2012年1月25日 (水)

栄ゆる

えっ、これも方言?シリーズ四十八。栄ゆる。
『てんきんもんにくさ いわいめでたば おしえよるっちゃばってんが さっちが えだもさかえる はもしげるて うたうもんやけん おうじょうするやね』「転勤者にね、祝いめでたを教えているんだけど、必ず枝も栄える葉も繁ると歌うから困ってしまうよ」

ま、そういわんと丁寧に教えちゃっとき。

【栄ゆる】栄えるの訛り・・・というよりか、元々は古語の「栄ゆ」がそのまま博多に残っとるということでしょうたい。共通語の方が「栄ゆる」から「栄える」に訛ったという方が正解かもしらんですね。
万葉集にも、
<御民我れ生ける験あり天地の栄ゆる時にあへらく思へば >
なんてのがあるごたります。

とりあえず、歌詞ば書いときましょうかね。歌う順番が人によって場所によって、モノ文献によって(博多手帳でも違ったし、そうそう山笠んときも)違うごたりますが、一応は権威ありそうなとこから引用させてもろーときます。出典は「冠婚葬祭 博多のしきたり:波多江五兵衛:西日本新聞社昭和49年刊行」 1 祝いめでたの若松さまよ 若松さまよ 枝も栄ゆりゃ 葉も茂(しゅげ)る エイショーエー エイショーエー ショーエ ショーエアー ションガネ アレワイサソ エーサーソーエ ションガネ (この部分繰り返し) 2 さても見事な櫛田のぎなん 櫛田のぎなん 枝も栄ゆりゃ 葉も茂る 3 こちの座敷は祝いの座敷 祝いの座敷 鶴と亀とが 舞い遊ぶ 4 こちのお庭にお井戸を掘れば お井戸を掘れば 水は若水 金が湧く 5 だんな大黒ごりょんさんな恵比寿 ごりょんさんな恵比寿 できた子供が福の神

はい、最後に面白か「祝いめでた」を見つけましたけん、ご紹介しときましょう。

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2012年1月18日 (水)

じぇんじぇん

えっ、これも方言?シリーズ四十七。じぇんじぇん。
『ばばしゃんが くろぼーでも こーて たべときーて じぇんじぇん やんしゃった』 「お婆さんが黒棒でも買って食べてなさいとお金をくれたよ」

【じぇんじぇん】銭。じゃらじゃら小銭のこと。銭々。お金を意味する幼児語。低額紙幣も言わんことがなかった気もしますが、やっぱし主に硬貨のことやったです。
自分が子供のころは、まだ「じぇんじぇん」という年寄りが居んしゃったですが、もう親世代は言わんかったごたります。

ま、じぇんじぇん・・・で思い出したとはコレ。当然といや当然やろかな。

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2012年1月10日 (火)

いっちょなみ

未収録語シリーズ 百六十三。いっちょなみ。
『お どこさいいくと あー きょうな せいじんしきたいね そげんして せびろ きりゃ いっちょなみに おとなに みえるたい』「おや、どこへ行くの。あ、今日は成人式だね。そんなにスーツを着ると立派な大人に見えるよ」

【いっちょなみ】一人前。おとな。おとなになること。博多弁には同じ意味で「おちょうなみ」やら、「いっちょまえ」という言葉もあります。

語源としちゃ、普通に「一丁並み」「一丁前」でしょうね。一丁の「丁」には次のような意味があるごたります。広辞苑と大辞林から「丁」の説明を引用しときましょう。なんとなく納得できる気がしてきます。

【丁】①(テイとも) 成年男子のこと。⑨ちょうど。まるまるの意味。(広辞苑)
【丁】(3)料理・飲食物の一人前を単位として数えるのに用いる。「もり一丁」「カレーライス三丁」 (大辞林)
そうそう、豆腐も一丁ですたいね。ちょっと小さい一丁前ばってんが・・・

