未収録語シリーズ

2019年1月14日 (月)

よさり

未収録語シリーズ四百三十一。よさり。
『こんよさりい ものものしゅう どこさい でかけよんなさると』『てらやまに あさひば とりに いきよります』「この夜中に物々しい姿でどこへ出かけられてるの」「寺山に朝日を撮りに行ってます」

【よさり】夜中。夜分。今晩。今夜。「ゆうさり」「ようさり」とも言うようです。
漢字で書くと夜去《よさり》。この夜去の去ですが、不思議なことに「去る」には来る・近づくという意味があるらしく、元々は夜が来る・夜が近づいてくる「夕方」のことだったようです。

高祖山あたりから出てきました。

Asahi13

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年12月31日 (月)

はぎな

未収録語シリーズ四百二十九。はぎな。
『うちんがいの ななくさな せり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずなに はぎなばい なしてか ばばさんのころから』「うちの七草はね、せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずなに最後がはぎなだったよ。なぜかお婆さんのころからね」

【はぎな】嫁菜《よめな》のこと。古名が「薺蒿《うはぎ》」なのでここから「はぎ菜」になったとでしょうね(いいかげん)。どうして七草に嫁菜が入るとか理由はわかりません。まぁ伝統食ていうとは、やっぱし地域や家庭の環境で変化してくるとでしょうね。

うちんがいは、市販の七草パックをつかった七草おじやでございます。

Nanakusa_ojiya2018

では、よいお年をお迎えください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年12月17日 (月)

てもんくう

未収録語シリーズ四百二十七。てもんくう。
『やっつけしごとて なめとったらくさ しっかり てもんくうて そんこいて しもうたばい』「簡単なおざなり仕事となめていたらね、しっかり手間暇食って損してしまったよ」

自業自得というもんですたいね。

【てもんくう】手出し自腹自費。損をすること。言葉の由来は「手を食う物を食う」からでしょうか。手要り物要りのことですか。もしかすると手間《てま》の訛りか。

最近はボケ防止に指の運動、こげな手遊びをしよります。折り紙折り鶴。

Orizuru06

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年12月10日 (月)

だらくさ・だらしか

未収録語シリーズ四百二十六。だらくさ。
『なんか こんへやな ちらかりまくっとるやなかか だらくさかな』『ここなんちか からだん だらしかけん ほったくっとると』「なんだいこの部屋は散らかり放題じゃないか。だらしないな」「ここ数日体がだるくて疲れてるから放りっぱなしなんだよ」

【だらくさ】いいかげん。だらしないこと。なまける・おこたる。怠惰。
【だらしか】くたびれ。へばり。疲れ。きつい。
なんとなく似た言葉の二つですが、「だらしない」と「くたびれ」を一緒くたにしちゃいかんばい・・・ということで、今更ながら整理してみました。
どちらも語源は古語のだらだらの「だら」やなかでしょうか。人の動作や物の動きがゆっくりとゆるやかに続く様子(精選版日本国語大辞典)。
人と地域によっては「だらしい」とも言うようですが、個人的には二十歳ころまで聞いたことも使ったこともなかったとですよね。なんとなく大分あたりから四国弁の影響が入って来とるとかな・・・と思っている次第であります。

だらしかときは、こげなもんでも飲んで元気つけまっしょう。みょうがを甘酢漬けした、その甘酢の日本酒割り。

Myoga05_2

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2018年12月 3日 (月)

えずう

未収録語シリーズ四百二十五。えずう。
『おおほりば あさはよー あるきよるとばって こんごろな てぶくろ いちまいじゃ たりんぐらい えずう ひえるひの おおなってった』「大濠公園を朝早く歩いているんだけど、最近は手袋一枚じゃ足りないくらいにひどく冷える日が増えてきたよ」

【えずう】ずいぶんと・相当に・かなり・ひどく・甚だしい。えずい《怖い・恐ろしい》から派生したきたとでしょうね。「えずい」は収録済みでしたが、こちらは未だでした。いまごろ思い出すな!という話ですが・・・。

冷えた日の朝の月です。えずう冴えわたっていました。

Saezuki

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2018年11月19日 (月)

おっとこまかせ

未収録語シリーズ四百二十四。おっとこまかせ。
『こくらで いっぱいのもーて ぶらっと みせに はいったたーよかばってん がいこくんびーる ばっかしやったけん おっとこまかせで めにゅーの いちばんうえにあったとば ゆびさした』「小倉で一杯呑もうと店に入ったのはいいけれど、外国のビールばっかしだったからメニューの一番上を指差したよ」

【おっとこまかせ】とりあえず。取り急いでの意味。糸島弁に同じ意味用法で「おっとり《押取》」というのがあります。「押取」は元々「急の用事・急場・今すぐ・急いで」なので、この博多弁もこの「おっとり」に由来した方言やろうて思います。ただなぜ「おっとり」が「おっとこまかせ」となったかが、よくわからんとですよね。

