ふらほ・ふらいき
未収録語シリーズ三百四十九。ふらほ・ふらいき。
『えらい くーらーの おもたそうやが よけい つれたとな』『こまか こっぱがれいが ごろくじゅうは つれたでっしょうや』『ほー そげんね そんなら ふらほ たてて かえらな いかんめえたい』
「ずいぶんとクーラーボックスが重たそうだけどたくさん釣れたのかい」「小さい木の葉カレイが五~六十尾くらいは釣れたようです」「ほう、そんなにね。そういうことなら大漁旗を立てて帰らないといけないね」
【ふらほ・ふらいき】大漁旗。漁船の旗。国旗。一般的にはあまり馴染みのない方言でしょうが、浜言葉、漁師言葉としてはけっこう全国各地で(ふらふが多く)使われとるようです。
語源はオランダ語のVlag(英語でflag)とのことですが、個人的には風帆・振帆・Fly旗・富来旗などを当てたい気がしています。
【木っ葉(こっぱ)ガレイ】木の葉のように小さく薄っぺらいカレイのこと。太陽にかざすと骨が透き通って見えるので、自分はレントゲンカレイと言いよりました。
自分は漁師町(福岡市東区箱崎)の生まれで、若いころは小さなヨットに乗ったりしよったもんで、浜言葉や船舶用語はけっこう知っとりましたが、これは「新修版志摩町史」を読ませてもらうまで、言葉も例文のような状況を思い出すことはなかったです。もう三十年以上は昔の能古島からの帰り、渡船場での(たぶん)漁師さんとの会話がこんな感じやったです。
| 固定リンク
コメント