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2006年12月23日 (土)

嫁御ぶり

博多の食いもんシリーズその六。嫁御ぶり。
『よめごぶりば もろーたたー よかばってん こげん ふとかたー どげんしょーか きんじょんにきに くばらな いくめーな』「嫁御ぶりを戴いたのいいけれど、こんなに大きいのはどうしましょう。ご近所に配らないといけないでしょうね」

◆本日のキーワード◆
【嫁御ぶり:よめご鰤】博多の年の暮れの慣わしのひとつ。嫁ぎ先(の実家)から、嫁の実家へ「良か嫁御ぶりでした」ということで、寒ぶりを届けることをいうとです。お返しは「ありがたい・おめでたい」で鯛を届けることが多かったらしかです。らしかというとは、自分は実際に経験しとらんし、今ではあまり聞くことのない行事になっとるけんですたいね。
ただ、つい最近、前原市の方の大きな魚屋さんで「嫁子ぶり」(やったか「嫁小ぶり」やったかどっちか忘れたばってん)というノボリを見かけ、この辺はまだしっかり行事として残っとるとやな~と思ったことでした。
さて、この贈られた嫁御ぶりをどうするかというと、博多は雑煮に入れるとです。もともと博多の雑煮は、一部で鯛やアラ(ハタ科クエの地方名)を使う家もあるとですが、だいたい鰤雑煮が多かとです。昔は一匹丸ごとを塩にして土間やら台所の天井から吊るしちゃりました。薄暗いとこで、ぶらさがりぶりにぶつかってんなっせ。たいがいビックリしますばい。
【ぶり】ついでやけん、ぶりの語源説ば日本国語大辞典から丸写し(^^;しときましょう。1:あぶらの略転。2:炙(あぶ)り上略。3:年を経た意の経(ヘ・フ)るの転・・・などなど。
【きんじょんにき】近所+にき。にきは根際・軒際・野際などの転で、すぐ近く・すぐそばの意味。

はい、ほんなら、そのぶりば使ーた我が家の雑煮ば見てやんしゃい。

Hakatazoni

椀の上の方の四角っぽいとがぶり切り身。右がかつお菜(また別の機会にご紹介しまっしょ)。その下が蒲鉾。左に金時人参とどんこ椎茸。その下が里芋。あと、柚子の皮を落として「澄まし」雑煮の出来上がりでござります。
そういや、この雑煮も、関東の人が「お雑煮に青魚を入れるなんて!」と、たまがりよりましたな~。

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コメント

ぼたんさん、おひさ~。復活間近のようでなによりであります。またいっぱい艶のある話を聞かせてください。来年もよろしくね~。

> うちでは当たり前のように「板つき」と「すぼつき」または「すぼ」ですが^^;
うちもまったく同じで当たり前のことなんですが、これがぜ~んぜん他所には通じんとです。全国共通ではなかごたーとですね。この「すぼ」の件は、このレスを書いた後、すぐ新規に、「えっ、これも方言?シリーズ」としてアップしょうと思っとります。

> するめと昆布&ごぼうのささがき
博多の雑煮もいっぱいパターンのあるとですね。そのへんの材料を使うやら、そのことのことはあんまし知らんかったです。自分とこが博多雑煮の本流やら勝手に思うとったら大間違いのごたーですね。

だいたいが、昔の博多のおいしゃんたち(帯谷瑛之介:博多の味:保育社)(博多のしきたり:波多江五兵衛:西日本新聞社)は、博多雑煮は「鯛」、具はかつお菜・しいたけ・里芋くらいと書いちゃーです。シンプルイズベストが博多流のごたーですね。

投稿: MISTAKER | 2006年12月30日 (土) 04時34分

>蒲鉾の「すぼつき」はまーだ少なかかも。

えっ・・・標準語とは思ってませんでしたけど普通に言いませんか?うちでは当たり前のように「板つき」と「すぼつき」または「すぼ」ですが^^;
あたしの実家のお雑煮は 丸餅(焼かずにのべる)・かしわ・塩鰤・板つき・かつお菜 ですがあごでだしを取った後 
するめと昆布を細切りにして入れ味をととのえます
相方のお雑煮は上記の具プラスごぼうのささがき・にんじんが入り更に具だくさんの仕様です

投稿: ぼたん | 2006年12月29日 (金) 18時50分

> お雑煮に青魚を入れるなんて!(笑)
そうそう。関東人からは必ずそう言われてしまうんですよね~。極端な話が、魚のちり鍋に餅が入ってると考えたら不思議でもなんでもなさそうに思えるんですが・・・。やっぱ不思議かな(^^;
ま、出汁そのものが、焼干しあご(飛魚を素焼きして干した物)か、焼干しハゼからとりますから、ぶりとの相性じたいは悪くはないです。
自分の場合、ぶり雑煮は正月のハレ料理で、ふだん(家族みんな雑煮好きなので)は親鳥の切り身なんぞでつくったりしています。正月は丸餅を焼いて入れます。ふだんは佐藤の切り餅を湯のばしすることが多いです。

