2017年9月18日 (月)

ちいちいふぐ

未収録語シリーズ三百七十九。ちいちいふぐ。
『あんたんがいの よめさんの しんてんちょうで たちおよぎ しよんなったばい』『うちの ちいちいふぐやろ いつ うまれるかしらんとに べそで こまると』「あなたんちの奥さんが新天町で立ち泳ぎしてたよ」「うちの臨月ふぐやろ。いつ生まれるかわからないのに外出好きで困るよ」

【ちいちいふぐ】直接的には小さなフグのこと。写真のようにお腹がふくらんでいることから、臨月の女性を例えていいよりますね。
【ちいちいふぐの立ち泳ぎ】これも大きなお腹をゆらゆら揺らせながら歩く姿の例え。
【でべそ】出たがり、外出好きの例え。

Chichifugu01


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2017年9月11日 (月)

こしうだき

未収録語シリーズ三百七十八。こしうだき。
『ちょうないかいちょうさんの つるんひとことで あーたば こしうだきするごと なったけん つぎの せんきょい でない』「町内会長さんの鶴の一声であなたの後援するようになったから、つぎの選挙に立候補しなさいよ」

そげなこと急に言われても・・・でありますが、町村レベルの小さな選挙じゃよくある話やったごたります。

【こしうだき】腰を抱いてささえる・・・という意味からでしょうか。後援者、援助者、応援団、パトロン。同じく腰に抱きつくような言葉に「腰巾着」がありますばってん、こっちの意味はぜ~んぜん違います。

あんまし適当な写真のなかったけん、こげなと。お櫛田さんの境内で。

Zyusyokinen12

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2017年9月 4日 (月)

ピンギスとメゴチ

博多の食いもんシリーズその六十二。ピンギスとメゴチ。
『ほら みてんない ふとかきすの いっぱいかろ いつもんごと こまーか ぴんぎすと めごちも まじっとるばってんがくさ』「ほら、見てごらん。大きなキスがいっぱいだろ。いつものように小さなピンギスとメゴチも混じっているけどね」

今日は最初にその「こまーか」とをご覧にいれときましょう。左下がピンギスで右がメゴチです。

Pingisu

【ピンギス】釣れてくるキスでは最小サイズ(10cm程度)のミニキスをいいます。言葉の由来は二つほど考えられるようです。
1:ピンキリのピン。「ぴんからきりまで」は「最上等から最下等まで」ということですが、花札やかるたでは一月から十二月で「最初(最小)から最後(最大)」を意味するので、その最小のピン。
2:安全ピンや押しピンのピン。細く長いものからの連想から。ちなみに押しピンも方言ですよ。

【メゴチ】ネズミゴチ・ノドクサリの魚名方言。メゴチももう少し大きいと天ぷらにするとおいしかです。

ちなみに同じくキス(標準和名:シロギス)の博多方言である「キスゴ」については、だいぶ前ですが、二度「へっぱく」こいてます。ご参考まで。

キスゴ一尾目のへっぱく記事 キスゴ二尾目のへっぱく記事

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2017年8月28日 (月)

ぬたえ

博多の食いもんシリーズその六十一。およごし。
『よかとしこいた おいさんが おなごんごと およごしやら いうたら おかしかばい ぬたえて いいない』「いい歳をしたおじさんが女のように(およごし)なんて言うのはおかしいだろ。ぬた和えと言えよ」

【およごし】ぬた和え。魚や野菜を酢味噌で和えたもの。共通語の「よごし=ぬた和え」に「お」が頭についた女房詞で方言。上品な表現じゃあります。
【ぬたえ】ぬた和えのこと。博多弁。「ぬたえ」の方が博多ことばとしても一般的かもしらんですね。

イカゲソ・茗荷・きゅうりの酢味噌和え。

Oyogoshi03

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2017年8月21日 (月)

おばな

未収録語シリーズ三百七十七。おばな。
『いとしま みくもん はやまこふんの ちかくば とおって おもいだしたっちゃが やまんはしやら ふもとちかくんことば じいさんたちゃ おばなって いいよらんかったかいな』「糸島市三雲の端山古墳の近くを通って思い出したんだけど、山の端や麓近くのことを《おばな》って言ってなかったかね」

【おばな】山の稜線・麓のこと。物の末端。たぶんもう消滅語やろうて思います。なんとなく記憶(聞いたこと)のあるような、ないようなおぼろげな博多弁。もしかしたら意味も取り違えとるかもしらんですが、とりあえず言葉の由来なんぞをアテッポスしときます。
1:尾端《びたん》の言い換えで、尾端《おばな》。
2:尾根のこと。
3:山端《やまはた・やまはな・やまばな》のこと。京都の有名料亭に「山ばな平八茶屋」というとがあります。写真はそこの名物料理「ぐじ」。