わからんけん、いつものようにいいかげんな「こじつけ・当てっぽす」してみましょう。
「やっとこ」「やっとこまかせ」という言葉があります。
【やっとこ】かろうじて物事をはじめること。たどたどしく動き出す様子。
【やっとこまかせ】なにかを始めるとき、行動するとき掛け声。
・・・ということからの推測。「おっとり」と「やっとこ・やっとこまかせ」が部分的に意味が似ていることから、両方の方言の取り違えや混同、あるいは合成で「おっとこまかせ」となったのでは・・・と。まぁむりやりですけど。

小倉での最初の一発。

Booties06

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年11月 5日 (月)

三階《さんがい》

未収録語シリーズ四百二十三。三階《さんがい》。
『えれべーたーに のっとったらくさ じどうおんせいで さんがいに とまりますて にごって しゃべったったい そやけん あーた なまっとるばいて ゆうちゃろう ごたったやね』「エレベーターの乗っていたらね、電子音声が(さんがいにとまります)としゃべったんだよ。だから(あなた訛ってるね)と言いたくなったよ」

・・・と実際にそう思ったんですが、話はまったく「ちゃんぽん」でして、自分の三階《さんかい》読みの方が訛りだったようです。

【三階《さんがい》】標準語(共通語)としての読み(正解)は三階(さんがい)。以下「NHKことばのハンドブック」より引用。

一階《いっかい》二階《にかい》三階《さんがい》
一貫《いっかん》二貫《にかん》三貫目《さんがんめ》
一寸《いっすん》二寸《にすん》三寸《さんずん》
一尺《いっしゃく》二尺《にしゃく》三尺《さんじゃく》下がって師の影を踏まず
一軒《いっけん》二軒《にけん》向こう三軒《さんげん》両隣り
一升《いっしょう》二升《にしょう》三升《さんじょう》

三の位?とこで、ぜ~んぶ読みが濁ってきとりますね。このへんの読みは例えば「中洲」「冷泉」「山崎」「中島」をどう読むか? つまりこの「澄んだり濁ったり」がだいたい博多んもん(自分)が普段から悩み苦手とするとこですたいね。

中洲や冷泉町については以前ここにも書いとるのでご参考まで。


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月29日 (月)

ちきり

未収録語シリーズ四百二十二。ちきり。
『すーぱーじゃ もう ちきりも はかりも なかが まちのにくやじゃ たまに ばねばかりば みるな』「スーパーマーケットじゃもう計量器はないけれど、町の肉屋ではたまにバネ式重量計算器を見かけるね」

【ちきり】竿秤《さおばかり》のこと。博多弁では基本的には「ちきり」も「はかり」も重さを測る道具で同じ意味で使いよりました。ただ厳密に区別して言うなら、どっちかというと「ちきり」はぶら下げ式の竿秤《さおばかり》で、「はかり」は針が回転するバネ式を指すことが多かったごたります。
ちなみに、「ちきり」の語源は「吊り木」やなかろうか・・・と推測しとります。

「ちきり」といや、すぐに「おしかさん」が思い浮かぶとですが、もうこんときは使いよんしゃれんやった気もします。。自分がもうこのおしかさんの年代になったもんやけん、そのへんの記憶がイマイチですたい。

Gara0611

最近売りよる「ぶら下げ式ちきり」はこげな感じ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月22日 (月)

ほいと

未収録語シリーズ四百二十一。ほいと。
『なして ほいとんごと がっつき たべよるかい めしつぶば とびちらかいてから』「どうしておもらいさんのようにがつがつとむさぼり食べてるのかい。飯粒を食べ散らかして」

親父からこんな感じでよー「がられ」よりました。こうした今では聞かない使われない差別語も日常の会話に普通に出ていました。

【ほいと】乞食。ものごい。似た表現におこもさん。五木の子守唄に出てくる「かんじん」。
今回辞書を引いてはじめて知ったとですが、漢字やと陪堂と書くらしかです。
【陪堂】禅宗で僧堂の外で食事のもてなしをすること。このへんから他人に食事を施すこと→物乞いと変化してきたとのごたります。

ちなみにいつもの「日葡辞書(九州方言→ポルトガル語対訳辞書:1603年」にもIunreini foitô《巡礼に陪堂》と記載がありました。

Jyunrei

写真は映画「砂の器」のDVD表紙。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年10月 8日 (月)

つと

未収録語シリーズ四百二十。つと。
『おおほりは よー あるきよっちゃけど たまに にしこうえんに のぼると やっぱ つとのはる』「大濠公園はよく歩くんだけど、たまに西公園に上るとやはりふくらはぎが張るよ」

【つと】ふくらはぎ。もともとは「藁苞《わらづと》=わらなどを束ねて食品を包んだもの・その包むもの」に形が似ているところから来た方言。
また苞=髱《つと・たぶ》という漢字もあって、こちらは日本髪の後方に張り出た部分をいいます。こちらもその膨らみ方が一緒です。

写真は藁苞。

Makigaki01

Makigaki02

これは中津の巻き柿というお土産ですが、土産《みやげ》と書いて土産《つと・づと》と読ませることもできるようです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