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2007年10月12日 (金)

春冠

博多の食いもんシリーズその八。春冠。
『なあなあ さいもんに たいやら はなやらの かたば つこーて つくっちゃる なんとかかんて いうとがあるやろうが』『そら さえもんの らっかんやろ』『うんにゃ らっかんな おかしやないな ちがうばい かまぼこの なんとかかんたい』『あらー さえもんじゃのーて さいもんな それやったら しゅんかんたい』『ああそれそれ』
「ねえ西門(さいもん)に鯛やら花の型を使ってつくってある(なんとかかん)というのがあるだろう」「それは左衛門(さえもん)の落雁だろう」「いや、落雁はお菓子じゃないか。違うよ、蒲鉾の何とかかんだよ」「あらら左衛門じゃなくて西門のことかい。それだと春冠だよ」「それだそれだ」

ハナから長い例文になりました。ご容赦ですたい。なして、前回のへっぱくで落雁を話題にし、今回のテーマの春冠(蒲鉾)とまた落雁をからませたかていうと、この二つが根元でどうも密接に関連しとるごたる気がしてですね、それでこげな会話文ばでっちあげたとですたい。(追記:左衛門(天神の和菓子屋さん)ヘのリンクを見つけきらんとね)

【春冠:しゅんかん】祝儀用の細工蒲鉾は全国いたるところにあるごたりますが、博多では春冠ていうとです。他地域にはこげな呼び名はなかごたるけんですね、なして博多で春冠やら言い出したとか、そこらあたりの語源ば探ってみろうと調べ虫がうずいてきたとです。春冠のいわれや由来(だけやのーて春冠そのものも)とか、辞書にもネット検索でもなかなか引っ掛からんけん、ちーと苦労したとですが、どうもコレやないかと行き着いたとが日本国語大辞典にある「筍干(しゅんかん)」。ちーと引用しときます。
【筍干(しゅんかん)】1:筍を切って鮑・小鳥・蒲鉾などと色よく煮含めて盛り合わせた普茶料理のこと。2:節を抜いた筍に魚のすり身を詰めて煮たもの。3:吸物の下地に、ふき・つくし・鳥肉・蒲鉾を入れた春向きの料理(対馬方言)・・・とあるとです。どげんですか、細工蒲鉾に春冠と名づけた由来がこのへんにあるごと思えんでしょうか。

さて、ここで気になるとが、蒲鉾が普茶料理に使われよったということですたいね。これは例文にもあげとる西門蒲鉾を、漫画家の長谷川法世さんが取材しんしゃった読売新聞の記事にもチラっと出てきとりました。
実は、この普茶料理に落雁も登場してくるとですたいね。どげんですか、普茶料理をいただいたことがある方なら覚えとんしゃるっちゃなかですか。最初にお茶と落雁が出て来んやったですか。出てきたでっしょう。普茶料理にゃ昔から筍干(蒲鉾)と落雁がつきものやったとですね。どちらも打ち物(型に入れて打ち出したもの)やないですか。どっちが先かはわからんばってん、同じ普茶料理の中の一品として、蒲鉾と落雁がその打ち方(細工)を競いあうごとして、一方は主に祝儀用として、一方は本来の仏事用としてちゃんと住み分けしながら(少数ながらその逆もあるごたる)、発展しつつ今に続いてきとるっちゃなかでしょうかね。あんまし根拠もない当てずっぽうですばって、そげな気がしとります。

はい、では、その春冠の写真で終わりにしますです。

Syunkan

三宅島紫陽花さんの魚嘉取材の際の写真をお借りしました。春冠の語源や由来を考えるきっかけになったともこの写真からであります。紫陽花さん、本当にありがとうございました。多謝感謝。

◆追加情報(&結論)◆
信仰に息づく食の文化というサイトで「しんかん菓子=落雁」ていうとを見つけました。まさに、落雁=春冠であります。で、「しんかん」の意味を探ると(辛甘と予想していたが)、落雁材料のしんこ(しん粉:白米を日光に乾かし臼でひいた粉)から来たと解説してある富山弁サイト(ただしgoogleのキャッシュなのでいつ消えるかわからんです)があったとですが、ここはやっぱし、このしんかんも筍干をルーツにしとると考えた方が良かかもしらんですね。最初に筍干(料理&orその器・型を含む)があり、そこから春冠(細工蒲鉾)としんかん菓子(落雁)に二別れしていったと考えられるごたるですね。

