2017年10月16日 (月)

かんご

博多の食いもんシリーズその六十三。かんご。
『そろそろ かんごの なっとるちゃ なかかいな ちらっと やまいきして さがしてこうか』「そろそろムカゴが成っているんじゃないかな。すこし山に入って探してこようかね」

【かんご】ムカゴ・零余子のこと。山芋の蔓になる(種?実?のような)肉芽で食用。
で、そのムカゴがなんでカンゴに訛ったか?変化したか?を考えてみましょうか。零余子の「零」という漢字には「雨のしずく」や「こぼれ落ちる」という意味があるとですね。

ここからがいつもの「当てっぽす」になるとですが・・・。
雨のしずく→こぼれ落ちる→露→寒露(ちょうど今の季節をいう言葉です=二十四節気)→季節が寒くなって蔓からこぼれ落ちた子どもだから「寒子《かんご》」・・・な~んちゃってな推理はどげんでしょうか。ちなみにホダ木に成る冬の椎茸も「
寒子」と呼ばれとるようです。

写真はむかごご飯。

Mukagohan01

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年10月 9日 (月)

よりとり

未収録語シリーズ三百八十二。よりとり。
『てぐすと はりすの あいだにゃ よりとり いれとかにゃ すぐ おまつり してしまうばい』「道糸(釣り糸)と鉤素(ハリを結んだ糸)の間に縒り戻しを入れておかないとすぐに絡んで釣りにならないよ」

【縒りとり】竿先やリールからの釣り糸と鉤素の間でそれぞれを結んでお互いの縒りをとる仕掛けの一つで金属環になっとります。一般的には
縒り戻し・猿環《さるかん》・スイベル。「縒りとり」は浦言葉で方言。

写真が「縒りとり」。「みどりや仏壇店」の古いラジオCMではないですが、「縒りとりは選り取り見取りある」とです。

Yoritori_2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年10月 2日 (月)

たてごえ。

未収録語シリーズ三百八十一。たてごえ。
『ちっとまえまで かざむきん せいやろが うしんなきごえと いっしょい たてごえの におーてきよったが このごら あんまし きいならんな』「少し前までは、風向きのせいか、牛の鳴き声といっしょに堆肥が臭ってきたけれど最近はあまり気にならないね」

【たてごえ】堆肥のこと。立て肥と書くとでしょうか。博多だけやなくて、けっこう全国的に使われとる方言(古い言葉)のようです。藁や落ち葉や糞尿などを縦(立て)に積み重ねるけんでしょうかね。

写真は糟屋郡須惠町の堆肥供給センター。

追記:堆肥はちゃんと袋詰・・・なんぞと書いとったら、白い袋は牛の飼料やないかとご指摘うけました。たぶん飼料に間違いなかろうて思います。失礼しました。jinndayuuさん、ありがとうございました。

Tategoe

おいしか餌ばちゃーんと食べさせてもらいよるね>牛乳牛さんたち。

Boe02

こちらは元岡の酪農場。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2017年9月25日 (月)

とおせんばっちょ

未収録語シリーズ三百八十。とおせんばっちょ。
『こどもんあそびの とおせんぼうば なして とおせんばっちょて いうっちゃろかね ばっちょちゃ なんかいな』「子供の遊びの(通せん坊)をどうして(通せんばっちょ)と言うんだろうね。ばっちょというのは何だろう」

それがわかりゃぁ苦労はせんとです。というわけで「通せんばっちょ」。

【とおせんばっちょ】「通せんぼ」は辞書的には「通せん坊」。以下いろいろと遊び半分でばっちょ候補をずらずらと。

1:坊の訛り。
2:走りぐっちょの「ぐっちょ」みたいなゴロ合わせ語。言葉に調子つけるだけの接尾語。
3:戸口の通せん棒・閂《かんぬき》棒と考えると、棒の訛り。
4:閂棒の代わりに竹棒をつかった。竹笠=ばっちょ笠からの類推。
5:通せん罰(能古島の方言:石橋淙平)
6:唐船八丁:外国船を浜から八丁先に係留させたため(博多ことば:原田種夫)

これも外国船への「とおせんばっちょ」の一種でしょうかね。今津の元寇防塁。

Imazu00

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月18日 (月)

ちいちいふぐ

未収録語シリーズ三百七十九。ちいちいふぐ。
『あんたんがいの よめさんの しんてんちょうで たちおよぎ しよんなったばい』『うちの ちいちいふぐやろ いつ うまれるかしらんとに べそで こまると』「あなたんちの奥さんが新天町で立ち泳ぎしてたよ」「うちの臨月ふぐやろ。いつ生まれるかわからないのに外出好きで困るよ」

【ちいちいふぐ】直接的には小さなフグのこと。写真のようにお腹がふくらんでいることから、臨月の女性を例えていいよりますね。
【ちいちいふぐの立ち泳ぎ】これも大きなお腹をゆらゆら揺らせながら歩く姿の例え。
【でべそ】出たがり、外出好きの例え。

