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2008年1月11日 (金)

券番

未収録語シリーズ六十。券番。
『あーたの おやじさんな けんばんの ねえさんの おびに えば かいたり しよったげなね』「あなたの親父さんは券番の芸妓さんの帯に絵を描いたりしてたらしいね」
絵描き志望やった自分の親父は千代町水茶屋に住んどったもんやけん、水茶屋券番の芸者さんの帯に直接絵を描き入れたりして小遣い貰ったりしよったげなです。戦前・開戦前の話になるとでしょうかね。

さて、本題。
9日付のへっぱくで、【今日9日が博多検番の芸妓さんたちの「徒(かち)詣り」ですかね】・・・と書いたとですが、じつは主なメディアは、自分が書いた「検番」ていう漢字は使わんとですよ。例えば地元紙の西日本新聞も、全国紙の朝日新聞も記事中に「博多券番」としとります。ところがこの「券番」ていうとは、広辞苑にも大辞林にも大辞泉にも無かとです。辞書にあるとはですね、たとえば大辞泉には、

◆本日のキーワード◆
【けんばん=検番・見番】(1)三業組合の事務所。また,近世,遊里で,芸者の取り次ぎや送迎,玉代(ギョクダイ)の精算などをした所。(2)「検番芸者」の略・・・とあるだけなんですよね。ちなみに三業組合ていうとは、料理屋・芸者屋・待合茶屋の三種とその協業組合のことらしかです。

面白かでっしょう?!主要辞書にない言葉を堂々と大新聞が使ーとるとですね。面白かばってん不思議な話です。もしかしたら、この「券番」は、なんかのきっかけで「検番」から方言化したもんかもしらんですね。そのへんの(きっかけやらの)事情調べはついとらんけん、とりあえず今日のところはご案内だけ。芸子さんの徒(かち)詣りもここでおしまい、おしまい。

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コメント

西日本新聞社の子会社(になるとかな)が出しとるシニア向けのフリーペーパー「ぐらんざ」の記事「博多芸者の粋の世界 花流を楽しむ」は本文や問い合わせ先も「検番」となっとりました。
ただタイトルの「花流」も「花柳」の間違いと思われるけんですね~、「へっぱくBLOG」が主張しとる「検番」の助けにはならんごたる(^^;
ちなみに、「博多の芸妓」というホームページがあって、たぶんこれが本部ていうか検番になるとでしょうが、こちらの問い合わせ先は「博多券番」となっとります。これはやっぱしもぉ固有名詞と考えて平文と使い分けせんといかんかな。

投稿: MISTAKER | 2008年1月29日 (火) 09時46分

> 木札で予約を確定し、花代計算の裏付けにするからでは・・?
まだ、ぜ~んぜん、資料に当たったわけやないけんですね、なんとも言えんとですが、感覚的には「身請け用の証文証券を預かっとるところ」みたいな気がしとります。
おきゅーとさんのおっしゃる「木札」も考えらるーですね。自分は札関連では下足札に取っ掛かりをと思うとりました。まだまだいまからの調査と推理ですね。なんか気づかれたらお教えくだされませ。

投稿: MISTAKER | 2008年1月13日 (日) 03時13分

 何か”券”の意味を聞いたと、惚け始めた
脳の隅に引っ掛っています。
それは、芸者さんに「お座敷が掛かった」
ときに木札で予約を確定し、花代計算の
裏付けにするからでは・・?
余談ですが、春吉も券番があったと記憶しています。
親から、「春吉には行かんごと」と言われて
ましたが、今も分かる人には分かるでしょう。

投稿: おきゅーと | 2008年1月12日 (土) 21時50分

> 検番は今は券番と書くとですか。
たぶん博多だけが「博多券番」て名乗りよるとのごたーですね。全国的には正規表現のはずの「博多検番」ていうとは、文献資料やらネットにもチラッチラとはあるとですが、地元じゃ圧倒的に券番のごたーです。

> 内のばーちゃんや母親が話してた事
お医者さんの話も、居続けの話も面白かですね~。とくに色男のとやら、なんかこのお話だけで一つのお芝居のできるごたるですね。長谷川一夫と山本富士子で・・・なーんちゃ、古過ぎですかいなね、さすがに。

投稿: MISTAKER | 2008年1月11日 (金) 20時28分

検番は今は券番と書くとですか。日本の字の使い方も変つてきたもんですねー。 内のばーちゃんや母親が話してた事に、家族のかかりつけの医者が「芸者さんは綺麗かもんねえー」とよく言いよんしゃつたが、あの人は芸者遊びが好きやつたけんねー、と。 水茶屋検番の芸者さんが、おめかしして人力車で出かけよんしゃつたのを、なんとなく覚えとうです。父親のいとこが結婚してるのに、芸者の置屋に泊りこんで、家に帰つてこんもんやけん、その親が困つて、うちの父に連れ出してきてくれと頼みんしゃつたげな、父はコチコチ人間やつたもんやけんとてもそげな所に行ききらんで、友達にその用事をたのんだところが、その友達が手ぶらで帰つて来て言うには、あーあ色男では、芸者が離さんばい。あとはどうなつたのか、知りまっせん。

投稿: hanazono | 2008年1月11日 (金) 15時04分

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