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コメント

ぼたんさん、おひさ~。ホークス負けて抜け殻状態ってことはないですか?!
自分は諦めの早かったけんダメージは少なかった気もしとりますが、やっぱ腹に一物(ストレス)がたまったまんまのようでもあります。オフの編成次第では、どっかで爆発するとやないかとも・・・。

おっと、本題の春冠の話(^^;。自分の結婚式も、祝かまぼこばつけたような記憶があります。そのころの引き出物のお頭付きの鯛は干からびた輸入冷凍モノのごたったけん、そげなしょうもない鯛をつけるなら、かまぼこ鯛の方がなんぼかマシ・・・という判断やなかったでしょうか。

> 最近「板つき」やら「すぼ」やら言うてもいっちょん通じらんごとなりましたね
そうそう。それに板付基地・板付空港も話が通じらんです。ましてや基地にあった蒲鉾兵舎やらもね。年ぁ取るわけですたい。

投稿: MISTAKER | 2007年10月16日 (火) 20時19分

春冠は弟が結婚する時に「引き出モンな絶対春冠の付いとらんとでけん!」と実家の父が言い張り さいもんさんまでわざわざ注文しに行きましたよ~
最近「板つき」やら「すぼ」やら言うてもいっちょん通じらんごとなりましたね・・・

投稿: ぼたん | 2007年10月16日 (火) 14時47分

> 贅沢の一語に尽きるのでは・・・・?
そうのごたーですね~。+チップていうとには大笑いしました。
しかし、このネタに首突っ込むまで、お茶と蒲鉾が結びつくとか考えたこともなかったです。面白かですね~。
小林蒲鉾はモノ(価格)にもよるとですが、自分は(本物の藁)すぼで巻いちゃる「すぼつき」がうまかな~て思うとります。

投稿: MISTAKER | 2007年10月14日 (日) 11時36分

 利休と蒲鉾の話しは、一応茶道遣ったので、派手な今の茶道を戒める為に読みました。この茶事は確か山崎で催されたと記憶してます。落雁なら地元京都で用立てられるし、大坂じゃないと蒲鉾はできないし、傷み易いから早馬を仕立てたのです。原価計算すると、蒲鉾代+(@乗手+@馬の借賃)×大坂往復時間+途中休憩茶屋の代金+チップ となり、贅沢の一語に尽きるのでは・・・・?

 「瞬間「ですか!アア! 爆 「俊寛」僧都は流罪先の鬼界島で蒲鉾の材料に恵まれながら、本当に哀れなことです。

 上田蒲鉾が正しいです。近くに住んでたのに如何です。西新の重さで買えるお店は、菓子、弁当、おかずを並べてない方です。でも、両方の大将も御寮さんも商売上手です。西新商店街HPにあります。

投稿: おきゅーと | 2007年10月14日 (日) 08時24分

> 「なつかしか~」ってみた瞬間(春冠)思いました。

「おー、そら、ふてーがってー、どうかいな!瞬間ていうだけに速かったっちゃろな~?どんくらいの速さやったとな?」
「うん、瞬間線ひかり号ぐらいの速さはあったばい」

お粗末さまでした(^^;

投稿: MISTAKER | 2007年10月14日 (日) 03時16分

> アテに向いた天プラが重さで買えて、個人的には大好きです
もしかして、ココは小林蒲鉾やのーて、宇佐美かまぼこ店ていうとこですか。あー、ここは練り物屋さんやったとですね。毎日のごと近くば歩きまわりよるとに、店の前にゃ煎餅やらお菓子やら、そげなとばっかり置いちゃるけん、ぜーんぜん気がつかんかったです。お見知りおきをば>宇佐美さん。

