« こみやられる | トップページ | ~こくる »

2012年8月14日 (火)

えつり

えっ、これも方言?シリーズ五十五。えつり。

『ひまさえ ありゃ ぼーるを こつけて あそぶけん つちかべの ほげて えつりの みえとるやないか』「暇さえあれば、ボールをぶつけて遊ぶから、土壁に穴があいて下地の竹が見えてるじゃないか」

「えつり」の用語説明をする前に、写真をご覧にいれた方が理解の早いでしょうや。築50年のご自宅の改装中に発見撮影されたものをお借りしました(三宅島紫陽花氏提供)。

Etsuri01

Etsuri02

【えつり】割り木、竹などを縄で結び、並べて、屋根や壁の下地としたもの(日本国語大辞典)。写真はまさにこの辞書用語説明通りの構造をしとりますね。

一応は広辞苑や大辞林にも収録(共通語の条件)されとるとですが、なんせ日本書紀にも出てくるごたる古い言葉やけんでしょうか、今でも使われたり記憶されたりしとる地域は三重・和歌山・愛媛・福岡・・・と少なかごたります。この地域語という理由で方言扱いしとります。当「web博多んもん」では「消滅寸前博多弁事典」の方に収録しとります。ただ収録当時の記憶がまったく飛んでおりまして、この写真を見ても丸一日何も思いださんかったです。情けなか加齢現象であります。

もうひとつ古資料の、江戸時代天保ごろに江戸詰めの久留米藩士が国元へ行った際に収集したという九州方言集の「浜荻」にも、「ゑつり壁のしたぢ桟(えつり)也。こまい木舞也。梠(こまい)とも」とあるごたります(日本国語大辞典)。

こうした古くからの土壁工法をそのまま目の当たりにできたという幸運は滅多にあることではなかですね。またこれは時代的にも博多塀と博多塀工法とつながるものがあるような気がします。

それにしても貴重な二枚の写真でありました。多謝>紫陽花氏。

|

« こみやられる | トップページ | ~こくる »

コメント

> 竹の上に塗り込みよんしゃつたです。
たしかにこの土壁と同じのごたーですね。まさにそのまんま。

> 土ば大勢の人が足でこねよんしゃつたです。
そう言われてみると、これもまた、なんかそげな姿が目に浮かんで見えてくるごたります。

投稿: MISTAKER | 2012年8月17日 (金) 14時40分

それが「えつり」かどうか知らんとですが、昔は竹ば縦、横に組んで、交差したとこば縄で縛つたとば壁にして、土にワラの切つたとば混ぜて、竹の上に塗り込みよんしゃつたです。土ば大勢の人が足でこねよんしゃつたです。

投稿: hanazono | 2012年8月17日 (金) 10時35分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/112121/55418269

この記事へのトラックバック一覧です: えつり:

« こみやられる | トップページ | ~こくる »