2019年1月14日 (月)

よさり

未収録語シリーズ四百三十一。よさり。
『こんよさりい ものものしゅう どこさい でかけよんなさると』『てらやまに あさひば とりに いきよります』「この夜中に物々しい姿でどこへ出かけられてるの」「寺山に朝日を撮りに行ってます」

【よさり】夜中。夜分。今晩。今夜。「ゆうさり」「ようさり」とも言うようです。
漢字で書くと夜去《よさり》。この夜去の去ですが、不思議なことに「去る」には来る・近づくという意味があるらしく、元々は夜が来る・夜が近づいてくる「夕方」のことだったようです。

高祖山あたりから出てきました。

Asahi13

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2019年1月 7日 (月)

れんぎ

未収録語シリーズ四百三十。れんぎ。
『かいしゃじゃ うわやくに ごますっても いえじゃ もう れんぎ つかうこたー のうなったろう』「会社じゃ上役にゴマすっても、家ではもうすりこぎ遣うことはなくなっただろう」

【れんぎ】連木と書きます。すりこぎ。擂粉木棒のこと。
あのイボイボ突起のすり鉢の中でこねくり回すんですから硬い木質の山椒の木がすりこぎには向いているそうですね。
で、どうしてすりこぎのことを連木というのか、その由来をいろいろ考えたり文献をけっこう調べたとですがはっきりせんかったです。ただ「筑後方言辞典:松田康夫:久留米郷土研究会刊」に、練木・捻木の転ではないかと書いてありました。なるほどですね。

いまはこげな感じのもんを使っとります。便利ちゃ便利です。

Gomaae01

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2018年12月31日 (月)

はぎな

未収録語シリーズ四百二十九。はぎな。
『うちんがいの ななくさな せり なずな ごぎょう はこべら ほとけのざ すずなに はぎなばい なしてか ばばさんのころから』「うちの七草はね、せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずなに最後がはぎなだったよ。なぜかお婆さんのころからね」

【はぎな】嫁菜《よめな》のこと。古名が「薺蒿《うはぎ》」なのでここから「はぎ菜」になったとでしょうね(いいかげん)。どうして七草に嫁菜が入るとか理由はわかりません。まぁ伝統食ていうとは、やっぱし地域や家庭の環境で変化してくるとでしょうね。

うちんがいは、市販の七草パックをつかった七草おじやでございます。

Nanakusa_ojiya2018

では、よいお年をお迎えください。

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2018年12月24日 (月)

ぐらり

未収録語シリーズ四百二十八。ぐらり。
『まいとし おせいぼな さけの きよったとに ことしな なしてか あまかもんの きてくさ ぐらりしたやね』「毎年のお歳暮にお酒が来ていたのに、今年はどうしてか甘いものが来てね、がっかりしたよ」

いただき物に贅沢言うてはいかんです。で、ぐらり。

【ぐらり】がっかり、残念。すこし憤慨というか憮然とした気持ちも入っとりますね。憤慨を通り越すと「ぐらぐらこいた」になって怒り心頭というやつです。辞書的には「ぐらり」も「ぐらぐら」もモノが揺れ動いたり傾いたりすることで、博多弁としての残念さや怒りの意味はないですね。

Tomita02

写真はトミタ。

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2018年12月17日 (月)

てもんくう

未収録語シリーズ四百二十七。てもんくう。
『やっつけしごとて なめとったらくさ しっかり てもんくうて そんこいて しもうたばい』「簡単なおざなり仕事となめていたらね、しっかり手間暇食って損してしまったよ」

自業自得というもんですたいね。

【てもんくう】手出し自腹自費。損をすること。言葉の由来は「手を食う物を食う」からでしょうか。手要り物要りのことですか。もしかすると手間《てま》の訛りか。

最近はボケ防止に指の運動、こげな手遊びをしよります。折り紙折り鶴。

Orizuru06

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2018年12月10日 (月)

だらくさ・だらしか

未収録語シリーズ四百二十六。だらくさ。
『なんか こんへやな ちらかりまくっとるやなかか だらくさかな』『ここなんちか からだん だらしかけん ほったくっとると』「なんだいこの部屋は散らかり放題じゃないか。だらしないな」「ここ数日体がだるくて疲れてるから放りっぱなしなんだよ」

【だらくさ】いいかげん。だらしないこと。なまける・おこたる。怠惰。
【だらしか】くたびれ。へばり。疲れ。きつい。
なんとなく似た言葉の二つですが、「だらしない」と「くたびれ」を一緒くたにしちゃいかんばい・・・ということで、今更ながら整理してみました。
どちらも語源は古語のだらだらの「だら」やなかでしょうか。人の動作や物の動きがゆっくりとゆるやかに続く様子(精選版日本国語大辞典)。
人と地域によっては「だらしい」とも言うようですが、個人的には二十歳ころまで聞いたことも使ったこともなかったとですよね。なんとなく大分あたりから四国弁の影響が入って来とるとかな・・・と思っている次第であります。