Guji

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2017年8月14日 (月)

おもす・おむす

博多の食いもんシリーズその六十。おもす。
『こめば おもしゃー さけいなる むぎ むしゃー みそたい かんたんか はなしやろ』『そげんそげん いも おもしゃー しょうちゅう こどもにゃ さんじの おやつの ふかしいもたい』「お米を蒸せば清酒になる。麦を蒸すと味噌だよ。簡単な話だろ」「そうだね。芋を蒸して芋焼酎。子どもには三時のおやつのふかし芋だね」

【おもす・おむす】蒸すこと。ふかすこと。蒸すの女房詞になるとですかね。名詞形の「おむし」で味噌のこと。これも京都の御所言葉から来たとのごたります。写真は正真正銘の京味噌おむし。

Kyomiso

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2017年8月 7日 (月)

おびところびく

未収録語シリーズ三百七十五。おびところびく。
『わっか むすめんこが おびところびいて ぎょうぎのわるさ よめんもらいての のーなるばい』「若いお嬢さんが(帯も締めないで)着物の前をはだけて行儀が悪い。お嫁の貰い手がなくなるよ」

【おびところびく】帯を締めないまま着物(や洋服)の前をはだけたままのだらしない姿。今風に言うと、胸元や上半身あけっぴろげということでしょうかね。
地域や世代の違いで、同じ意味ながら少し違う方言で、「おびところむく」「おびところぶ」などあるごたります。ただもうどれも消滅(寸前)語でしょうね。

語源ははっきりせんとですが、これも古語に「帯解広《おびとけひろげ》」というとがあって、姿の悪いだけやないで、身仕舞いや素行の悪さも言いよったごたります。

まぁ、こげなハンチャ半纏で帯締めんね!て言われても困るとですよ。

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2017年7月31日 (月)

てんぽら

博多の食いもんシリーズその五十九。てんぽら。
『くちじゃ りっぱなことばかし いうとるが あやつぁ まともん しごと しきらん てんぽら てんぽら』「口では立派なことばかり言ってるけれど、あいつはまともな仕事もできない偽物まがい物だよ」

【てんぽら】てんぷらの訛り。共通語の「てんぷら」にも、衣で中身が見えないことから見かけだけの偽物・メッキ物という意味があります。ただ、こげな簡単で日常語がなしてわざわざ訛ってしまうとか、その理由がわからんですね。それが方言の方言たる由縁なんでしょうが・・・。

ちょっとばかし変わった天ぷらをご覧にいれときましょう。黒豆納豆(じたい珍しかですが)の天ぷらです。京都の黒豆屋さんで食べました。

Kitao06

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2017年7月24日 (月)

おっか・ちっか

未収録語シリーズ三百七十三。おっか。
『おっかばばさんと ちっかばばさんの ふたんで なかよー あるきよんなった』『そげんそげん あっちゃ としよりばばさんの ほうが げんきかごたる』「曾祖母さんと祖母さんが二人で仲良く歩いていらっしゃったよ」「そうそう、あちらのお宅はひいおばあさんの方が元気みたいね」

【おっか・ちっか】大きな、小さな。歳上の、歳下のの意味。おっかばばさんで曾祖母《ひいばあちゃん》。ちっかばばさんで祖母《ばあちゃん》。
【としよりばばさん】「年寄り」を上につけると、「年寄りの方の婆さん」の意味で曾祖母。いろんな表現があって、家族構成をよく知らんとけっこう判別に苦しむことのありますね。もひとつおまけ。こういう表現もあります。
【おっかんちゃん】大きな兄《あん》ちゃん。「ちっかんちゃん」で小さい方の兄。おっか姉《あね・ねえ》ちゃんの方は省略できんで、そんまま「おっかねえちゃん」。

では、おっかさんと、その子のおっか・ちっか姉ちゃんたち。

Oyako

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2017年7月17日 (月)

ながなり

未収録語シリーズ三百七十二。ながなり。
『ちょうないひ もろーて すぐかえるつもりが たいしょうに つかまって えらいまた ながなり きかされてしもうた』「町内会費を貰ってすぐに帰るつもりがご主人につかまってずいぶんと長話を聞かされたよ」

【ながなり】長話。不平不満。へっぱく。減らず口。捨て台詞などなど。地域や人によってけっこういろんな意味と用法があるごたります。「長鳴り」「長く鳴り響くこと」とすれば意味が通じやすかですね。
ただ「捨て台詞」の場合は「(投げ)捨て台詞」のように言葉の「投げ鳴り」とも考えられそうです。

こげな近くでの「長鳴り」はえずかですね。

Kaminarisan02

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