞれの写真を載せときましょう。崇福寺の博多塀。今はもうこの面影はなかです。

Sofukuzi

ちんちく塀。

Chinchikubei

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2018年8月20日 (月)

あばかん

未収録語シリーズ四百十四。あばかん。
『しょうけい あばかんごつ みかんば もろーとります』
「しょうけに入りきれないくらいみかんを貰いましたよ」

これもほとんど消滅語のごたりますが、たまたま辞書読みしよって、ちょっと語源的に勘違いしとったので新規に書き直しよります。

【あばかん】たくさん。おさまりきれないくらいに、余る・あふれる。
この方言も例の「日葡辞書(九州方言→ポルトガル語対訳辞書:1603年刊)」の最初の一ページに、Cono ninjuga cono zaxiqini abacanu(この人数がこの座敷にあばかぬ=座敷に入りきれない)と収録されていました。

写真は蜜柑ならぬ自家製ポン酢をつくるための橙。

Daidaisu01

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