だらしかときは、こげなもんでも飲んで元気つけまっしょう。みょうがを甘酢漬けした、その甘酢の日本酒割り。

Myoga05_2

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2018年12月 3日 (月)

えずう

未収録語シリーズ四百二十五。えずう。
『おおほりば あさはよー あるきよるとばって こんごろな てぶくろ いちまいじゃ たりんぐらい えずう ひえるひの おおなってった』「大濠公園を朝早く歩いているんだけど、最近は手袋一枚じゃ足りないくらいにひどく冷える日が増えてきたよ」

【えずう】ずいぶんと・相当に・かなり・ひどく・甚だしい。えずい《怖い・恐ろしい》から派生したきたとでしょうね。「えずい」は収録済みでしたが、こちらは未だでした。いまごろ思い出すな!という話ですが・・・。

冷えた日の朝の月です。えずう冴えわたっていました。

Saezuki

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2018年11月26日 (月)

おつぼ

えっ、これも方言?シリーズ七十五。おつぼ。
『きょうとの りょうりやで いいおつぼですねって ほめたっちゃが へって かお されたやね』『そらなしてね』『おつぼがおつぼんいみがつうじんやったごたる』「京都の料理屋で(良いおつぼですね)と言ったら、へえ?という顔をされたよ」「それはどうして?」「おつぼが、おつぼの意味が通じなかったみたい」

・・・というわけで、「おつぼ」がこちらの方言ということが判明。まさかね~、まさかやったです。

【おつぼ】坪庭。屋敷内にしつらえられた内庭。小庭。
この方言の根っこ由来を考えると、「壺」や「坪」という古語に行き当たるごたります。とりあえず小坪《おつぼ》が語源とでもしときましょうか。
【壺《つぼ》】小さい中庭 【坪《つぼ》】 建物あるいは垣で囲まれた一区画の土地。中庭。いずれも広辞苑の用語解説です。

これは京都の和菓子屋のおつぼ。

Otsubo

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2018年11月19日 (月)

おっとこまかせ

未収録語シリーズ四百二十四。おっとこまかせ。
『こくらで いっぱいのもーて ぶらっと みせに はいったたーよかばってん がいこくんびーる ばっかしやったけん おっとこまかせで めにゅーの いちばんうえにあったとば ゆびさした』「小倉で一杯呑もうと店に入ったのはいいけれど、外国のビールばっかしだったからメニューの一番上を指差したよ」

【おっとこまかせ】とりあえず。取り急いでの意味。糸島弁に同じ意味用法で「おっとり《押取》」というのがあります。「押取」は元々「急の用事・急場・今すぐ・急いで」なので、この博多弁もこの「おっとり」に由来した方言やろうて思います。ただなぜ「おっとり」が「おっとこまかせ」となったかが、よくわからんとですよね。

わからんけん、いつものようにいいかげんな「こじつけ・当てっぽす」してみましょう。
「やっとこ」「やっとこまかせ」という言葉があります。
【やっとこ】かろうじて物事をはじめること。たどたどしく動き出す様子。
【やっとこまかせ】なにかを始めるとき、行動するとき掛け声。
・・・ということからの推測。「おっとり」と「やっとこ・やっとこまかせ」が部分的に意味が似ていることから、両方の方言の取り違えや混同、あるいは合成で「おっとこまかせ」となったのでは・・・と。まぁむりやりですけど。

小倉での最初の一発。

Booties06

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2018年11月12日 (月)

かなと

博多の食いもんシリーズその七十五。
『かなとな さしみや たたきよか やっぱし なべやら からあげのほうが うまかなー』「カナトフグは刺し身やたたきより、やはり鍋や唐揚げの方がおいしいね」

【かなと・かなとふぐ】シロサバフグの魚名方言。無毒で安いのでよく出回りよりますね。
「かなと」の由来は鉄床《かなとこ》そのものの形や、あるいは表皮の色が鉄床で叩き伸ばして光り輝く金属板に似ていたとこから・・・やろかな~と。
あと、もうひとつは「金門《かなと》」と漢字を当てておいて、ハリスや漁網を食い破るふぐの歯の頑丈が命名理由・・・かなと・・・それこその当てずっぽう。

図形や写真をずらずらっと。まずは鉄床。ヘボスケッチでご容赦。

Kanato04

たたきと唐揚げ。

Kanato03

Kanato02

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