Chichifugu01


| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月11日 (月)

こしうだき

未収録語シリーズ三百七十八。こしうだき。
『ちょうないかいちょうさんの つるんひとことで あーたば こしうだきするごと なったけん つぎの せんきょい でない』「町内会長さんの鶴の一声であなたの後援するようになったから、つぎの選挙に立候補しなさいよ」

そげなこと急に言われても・・・でありますが、町村レベルの小さな選挙じゃよくある話やったごたります。

【こしうだき】腰を抱いてささえる・・・という意味からでしょうか。後援者、援助者、応援団、パトロン。同じく腰に抱きつくような言葉に「腰巾着」がありますばってん、こっちの意味はぜ~んぜん違います。

あんまし適当な写真のなかったけん、こげなと。お櫛田さんの境内で。

Zyusyokinen12

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年9月 4日 (月)

ピンギスとメゴチ

博多の食いもんシリーズその六十二。ピンギスとメゴチ。
『ほら みてんない ふとかきすの いっぱいかろ いつもんごと こまーか ぴんぎすと めごちも まじっとるばってんがくさ』「ほら、見てごらん。大きなキスがいっぱいだろ。いつものように小さなピンギスとメゴチも混じっているけどね」

今日は最初にその「こまーか」とをご覧にいれときましょう。左下がピンギスで右がメゴチです。

Pingisu

【ピンギス】釣れてくるキスでは最小サイズ(10cm程度)のミニキスをいいます。言葉の由来は二つほど考えられるようです。
1:ピンキリのピン。「ぴんからきりまで」は「最上等から最下等まで」ということですが、花札やかるたでは一月から十二月で「最初(最小)から最後(最大)」を意味するので、その最小のピン。
2:安全ピンや押しピンのピン。細く長いものからの連想から。ちなみに押しピンも方言ですよ。

【メゴチ】ネズミゴチ・ノドクサリの魚名方言。メゴチももう少し大きいと天ぷらにするとおいしかです。

ちなみに同じくキス(標準和名:シロギス)の博多方言である「キスゴ」については、だいぶ前ですが、二度「へっぱく」こいてます。ご参考まで。

キスゴ一尾目のへっぱく記事 キスゴ二尾目のへっぱく記事

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年8月28日 (月)

ぬたえ

博多の食いもんシリーズその六十一。およごし。
『よかとしこいた おいさんが おなごんごと およごしやら いうたら おかしかばい ぬたえて いいない』「いい歳をしたおじさんが女のように(およごし)なんて言うのはおかしいだろ。ぬた和えと言えよ」

【およごし】ぬた和え。魚や野菜を酢味噌で和えたもの。共通語の「よごし=ぬた和え」に「お」が頭についた女房詞で方言。上品な表現じゃあります。
【ぬたえ】ぬた和えのこと。博多弁。「ぬたえ」の方が博多ことばとしても一般的かもしらんですね。

イカゲソ・茗荷・きゅうりの酢味噌和え。

Oyogoshi03

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2017年8月21日 (月)

おばな

未収録語シリーズ三百七十七。おばな。
『いとしま みくもん はやまこふんの ちかくば とおって おもいだしたっちゃが やまんはしやら ふもとちかくんことば じいさんたちゃ おばなって いいよらんかったかいな』「糸島市三雲の端山古墳の近くを通って思い出したんだけど、山の端や麓近くのことを《おばな》って言ってなかったかね」

【おばな】山の稜線・麓のこと。物の末端。たぶんもう消滅語やろうて思います。なんとなく記憶(聞いたこと)のあるような、ないようなおぼろげな博多弁。もしかしたら意味も取り違えとるかもしらんですが、とりあえず言葉の由来なんぞをアテッポスしときます。
1:尾端《びたん》の言い換えで、尾端《おばな》。
2:尾根のこと。
3:山端《やまはた・やまはな・やまばな》のこと。京都の有名料亭に「山ばな平八茶屋」というとがあります。写真はそこの名物料理「ぐじ」。

Guji

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2017年8月14日 (月)

おもす・おむす

博多の食いもんシリーズその六十。おもす。
『こめば おもしゃー さけいなる むぎ むしゃー みそたい かんたんか はなしやろ』『そげんそげん いも おもしゃー しょうちゅう こどもにゃ さんじの おやつの ふかしいもたい』「お米を蒸せば清酒になる。麦を蒸すと味噌だよ。簡単な話だろ」「そうだね。芋を蒸して芋焼酎。子どもには三時のおやつのふかし芋だね」

【おもす・おむす】蒸すこと。ふかすこと。蒸すの女房詞になるとですかね。名詞形の「おむし」で味噌のこと。これも京都の御所言葉から来たとのごたります。写真は正真正銘の京味噌おむし。

Kyomiso

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«おびところびく