投稿: MISTAKER | 2007年10月14日 (日) 03時01分

> 利休は弟子が茶事に蒲鉾を大坂(大阪)から早馬で取寄せたら
このへんの逸話も詳しく調べることができたら、意外と蒲鉾じゃなくて落雁のことだった・・・なんてことはありませんかね。
> お取寄せ大好きな、誰かさんも奥様にしばかれていないでしょうか?
ははは。それはなかですよ。自分の取り寄せや手料理は、自前の少なか小遣いで作りよるとです。そのうえ肴だけやのーて、家族の晩飯のおかずになりよるとですから、お金も調理の手間も省けて、女房殿は文句言うどころか、御の字のホクホク顔であります。

投稿: MISTAKER | 2007年10月14日 (日) 02時50分

> 引き出物に、この蒲鉾が入っていて、
昔はですね~、よー入っとりました。今はかなり少なくなっとるようですよ。そげん蒲鉾ばいっぱい貰ーてもしょうがなかろたい・・・というわけでしょうね。
> 六本松のややこしい交差点のあたりに
それが、ゴリラの人形(鳥飼不動産のシンボルキャラクター)が壁に張りついとるビルの下か、すぐ横あたりのことなら、たぶん上田かまぼこ店http://www1.fbs.co.jp/cgi-bin/mentai_info.cgi?mode=show&no=5028やないですかね。

投稿: MISTAKER | 2007年10月14日 (日) 02時41分

>さいもんカマボコ作りよんしゃーですかhanazonoさん。はい、作りよんしゃーですよ。やっぱ博多の名門やけんですね~、そんかーし「さいもんかまぼこ」は音に馴染んで聞き知っとっても、案外と「さいもん」ば漢字じゃどげん書くか知らん博多んもんも居んなるごたーです。なんとのー博多んもんのオオマンさがでてきとりますね~。

投稿: MISTAKER | 2007年10月14日 (日) 02時32分

「なつかしか~」ってみた瞬間(春冠)思いました。

投稿: げなげな話・やっぱりゴアは地球を侵略する。 | 2007年10月13日 (土) 22時53分

>六本松のややこしい交差点のあたりに、なかったですか?
 ややこしいく202号線(国体道路)と城南線に挟まれた所の松本蒲鉾店だと思います。あと、西新町の旧道の商店街蒲鉾屋さんは、アテに向いた天プラが重さで買えて、個人的には大好きです。 (;-_-)

投稿: おきゅーと | 2007年10月13日 (土) 09時28分

「春冠」が「筍干」を綺麗に表現したのですか、京都のはんなり的発想で素晴らしい。「筍干」じゃ、ラーメンの「支邦竹」(支邦が差別用語ではなく、中国共産党公認がなのだ!)みたいで乾燥竹じゃパンダ以外は食欲を感じない。

 彩色加工化蒲鉾と言えば、お役所発想で、これも食欲を感じない。

 蒲鉾は安土桃山時代から有ったようで、当時は贅沢品で、利休は弟子が茶事に蒲鉾を大坂(大阪)から早馬で取寄せたら、贅沢だと叱ったと伝えられています。お取寄せ大好きな、誰かさんも奥様にしばかれていないでしょうか? 汗

 冠婚葬祭に春冠を注文し、その折の記念に関係者に配る心使いは、いかにも水産資源豊かな博多文化らしいと思います。まあ、アテにしたら量、質とも最高だと思います。これは、飲ん兵衛の考えです。 笑 Mistakerの愛する猫チャンも嬉しいでしょネ。


  

投稿: おきゅーと | 2007年10月13日 (土) 09時05分

私も、春冠って言う名前って初めて知りました。
初めて、友達の結婚式に呼ばれて行った時に、
引き出物に、この蒲鉾が入っていて、
「すご~い、蒲鉾やん! おもしろ~い」と
感動した事を思い出しました。

そういえば、こんな蒲鉾を並べてあったお店屋さん
六本松のややこしい交差点のあたりに、なかったですか? 勘違いかな・・・。

投稿: jet-kerry | 2007年10月13日 (土) 08時47分

ワァー 今でもこのさいもんカマボコ作りよんしゃーですか、なつかしかあー。ところで春冠て名前ば初めて知りました。

投稿: hanazono | 2007年10月13日 (土) 02時57分

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