きすご二尾目
博多の食いもんシリーズその十五。きすご二尾目。
『ふゆばな しかんしまで かれいつりい いきよったとばってん ちかごろな なつの きすごつり ばっかしたい』「冬場は志賀島でカレイ釣りに行ってたんだけど、近頃は夏のキス釣りだけだよ」
この「博多の食いもんシリーズ」のはじめんころ、「きすご」についてへっぱく放いとったとですが、最近また新しかことのわかったけん追加さしてもらいよります。
◆本日のキーワード◆
【きすご】標準和名でシロギスのこと。通称で略形のキス。
実は、キスゴていう方言魚名は、キスという標準名があって、それが訛るか派生するかした新しい言葉やろうて思うとったとですよ。それがどうも大間違いで何百年も前から「きすご」ていう呼び名のあったごたるとです。当時はこっちが共通語やったとでしょうね。倭漢三才図会(1715年?)ていうとの中に「幾須吾(きすご):大なるものを古豆乃(こずめ)といい、紀州にては道保(どうほ)とよぶ」とあるげなです(たべもの語源考:平野雅章:雄山閣)。幾須吾(きすご)という、まさに古語がそのまま博多にも根付いとったわけですね。方言の方が歴史が古いとですね。不思議な気がしますです。またおなじ博多の方言魚名の「セイゴ」にもちゃんと「清魚」などと由緒ありげな文字が当てられとる資料もあるごたります。
ちなみに筑前国続風土記(巻之二十九:土産考)の方にゃ、「きすご:味も性もよし。病人食すべし」て書いちゃります。「性も良し」ていうとは、クセのないとか、あっさりしたとかいう意味やろかな。勉強になりますばい。ほんとに。
んでは、本日のネタ写真は、幾須吾ならぬキス子・小ギス写真であります。
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