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2012年1月 2日 (月)

焼きはぜ

博多の食いもんシリーズその三十一。焼きはぜ。

あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
暮れから「博多雑煮」「栗はい箸」「嫁御ブリ」などの検索語でけっこうなお客様にいらしていただいているようで、そのからみで「焼きハゼ」写真があるとを思い出しました。

『よー どうやったな はぜな つれたな』『うん こまかばってんが けっこう つれたばい ぞうにようの やきはぜに しとこーて おもうとる』「ほら、どうだったかい。ハゼは釣れたかい」「うん、小さいけれどけっこう釣れたよ。正月雑煮用の焼きはぜにしておこうと思っている」

【ハゼ】ハゼ科の硬骨魚の総称。特に、マハゼを指す。淡水・海水・汽水に産し、多くは全長20センチメートル以下で水底にすむ(広辞苑)
【焼きハゼ】鱗を落しワタをとって素焼き白焼きにして日陰干ししたもの。博多では(少なくなりましたが)雑煮用の「出し」とりに使います。

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焼いたすぐと

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2日ほど干したもの。それらしくなってきています。

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2011年12月24日 (土)

あのっさ

未収録語シリーズ 百六十二。あのっさ。
『あのっさ あれっさて いいよるうちにくさ としのくれの きて しもーたばい』「あのね、あれがねなんて言ってるうちにね、歳の暮れが来てしまったね」

【あのっさ】あのくさの短縮形。促音便化したもの。共通語の「あのさ」とほぼ同じ意味ですが、発音の違いは明瞭。
これが少しくだって筑後弁になると、「あのくさい」になり「あのっさい」とつづまるごたーです。

【くさ】あのね・~さ・~ね・~だよ。軽い強調・指示・念押し・呼びかけ語。語源は代表的な古語のひとつの「こそ」の転とか。こその転というとは、博多弁の使いまわしの上からは、いまいちピンと来んとですが、それ以外の俗解も思いつかんもんやけん、とりあえず日本国語大辞典からそんまま引用しときます

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昔から筑紫の国は「くさ」だらけ。

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2011年12月16日 (金)

こんなこんとなきない

未収録語シリーズ 百六十一。こんなこんとなきない。
『うちんがいに あそびに こんな』『ようじの あって こられん』『なして こんとな よかけん きない』「うちへ遊びに来なさいよ」「用事があって行けない」「どうして来れないのかい。いいから来なさい」

【こんな】来なさいよ。
【こんとな】来ないのかい。
【きない】来い。
一語一語は「単純明解博多弁事典」やこの「へっぱくBLOG」にも、けっこうそれらしい例文が入っとるはずですが、こうして「来る」やら「来ん」やらの用語説明しようと書きだすと、自分でもどこまで方言やったか共通語やったかわからんごとなります。ま、どっちにしろ、「こんな?こんとな?きない!」と続くと少々博多弁に慣れとっても、他所の人やと意味をつかむとに往生こくでっしょうね。

今日はこげな曲でお楽しみくだされませ。こーんこん。

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2011年12月 5日 (月)

おっとろしい

未収録語シリーズ 百六十。おっとろしい。
『おれの いとこがくさ たんしんふにんさきで うわきしたとが ばれてくさ きょうの いまごろな よめごが あいてんとこに のりこんどるころばい』『うはー えらい おっとろしか はなしやなー』「俺の従兄弟がね、単身赴任先で浮気したのがばれてね、今日の今ごろは嫁さんが浮気相手のところに乗り込んでいるころだよ」「うわー、それはずいぶん怖い話だね」

【おっとろしい】恐ろしいこと。とても怖いこと。意味が強調されている表現。もしくは冗談っぽく大げさに話す場合に使われることもありますかね。
語源は古語の「おそろし」でしょうが、ちーと「おどろおどろしい」意味が入ってきとる気がします。

wikipediaにこういう「おっとろしい」絵がありました。

Sekienotoroshi

詳細はこちら。

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2011年11月27日 (日)

