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2016年5月23日 (月)

かたこしぬく

未収録語シリーズ三百二十三。かたこしぬく。
『いそがしかろーに かたこしぬいちゃんしゃるたー ありがたか おおきに』 「忙しいはずなのに手伝ってくださるなんてありがたい。ありがとう」

【かたこしぬく】世話をする。手伝うこと。日本方言大辞典(全三巻)にも博多での使用例が唯一収録されているだけの珍しい方言です。

さて問題はその語源というか言葉の由来。 辞書的には「肩輿:轅(ながえ)を肩の上にのせて舁く輿(大辞林)」とあります。 正確なところでは「肩輿《かたこし》に長柄を突き抜く」こと。つまり長柄の片方を持って手伝うことということでしょうか。

上記の大辞林の一行の解説文から、この博多弁「かたこしぬく」が全国で唯一方言として成立した理由(こじつけ)を三つほど考えてみましょう。

こじつけその一。まず博多では馴染みのある舁く。山笠飾りを乗せた山笠台に固定した舁き棒を肩で舁くことですね。舁き手全員が「肩越し」に力を合わせ、舁き棒(長柄)に肩を貸しています。

こじつけその二。肩抜き、片脱ぎ。「博多どんたく港祭り」で女性の踊り手さんや三味線弾きさんたちの衣装は片袖抜き(脱ぎ)の粋な姿です。

こじつけその三。筥崎宮放生会での「幕出し」一行は、今度は男衆が片袖抜きで長持ち唄を唄いながらお宮さんに参拝。その後、長持ちの長柄を今度は引き抜き下ろして宴を催します。

博多には、このようにいろいろと「かたこしぬく」に近い所作が伝統的に引き継がれています。これがこの方言が消滅せずに語り継がれている理由ではないでしょうか。そんな気がします。

まずはきれいどころの三味線部隊。片袖抜き。

Katasodenuki

幕だしご一行。長持ち長々と長文失礼ご容赦であります。

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