投稿: MISTAKER | 2006年12月28日 (木) 11時36分

お雑煮に青魚を入れるなんて!(笑)
うちの方は鶏肉でーす。そのほかの具も三つ葉か小松菜、なるとぐらいで少ないです。お餅は焼いてから入れます。
「野際」は苗字に馴染みがありますね。

投稿: ミーシャ | 2006年12月28日 (木) 10時05分

> 塩をして藁スボに巻かれ、飛騨高山まで運ばれた・・・
げなですね~。これも初めて知ったことでした。こげんして海産物がなぜか海のない所の名物名産になっとるとこもけっこうあるごたるですね。京のぐじに鯖・比婆のワニ・大分竹田の頭料理・・・とかですね。
で、ついでばってん、なんくるさん(やら自分も)も普通に「藁スボ」て言うたり書いたりしよーばってん、これは多分方言やろて思います。ネット検索したっちゃ、そうそうはヒットせんはずです。試してみんしゃると面白かですよ。蒲鉾の「すぼつき」はまーだ少なかかも。

投稿: MISTAKER | 2006年12月26日 (火) 01時45分

ようみたら、ブリの送り主が博多と富山じゃ違っとる。
これまた、へぇーです。

富山で揚がったブリは、塩をして藁スボに巻かれ、飛騨高山まで運ばれたそうです。
いまでも、藁に巻かれたブリが富山でも売ってあります。

投稿: ひろくま | 2006年12月25日 (月) 05時26分

> 博多にもあったなんておどろきです。
富山にも同じごたるとがあるとですね~。まったく同じセリフを書かせてもらわないかんですね。たまがるばい(^^;
富山ん方は嫁御の方から贈るって書いちゃったけん「亭主ぶり」になるとですね。習慣そのもんの名前はわからんかったばってん、「ぶりおこし」やら「半身返し」やらの関連情報もゲットできました。良か情報ば教えてもらいました。さんきゅーおおきに~。

投稿: MISTAKER | 2006年12月24日 (日) 10時48分

以前2年ほど住んでいた、富山県ではこの習慣がまだまだしっかり続けられていました。
博多にもあったなんておどろきです。
日本海側ブリ文化のつながりですねぇ。

富山と言えば、氷見の定置網で獲れた寒ブリはホントに旨かったです。

そうそう、ブリが大漁の年はまだしも、不漁の年はこのブリが高騰して手に入れるのも往生する(大変だ)と言ってました。

投稿: ひろくま | 2006年12月24日 (日) 06時07分

> 結婚して3年間毎年夫の実家から私の実家へ
基本は3年間げなですね。三年たちゃ嫁御じゃのーなるとかな(^^;ははは。
> 今のように暖かいと思う感じはなかったようですね
そうそう。それを自分も考えよったとです。昔はそれこそ今みたいに暖かい冬なんてなかったですもんね~。気候そのもんが寒かったし、建物もスースースーで風通しもよかったろうし(安普請ともいう)、暖房器具もそうそうはなかったろーけんですね、土間にいっときぶらさげとっても「ねまらんかった」ちゃなかでしょうかね。ま、たいがい、塩は濃いかったとでしょうが・・・。
月桂樹さんちのお雑煮。きれいなお澄ましですね~。お椀もお上品やな~。自分とこは、ぶりの下茹でが完全やないとと、餅ばいっぺんに3個も4個も入れるけん、半濁澄まし(^^;になっとります。
ごぼうやら蓮根入れるとは初耳やったです。やっぱおなし博多でも家庭家庭でちょこっとずつ違ーとるごたるですね。面白かな~。

投稿: MISTAKER | 2006年12月24日 (日) 02時13分

> 折角の日本髪に当ってわやになつたなんて話
いやぁ、ありそうありそう。いかにも実感のある話ですたいね。終戦前までということですが、自分は学生時代か卒業後すぐくらいに、友人の家で「ぶらさげぶり」を見た記憶があるけん、昭和46~8年頃のこっちゃなかでしょうか。友人のオヤジさんは久留米の人て聞いとったけん、お袋さんが博多やったっちゃろな~。

投稿: MISTAKER | 2006年12月24日 (日) 02時01分

結婚して3年間毎年夫の実家から私の実家へ近海物の鰤が届けられていました。
勿論”嫁御ぶり”としてですが、そして細い縄に引っ掛けられた新巻鮭も夫の実家には涼しい所に下げてありました。
と言っても何処も寒かったのですが、今のように暖かいと思う感じはなかったようですね。
夫の実家では魚を捌ける人が居なかったので何時も私が借り出されていました。
今では義父も亡くなり、そんな事もありませんが、博多雑煮、当ブログでも紹介してました。
http://aj4u99.at.webry.info/200601/article_2html

投稿: 月桂樹 | 2006年12月23日 (土) 17時35分

私の子供の頃は台所の土間に(キッチンじゃなかとばい)に新巻(シャケ)なんかと一緒のぶらさがつとたのを、よーおぼえとーよ。それが、お正月用に結った、折角の日本髪に当ってわやになつたなんて話を聞かせられたもんばい。まあーそれも戦争までで、それからはなーんも無かごとなつたばつてん。

投稿: hanazono | 2006年12月23日 (土) 12時33分

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