ぼとつく

えっ、これも方言?シリーズ四十六。ぼとつく。
『こんごろな さすがに じいちゃん ちーと ぼとついてきなった ごたる』「このごろはさすがにお爺ちゃん、すこし足元が頼りなくなられてきたようだ」

【ぼとつく】足取りがおぼつかない様子。もたもたした歩き方。
意外と気づきにくい方言かもしらんですね。広辞苑あたりにも収録されとりません。語源としてはいろいろ考えられるとですが、とりあえず列記してみますか。

ぼとぼと=ぼたぼた・・・モノが落ちる音。ぴちぴちと違って重たい鈍い感じ。
ぼてぼて・・・ほらあのボテボテの内野安打というアレですたいね。これも軽快さのないもたもたした感じ。
ぼてぼての服・・・だぶだぶの服と同義でこれも軽快さ無し。
ボテ腹でのろのろ歩く・・・も同じ感覚ですたいね。
もっさりした様子、もたもたした様子の「もさ・もた」からとも考えられますね。

また、このぼと・ぼて・ぼた・・・は「布袋さん」から来た言葉という説もあるごたります。

Sengaisigetuzu

「指月布袋画賛」という絵げなです。

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2011年11月19日 (土)

こしょう

博多の食いもんシリーズその三十。こしょう。
『うちんしてんに てんきんしてきたやつと うどんのはなしに なってくさ うどんにゃ こしょうかけらな おいしゅうなかばいて いうたら そいつぁ びっくりしよったやね よそじゃ こしょうやら いれんとかいな』「うちの支店への転勤者とうどんの話になってね、うどんには胡椒かけないとおいしくないよと話したらびっくりしていたよ。他所じゃ胡椒は入れないのかな」

【こしょう・胡椒】唐辛子のこと。一味七味。
博多(九州)では唐辛子のことも胡椒て言うとですよ。人によっては唐辛子じゃない方のコショウを洋ゴショウて区別して言いよります。そりゃぁ、博多でもいくらなんでも、うどんに(洋)コショウはかけんです(居るかもしらんばってん)。かけるとは唐辛子。どっちかというと、「えっ、これも方言?シリーズ」に入れるべきやったかもしらんですが、これから紹介する「ゆずごしょう」のこともあるけん、「博多のくいもんシリーズ」にしときました。

Yuzugosyo

我が家のコショウ類。左から七味、普通のコショー、柚子ごしょう、塩コショー、かんずり。柚子ごしょうも最近はけっこう全国的になっとっちゃなかですかね。自分が最初にこげなとがあるったいと気づいたとは、まだ二十歳代のころ国東あたりやなかったでしょうか。たしかそんなに記憶が・・・。

あ、そうそう。博多のラーメン店(注:固有名詞の「博多ラーメン」とは書かん)にも唐辛子系タレ(団子?)を入れるとこが増えて来たごたります。発祥はよー知らんけど龍龍軒あたり?で一蘭がバラマキよー形かいなね。自分はどちらも一度で懲りたです。まぁ唐辛子が乗ってなくても食わん店ですが。

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2011年11月 6日 (日)

「ああね」の由来語源

新博多弁?シリーズその十六。ああね。

以前、おなじく新博多弁?シリーズの十として「ああね」という若者語をとりあげたことのあるとです。こげな感じでですね。
以下引用。詳細はコチラ
『あんね ゆにくろ いくなら どにちがよかよ』『ああね ちらしが いつも はいってるもんね』「あのね、ユニクロに行くなら土曜日曜がいいわよ」「ああそうだね。チラシがいつも入ってるものね」

で、最近、もしかしたらこれが「最初の言いだしっぺさんかも~」「これが発生源かも~?!」いうとを見つけたけん、ご報告しときます。「しらけ鳥音頭」の方にご注目くだされ。

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